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学校での俺は、前髪長めの黒縁メガネをかけて過ごしていた
どこにでもいる地味~なモテない人
……のフリをしている
実際は面倒な人間関係に巻き込まれたくないのが理由だ
ゆあんくん
俺は目の前にあるパソコンを起動させる
ゆあんくん
起動させている間に、カバンを開けて学校から持ち帰った教科書を取り出そうとした
その時
ゆあんくん
ゆあんくん
見知らぬ教科書が一冊入っているのが見えた
急いでその教科書を取り出すと
ゆあんくん
ゆあんくん
俺の学年とは違う、一冊の英語の教科書だった
裏面には、きれいな整った文字で『黒宮うり』と名前が書かれている
ゆあんくん
ゆあんくん
俺の通っている学校には、その学校で一番モテている先輩がいる
名前は『黒宮うり』という
その先輩こそが、この教科書の持ち主『黒宮うり』なんじゃないのか…?
ゆあんくん
そこで俺は、今日の昼休みのことを思い出した
図書室の前を通りかかったとき、誰かと肩が強くぶつかって
お互いにカバンの中身を床にぶちまけてしまったのだ
ゆあんくん
焦って教科書を拾い集めたから、お互いの物が入れ替わってしまったのだろう
ゆあんくん
学校の有名人と教科書が入れ替わるなんて、思ってもみなかった
女子ならきっと、ラッキーな出来事だと思うだろう
だけど、普通の地味な学校生活を送りたい俺にとっては大ピンチでしかない
何しろ、廊下ですれ違ったとき目すら合わせないようにしている相手なのだから
ゆあんくん
ゆあんくん
翌日
放課後、俺はメガネ姿のまま、あまり人が来ない図書室の奥へと向かう
そこには、窓側の席にぽつんと一人でスマホをいじっている黒宮先輩の姿があった
俺は周りに人がいないことを確認する
ゆあんくん
足音を立てないように近づき、先輩に教科書を差し出した
ゆあんくん
ゆあんくん
うり
黒宮先輩は弾かれたように顔をあげ、自分を凝視する
俺は周りに人がいないか気になって一瞬だけ前髪をかき上げ
黒縁メガネを少しずらして、先輩の目をまっすぐ見つめる
ゆあんくん
うり
その瞬間、黒宮先輩の動きがぴたりと止まった
彼の顔は不思議と朱色に染まっていって
瞳が右往左往に動いて、目が合わない
ゆあんくん
ゆあんくん
学校での俺を目の前にして、明らかに拒絶されている感じがする
少しだけ胸がチクリと痛んだ
黒宮先輩は俺からそっぽを向きながら、俺の手からひったくるように教科書を奪う
うり
短くて、冷たい声
うり
うり
そういって、黒宮先輩は俺から逃げるように立ち去ってしまった
一人残された俺は、小さくため息をつく
ゆあんくん
ゆあんくん
理不尽な態度にあきれながらも、俺は返ってきた自分の教科書をカバンにしまう
これでお互い、ただの「他人」に戻るはず______
#krpt
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