横を見るとそこにいたのは
息を切らして、 俺を見つめる平野さんが居た。
廉
息を切らし、 俺を見つめる平野さん
俺がそう言うとふっと微笑み
紫耀
困ったように笑う平野さん
…俺が、心配、?
俺なんかを、心配…?
紫耀
顔をあげ、電車内の天井を見上げ 苦笑いをする平野さん
なんで、謝るん?
人となるべく関わらない ようにしてた俺にとって、
平野さんと関わることは とても難しい事やった
しばらく、相手の気持ちなんて 考えもしなかった
しばらく、相手の行動とか 気にもしなかった
そんな俺には平野さんの 心なんて当然読めなくて、
なんで謝るのかも、
困ったように笑うのも
俺を心配するのも
全部、全部、 分からんかった
俺は分からないまま、
ただただ、夕日に照らされている、 平野さんの横顔を眺めていた
俺らは特に会話もなしに、
電車に揺られ、自分たちの 駅に着く事を待った
駅員
廉
紫耀
にこっと笑いかける平野さん
俺の次の駅、かぁ、
近いようで、遠いんやな、
俺の降りる駅に着いて、 平野さんにペコッと軽くお辞儀をして 降りる
電車越しの窓から、俺に軽く 手を振っている平野さんの 姿が見えた
俺は絶対、平野さんからの お誘いの時
困った、あるいは 嫌そうな顔しとるはずなのに…
なんで、
あんなに 優しくしてくれるん…?
分からん、
人の気持ちなんて、 分からんもんや
人の気持ちにつけ込んで 騙そうとする奴も居れば
人を助け出したいという 暖かくて優しい心を 持つ奴もいる
昔、俺は、親友に、騙された、
それから、人を信じられんくなった
人の心情を使って騙そうとしてくる
俺は自分以外の人間を勝手にそう 思い込んで
人と関わりを持たない事を決めた
やけど、
その騙しがきっかけで、 俺の心はどんどん崩れていった…
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続きが楽しみです!