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1話で終わるタイプのやつ

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1話で終わるタイプのやつ

2 - 一文字増やして変えていけ!

♥

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2022年08月29日

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きゃっ!琴葉ちゃんがぁ、睨んできましたぁ♡みお、怖いぃ♡

おい無能!

なにみおちゃんを睨みつけてんだよ!

琴葉

決して澪が溢した言葉は嘘ではない。

実際に睨みつけたから。

と、いうのも、睨みつけたのはちゃんと理由がある。

あっちが昨日、母親を殺したからだ。

睨みつけたくらいで勘弁したのをありがたく思って欲しい。

先ほどから胸ぐらを掴んで右の頬を殴ったり、私を地面へ打ちつけたあいつらに向かっていう。

琴葉

お前らは暴力でしかこの場を解決できないと思っているのか?

っ!しゃべるな悪魔!

琴葉

はぁ、噂話をまだ信じているの?

この市では悪魔のことを紫色の目を持つものとされている。

なんで澪の言うことを信じるのかなぁ?

あいつは乙女ゲームの主人公なのか?

そう思うほど淡々とあいつの思い通りに進んでいる。

噂話は澪から出たもの。 どうやら、私はある日の放課後、澪を呼び出し、思いっきり殴ったり蹴ったりした“そうだ” そのときに、カラコンとやらが外れて、私の紫色の目が見えたらしい。

みおちゃんが言うことは全部本当だから信じるんだよ

あぁ、なんでこんなにお前らは滑稽なのだろうか?

みおぉ、ことちゃんがいなくなってほしいなぁ♡

琴葉

…あっそ、私はてめぇに消えてほしいけどな。

まぁ同じくらいの暴言だろう

まぁどうせ、澪の言うことがとっても軽く聞こえて私が敵意向けられるんだろうなぁ

てめっ!?みおちゃんになにいってやがる!

琴葉

暴言

言って済まされることじゃないんだぞ!

琴葉

逆に言って済まされると思ってる人いると思ってんの?w

そりゃそうだ。言って済まされたら罪に問われる可能性など0%なのだから。

悪魔が調子乗んな!

琴葉

うるっさ

またそれか。君たち悪魔って言葉好きだねぇ

琴葉

そんなに悪魔って言葉が好きなら悪魔になれば?w

琴葉

まぁなれないだろうけどw

せーんせっ

おーい、お前ら席につけ〜

いつも通り教師が偉そうに指示を飛ばす。

せーんせっ

ホームルームの時間だが…

なにか報告はあるか?といつも通り教師が言おうとした時、こう言う言葉が飛んできた。

ことちゃんがぁ♡みおのことをぉ♡睨んできましたぁ♡

琴葉

へー、密告会かぁ

琴葉

なら言ってやろうか。

琴葉

はーいそこのくそぶりっ子野郎が昨日私の親殺しました〜

本当だ。だって、私は聞いた。

いつもは甲高い澪の声が低音になって、笑顔で親を殺しているのを。

音を出してしまったが、写真も撮った。

まぁ澪は殺すのに必死で聞こえなかったようだが。

琴葉

ねぇ?写真も撮ったんですよぉ?

琴葉

ほーらみなさい?

琴葉

君たちがw愛していた澪ちゃんはこーんなに悪なんですよぉぉ〜???ww

…みお、最低やな

そう言った彼は膝から崩れ落ちた澪を見下し、冷たい目と冷たい言葉を澪にぶつける。

澪の方を向くと、ぷるぷると小刻みの震えながら、俯いていた

ち、がぅ…

ずずっと鼻を啜る音が聞こえる。

泣いているのだろう。いや泣き真似であろうが。

あーあ、澪、ちゃんと運命ノートを確認しておけばよかったのにw

な…んで…

澪の能力が「特定のノートに望んだ運命を書くと、明日その通りになる。」という能力なのはもう知っている。

その能力を明日が迎えるまでに見つけて、私の「能力を扱う」能力で書き換えたらいいのだから。

まぁ…文字数が必ずもとより一つ増えた文字にしないといけないが

琴葉

…はぁ、もう澪の能力は見破ってるよ。

っえっ?

目を丸くし、先程まで下げていた顔を上げていた。

あぁ、まるで今は私が主人公ね。

だって、悪役が澪だとしたら、それを裁いている私は主人公。

先程から上がっていた口角が楽しそうに口を開く

琴葉

昨日運命ノートとやら確認してないでしょ?

…あ

そういえば、と言いたげな顔で澪はこちらを見つめる。

琴葉

琴葉が追放されるなんて、随分思い切ったことを願うのね?

追放とは、この学校から80キロ以内に近づいたらダメという随分アホらしい命令だ。

琴葉

澪、目には目をって知ってる?

うん…

流石に澪でもそんな有名なことわざは知っている

琴葉

同じものには同じものをぶつける。

琴葉

それがいい

澪はまだ床にぺたり、と手をつけながら、眉毛を真ん中へ寄せて、何が言いたいんだと言いたげな顔をする。

琴葉

だから私は能力には能力をぶつけることにした

琴葉

そしてこう書いた。
「浅倉澪が追放される」…と

澪はその言葉を聞いた後、口を小さめに開けて、目を強くつぶった

これは能力を使うときのポーズだ

書き換えられるのに、なぜそれに気づかないのだろう。

琴葉

ほうほう、fineねぇ…

琴葉

終わらせないよ?

私も強く目を瞑り、澪の能力の中に入る。

そしたらペンを持ち、「retry」とかいた

…!?

琴葉

さっき書き換えられるって言ったじゃんw

…っ

澪がうまくいかなかったからか、苛立って舌打ちをした。いや、威嚇かもしれないが。

琴葉

消耗戦になる、かな

消耗戦になるんだったら悪魔の方が良かったな。

悪魔は一般人より多くの魔力を持っている。

消耗戦に持ち越されたら悪魔の方が確実に勝てるのに。

そんなことを考えていたら、また澪が能力を使おうとした。

琴葉

ねぇ澪、なんでそんなに魔力を消耗する必要があるの?

…?

澪はみおにはそのこと、心底理解できないよ、と困惑した表情を浮かべながら告げた

琴葉

…私達は悪魔じゃないから、魔力が少ない。

琴葉

消耗戦になるならば、かなり使った方がもちろん負ける。

琴葉

しかも、その能力は人間が使えて3回程度。

私は澪を睨みながらそのまま淡々と述べる。

琴葉

________そんな早く使っても、意味がないよ

澪は思い出したかのように身を開き、体をピンと固まらせる。

…そう、だけど

澪は表情が見えないくらい俯いて、弱々しく応える。

琴葉

そんなんじゃ、

澪の後頭部を丸く掴み、こちらに寄せる

琴葉

秘密、バレちゃうよ

澪だけに聞こえるように呟く。

なぁ、あいつらなにやってんだろうな?

さぁ…

ホームルームまだ終わらないのか?

はやく帰りたいんだけど…

せーんせっ

はぁ…

あやっべ、勝手にしすぎたか。 教師なんてパソコン付け始めてるし…

もうかっぱえびせん状態だし…さらに勝手にしちゃおうか。

琴葉

みお

澪から離れて、まだうずくまっている澪を見下す

…?

澪は不思議そうに顔を歪めてこちらを見上げた。

琴葉

行くぞ

そういって澪の片手を掴み、上に引っ張り上げて、ゆっくり歩く。

っえっ!?

はっ!?

あいつらやべえだろ…

澪は素っ頓狂な声を出してついてくる。

澪を連れて教室をでたら、3階の2-7から渡り廊下を通過して…

ことちゃん!

ルートを考えていると、澪が私の呼び名を使う。

琴葉

…なに?

機嫌が悪くなって、そっけない態度を取る。

なんで…なんで

琴葉

シンの秘密をバラさないか、か?

その先は予想できてる

シンのことだ。 何か事情があって私を貶めたんだろう

琴葉

そりゃ、シンのことだから

シン

その名で呼ぶことが、僕に対しての罰かな?

琴葉

これでも無能って、悪魔だって言われんのキツかったからな

シン

うっ…

あぁ、懐かしいなぁ

琴葉

それで、シンはなんで私を陥れたんだ?

シン

あぁ、それなんだけど、ことちゃんってさ、体術的に…ね?

琴葉

体術苦手だからか?

シン

僕の能力、ってさ、未来を操るじゃん?

琴葉

あぁ、そうだな

シン

その未来が、ひどくって

シンが句読点を多用する時。

それは_______

琴葉

どんだけひどいんだよ、その未来

現実逃避したい時だ

シンはちょっと気まづそうに下を見ながら歩く

シン

んっと…

シン

______世界滅亡の危機くらい?

琴葉

っは、?

さらっと苦笑いを浮かべながら言うシンに対して、少々引き気味になる。

へにゃり、と効果音がつきそうな薄笑いはどこか寂しそうだった

シン

ことちゃんがいなくなった途端に、世界が変わる。

シン

ことちゃんは僕を庇ってアイツと戦って…

琴葉

負けた、か

体術が苦手な私が体術系の能力も持っていない。

体術戦になって負けたんだろう

シン

…そ

琴葉

そんな未来にしたくないからか?

シン

うん、そなの

本当にこれしか道がなかったのだろうか?

琴葉

はぁ、シン、お前もしかして__

シン

琴葉

私が一番傷つかない道選んだろ

シン

!?

シンは図星のようなびっくりした顔をした。

シン

い、いやぁ!な、なわけないじゃん!

こいつめちゃくちゃに声がうわずってやがる。

琴葉

お前…!

シン

だってだって!

琴葉

やり過ぎたら私がヘラって自殺するとでも思ってんのか!

シンはうぐっと声を出している

琴葉

ヘラってんのはそっちじゃねぇか!

シン

だけど!ことちゃんが傷つかないじゃん!

琴葉

お前いつまでお人好しなんだよ!

あいつは昔っからそうだ。

他の人が傷つかない道を選ぶが自分のメリットがない道を選ぶ

琴葉

いい加減自分のメリットも考えろ!

シン

ごめんなさい!

はぁ、と呆れてため息が出る

琴葉

…説教は終了する

琴葉

思ったんだけど

シン

?なーに?

琴葉

お前演劇部だっけ?

シン

にゃはは!そうじゃないことはことちゃんわかってるでしょ?

たしかにシンは私と同じく部活に入ってない

琴葉

…どこの動画参考にした?

琴葉

ほら、ことちゃんにいうてみぃ

シン

まっさか〜!なんにも参考にしてないよ〜

シンは軽く笑っているがあの演劇力は凄いものだ

琴葉

あと声も変えてたろ

シン

ん、あれ気づいた?

琴葉

気付いてなかったら言ってねぇだろ

シン

んはは!たしかに〜

けらけらとのんびり笑った

琴葉

あとさ!能力の偽装、私が事前に伝えてなかったのによくわかったね!

シン

まぁ合図してたし

シン

ことちゃんが口角を上げたときは嘘をつくときだもん

琴葉

合図って言っても結構昔に決めたけどね

シン

たった五年前じゃん

琴葉

たった、じゃないんだよな

琴葉

だいぶ昔だろうが

こいつは五年を5日とでも勘違いしてるのか?

シン

てへっ?

琴葉

体内時計狂ってるな

シン

むぅ…でもでも!

シン

8秒を20秒だと思ったことちゃんには言われたくないよ〜だ!

過去を掘り返すな

その過去だけは掘り返すな

琴葉

あ“?

シン

にゃはは!今のことちゃんは怖くないよーだ!

琴葉

んむむ〜…!

シンを睨みつける。が、効いていないのか、シンはにまにまと笑みを浮かべている。

琴葉

ことちゃんに逆らったら、痛い目見ることを教えないといけないかなぁ?

手をポキポキと鳴らして、威嚇する

シン

ことちゃん自身が体術苦手言ってたし、全く怖くないもんねぇ〜!

そう言えば言っていた気もする。

琴葉

…シン、そーんなにぃ、説教8時間コースがいいのかなぁ?

シン

…えっ!?

ちょっとまってちょっとまってよ!と、止めようとするシンの声を聞こえていないふりをして、話を続ける

琴葉

じゃあ今日、私の家に来な?

シン

本当にごめんなさい!

シン

謝る、謝るから8時間コースは許して!

琴葉

んー?ふふっ、ことちゃんが幸せな人生を送らせてくれるって、約束するならいいよぉ?

シン

ほっ、本当!?

琴葉

本当本当、約束する?

シン

うん!約束する!約束するよ!

小指だけを立たせて、シンに小指を見せる

琴葉のやりたいことがわかったのか、シンは笑顔で小指を結びつける

2人の声が重なり、弾んだ声が廊下に静かに響く

ゆーびきーりげんまん、うーそついたらはーり千本のーます!ゆーびきった!

琴葉

ふっ…w

シン

ちょっ!?なんでことちゃん今笑ったの!?

えっ!?えっ!?と、困惑しているシンを見ながら思う

あぁ、これが、幻じゃなければよかったのになぁ

琴葉

あぁ、“今は“私、幸せだなぁって思ってな

シン

今よりももっと幸せな人生を送らせてあげるよ!

琴葉

本当かぁ?じゃあ、期待して待ってるな

シン

うん!期待して待っててよ!

今回はやけに長かったなぁ

琴葉

はぁ…体が重い…

琴葉

ははっ…はー…

琴葉

シンも、誰も彼も、みーんな、なんで私から離れてく…んだよ…

琴葉

約束、したのに…

琴葉

楽しい人生を送らせてあげるよって、自分で言ってたじゃないか!!!!

琴葉

なのに、なのに!!!

琴葉

なんで送らせてくれないんだよ!!

琴葉

___神とやらは、不平等らしい。

琴葉

不平等な人生を送らせて、何が楽しいですか?

琴葉

彩って、精一杯頑張ったって、無個性なままで、劣等生のままで…

琴葉

頑張って!とか、笑って、とかの…励ます言葉、いらないよ…

琴葉

私が唯一欲しいのは、こんな私でも優しく包み込んでくれて、遠慮なく言い合える大切な人なんだよ…!

琴葉

せっかくそんな人がいたのに、手離しちゃったのは何でだろうなぁ…w

乾いた笑いが森に響く

琴葉

もう一度、もう一度あいたいよ…

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