君はずっとそのままで

初めてあいつを見た時

思わず見入っちまった

真っ白な髪に

高くすらっとした背丈

顔は見えねぇが

その他の容姿に見惚れちまったんだ

わざとじゃなかったんだ

頬を掴む予定だった

お前の顔を見た

その体に良く似合う

静かで凛とした顔立ちだった

男の顔と言うよりは

少し女よりの柔らかい顔立ちだった

その目には

何も写ってなかった

確かに俺の方を見ていたが

何も写す気がないようだった

あいつの顔を見て、

綺麗だということ以外に

もうひとつ気になることがあった

傷ではなさそうだった

聞くべきじゃなかった

この時、聞いていなけりゃ

こいつのプライベートに

足を突っ込んじまったから

助けるだなんて

簡単に言っちゃダメだったんだ

ただ、あいつに見惚れて

少しでも良く思ってもらいたかっただけだった

でもそれが

間違ってたんだ、、

デクに負けて悔しがってた

だが、それ以上に

強いやつだらけだった

焦った

俺とは比にならねぇくらいの個性

細い奴だ、勝てる

そうやって余裕ぶっこいてた

BooM!!

BooM！

負けた

完敗だった

あいつは、

今まで見てきたヤツらと

比にならねぇくらいに強かった

個性が派手な訳でもなく

特別ガタイが言い訳でもなかった

でも

冷静だった

圧倒的な強さ

今まで見てこなかった存在に

怒りどころか恐怖すらおぼえた

ついカッとなった

すぐに謝るべきだった

女だった

女を、

しかも、自分の惚れた相手を殴った

その時は

女を殴ったという罪悪感と

惚れた女に、

嫌われたかもという不安で

いっぱいだった

この引っかかりをもっと気にしていれば、、

もっと早く気づけたはずだった