遠藤side 数日後 約束の3月27日。 とある桜の綺麗な公園。 午前中に動物園に行き その場でご飯を食べて 俺の運転で公園までやってきた。
美桜
満開じゃん。
成
久しぶりに見たかも。
人混みを避けながら 前に進んでいく。
美桜
成くんちょっと待って
成
あ、ごめん。
少し早く歩きすぎたのか 美桜とはぐれそうになる。
成
手持つ?
美桜
うん。
会話が少なくて なにか話を振ろうと思っても 告白する緊張からか 話を振ることが出来ない。
美桜
ここら辺でシートひく?
成
あ、うん。
美桜の指示に従って シートを広げた。 そそくさとシートの上に 座ってお菓子を広げ始めた。
美桜
どれ食べる?
成
どれも美味しそう。
美桜
これね、私のバイト先の新作のクッキーでね。まだ販売してないんだけど美味しくできたから大量に貰ってさ。
成
マジで?なんか得した気分w
この間年下組と行ったカフェに 美桜が働いていたのを 初めて知った。 そのお店は双子の 母方のおばあちゃんが経営していて 今年で20年経つんだとか。
成
孫が可愛いからなんでも作ってあげるんだろうなぁ…
美桜
修也もそうなんだけど自分じゃわかんないんだよね。可愛いとか。
成
確かに。クッキー頂きます。
美桜
どーぞ。
成
甘さ控えめで美味しい…
美桜
でしょ?おばあちゃん甘いのばっかり作るからリクエストしてよかったかも。
成
お礼にこれ貰って。
この間見つけた ヘアクリップを渡す。
美桜
可愛い。貰っていいの?
成
うん。貰って欲しい。
美桜
ありがと
嬉しいのか口元が緩んでいる こんなに喜んでくれるのかと思い 無意識にとある言葉を発していた。
美桜
え?
成
あ、今俺なんて言った…?
美桜
いや、『好き』って…桜のこと?
成
いや、それもあるけど…
美桜
"あるけど"…?
成
俺、美桜のことがずっと前から好きだった
振られてもいい覚悟で 美桜を見ながら 告白した。 人生の中で1番緊張している。 振られてもいい覚悟で。
美桜
私でいいんですか…?
成
美桜じゃないと嫌です。
美桜
私でよければよろしくお願いします…
成
マジで?
美桜
はい。
美桜side 神戸港 片思い数ヶ月で彼氏が出来た。 彼氏さんはかれこれ18年の 片思い歴だったらしい。
成
もうそろそろ暗くなるし家まで送るわ。
美桜
え?ここから近いし、別にいいよ。
成
いや、女の子ひとりじゃ危ないし。
美桜
ちょっと待って。
成
え?
美桜
あそこ。
さっきから 誰かに見られてる感じがして 辺りを見渡してると 見覚えのある人影を 見つけた。
脩也
くっそ。バレた。
前川
なんでバレたん?
中川
おかしいて。
成
お前らおったん?
前川
成さんおめでとうございます
脩也
美桜のことよろしくお願いします
美桜
親かよ。
成
任せて。
中川
結婚式呼んでくださいね。
脩也
泣かせないでくださいよ。美桜意外と泣き虫なんで。
成
知ってる。結婚まで持ってくから。
美桜
結婚…?
成
男の約束やから聞かんくていい。
前川
成さんかっこいい…
脩也
ていうか井上さんのショック大丈夫なん?
美桜
うん。
脩也
父さんにも言っとく。
成
今度お家伺うって言っといて。
脩也
わかりました。
前川
修也大人やなぁ…
脩也
まだ子供っすよ
中川
よし、右京の奢りでご飯いこっか。
脩也
右京さんありがとうございます
前川
おいwちょっと待て奢るって一言も言うてないってw
脩也
成さん美桜の送りお願いします
成
うん
美桜
身体に気をつけてね。
脩也
うん。そっちもね。
3人はご飯に向けて 去っていった。 私は成くんに助手席に押し込まれ 家まで送ってもらった。 ほんとにありがたい。