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※オリジナル入ってきます※
恐る恐る、目を開くと……
お酒臭い手は、いつの間にか 酔っぱらいの背後に立っていた 男性が、力強く掴んでいた
???
???
ルナ
私たちも、野次馬も、彼の持つ独特な雰囲気に呑まれ、喧騒が嘘のように 静まりに返る
ルナ
ルナ
例えるなら、百獣の王が檻を 抜け出し、突然街に現れたような……
そんな緊張感が、彼にはあった
きっと誰もが、喧嘩を売っては いけない人だとわかるはずなのに…
???
酔っぱらい
ブンッ
男性が不敵に笑った途端、酔っ払いは 舌打ちとともに手を振り払う
酔っぱらい
???
ルナ
ルナ
酔っぱらい
ドンッ
ルナ
地面に散らばっていた本を、 酔っぱらいが派手に蹴飛ばす
放物線を描いた本は、 そのまま道の真ん中に着地して……
ちょうど、歩いてきた 白馬の行く先を塞いだ
???
白馬に乗っていた男性が、 本を見下ろし……
そして、酔っぱらいに眼光を飛ばす
ルナ
???
鋭く、凍てついた眼差しは、
獲物を前にした虎のように、
残酷な光を灯している
少しでも何かを違えれば、その瞬間 命が儚く散るような……
そんな緊張感に、喉がひりついた
ルナ
ルナ
ルナ
酔っぱらい
酔っぱらい
ドンッ
酔っぱらいが威嚇するように 本を踏みつけると、
王家の男性は一層目つきを鋭くする
???
???
ルナ
スッ
王家の男性が、腰に下げていた 剣から刃を抜き……
ルナ
思わず、体が動いた
ルナ
パチンッ!
酔っぱらい
剣身のすべてが見える前に、
酔っぱらいの頬を 思いっきり平手で叩く
???
???
酔っぱらい
ルナ
ルナ
酔っぱらい
馬の鞍についた王家の紋章を 無言で示すと、
真っ赤だった顔が真っ青になっていく
酔っぱらい
その様子に息をつき、意を決して 馬上の男性と向き合った
ルナ
ルナ
???
???
命がけの緊張を打ち破ったのは、 爽快な笑い声だった
???
???
ルナ
???
???
白馬の隣に栗毛の馬に 乗った男性が並び、
わざとらしく肩をすくめる
シュヴァリエ
シュヴァリエ
ルナ
ほっと力を抜いた瞬間、虎のように 鋭い眼光が、地面に散らばった 本に投げられる
シュヴァリエ
ルナ
シュヴァリエ
ルナ
ルナ
シュヴァリエと呼ばれた男性が 本から私に視線を移すと、
隣にいた男性も愉快そうに口を開いた
???
シュヴァリエ
ルナ
シュッ
流れるような動きで剣身がさらされ、 その切っ先が喉元に突きつけられる
ルナ
グイ
突然のことに息を呑むと、 剣の腹で顎を掬われた
シュヴァリエ
シュヴァリエ
シュヴァリエ
ルナ
そう思った瞬間、 ある記憶が脳裏を掠める
???
???
必死に声をあげる少女の喉元には、 剣の切っ先が向けられている
ザッザッ
???
???
???
???
???
???
少女が後ずさった瞬間、 /#*※@が剣を振り上げた
ブンッ
???
???
???
???
???
ただ冷たく「僕」を見下ろす
その瞳が、"貴方"が
怖くて、嫌いで
それでいて
「大好き」だった。