君は友達_.
黄
青ちゃん、! これ欲しい
彼の手には黄色いハムスターのキーホルダー。他の動物の種類も沢山ある中彼はそれを手にしていた。
黄
お揃いにしましょ、!
彼に渡されたのは青色のヤギのキーホルダー。上目遣い気味に聞いてくるので溜息をつきながらもいいよと言った。
青
ほら、貸して
黄
え、?
青
僕喉乾いたからさ、ラムネも買いたいからついでに買ってくるよ
黄
いいん、ですか、?
青
今回だけだからな、?
小さな駄菓子屋から出ると彼にキーホルダーの入った袋を渡す。僕はカチッと音を鳴らしながらビー玉を落とす。瓶を傾けると口の中いっぱいにしゅわしゅわとした甘さが広がり、飲み込むと口内がベタついた。
黄
一口ください
青
ん、
甘いと口に出しながらラムネを飲む彼を眺めているともういいですと瓶を返される。残っていたラムネを飲み干して瓶を捨てベンチから立ち上がる。蝉の鳴く太陽の下を2人で歩いた。
学校に行けば彼は別人。仮面を被りながらも生徒会長と言う仕事をこなす。彼を見守るために入った生徒会も今ではただの足でまといだ。
黄
青、今日も一緒にお弁当食べないか、?
青
いーですよ
屋上のドアを開けるといつも通り誰もいない。それと彼が足を踏み入れると同時に仮面は外れる。
黄
青ちゃん、生徒会つかれたよぉ、
青
んふ、お疲れ様
青
今日もお泊まりしてきますか、?
黄
んー、してく、
黄
本当に、青ちゃんが友達で良かったです、..
そう、所詮僕はただの友達。それ以上でもそれ以下でも無い。彼の特別にはなれないんだ。僕だけを見ててよ。そんな願いは叶わない事を知って彼の傍に居た。
隣には無防備に寝ている彼。僕が襲わないなんて根拠、どこにも無いのに。彼の白い肌を眺めながら前髪をそっと撫でる。
青
好きだよ、黄くん
夢に溺れている彼の手にキスを落とす。寝息の聞こえる彼の隣で僕もゆっくりと夢の中へ入った。