桃赤
酔いに任せて
愛しのすいちゃんへ🧸💌
赤
夜の居酒屋
お酒のグラスが勢い余って
ゴトリとカウンターに置かれる
ちらりと横を見ると
何食わぬ顔でおつまみを頬張る彼が
赤
桃
赤
桃
赤
呆れたように肩をすくめる彼に
俺はちびちびと
グラスに口をつけながら愚痴を零した
赤
赤
赤
''好きな人がいるからごめんなさい''
大学で言い寄られる男達に
告白される度にそう返しても
''俺がそいつの事忘れさせてあげるよ''
なんてクサイセリフを言われ付き合うも
いつも1週間も経たずに振られる
赤
桃
桃
赤
お酒で火照った頬を冷やすように
冷たいテーブルに突っ伏す
すると桃ちゃんが
頬ずえをつきながらこちらを
少し目を細めて見てくる
....そんな姿も相変わらず絵になって
かっこいいなぁ....//じゃなくて
赤
桃
これだから俺の初恋が
いつまで経っても枯れてくれず
長続きしないんだろうなぁと
他人事のようにぼんやり思った
桃
赤
赤
桃
桃ちゃんは不服そうな顔した
確かに好きな人はいるとは言ったが....
その好きな人本人が目の前に
いると言うのに言えるはずがない
ため息をつき
またメニューに手を伸ばそうとすると
やめとけ、と真面目な顔で止められた
赤
桃
赤
桃
桃
赤
俺がグビっと最後の一口を
勢いよく飲み干すと彼は苦笑した
俺と桃ちゃんは
中学の時演劇部が一緒で
そこからよくつるむようになった
一言で言えば
気心知れた仲である
だからこそ言えないのだ
中学の時から好きでした、
なんて言ったらきっと彼は笑うだろう
引かないではいてくれる....と思う、が、
離れては行くかもしれない
親友としては居心地が
良すぎるくらいの距離
リスクを犯して気持ちを
伝えてしまうには惜しい距離
桃ちゃんには
親友として誰よりも1番に
大事にしてもらっている自覚があるし
俺も無理にこの関係を壊す勇気もない
彼に会計を任せている間に
店外に出ておぼつかない足で
夜風に吹かれていると
桃ちゃんが慌てたように
店内から出て支えるように歩いてくれる
桃
桃
赤
赤
不貞腐れて彼の服の裾を引っ張ると
彼は観念したように白旗を上げた
桃
桃
赤
桃
赤
桃
赤
俺は彼女では無いけれど
彼氏のように俺のワガママを
聞いてくれる優しい彼が好きだ
お酒を飲んでいるせいで
気が多くなっている俺は
嬉しくてついつい
支えるように歩いてくれる
彼の大きな胸元に
頬をすりすりした
いつもの彼の匂いがして
思わずんふふ、と笑みがこぼれる
モテモテな桃ちゃんに彼女がいるとは
聞いたことは無いが
この瞬間だけは
俺が彼を独り占めできるのだ
桃
赤
桃
半目で呟くと
彼は飄々とカゴに
酒やデザートを入れていく
眠い、ものすごく眠い....が
ここで弱音を吐いたら
彼にきっと帰らされてしまう
それは嫌だった
桃ちゃんとまだ一緒にいたかった
俺はこんなに長年恋心を
我慢しているのだから
今夜くらい付き合ってもらっても
大丈夫だろう、なんて
根拠の無い考えを巡らせて
桃
彼の家について
部屋に入り辺りを見回すと
大きなベッドが目に入って
なんだか慌てて目をそらす
朝起きた彼の形跡が
なんとも生々しく
片思いの俺としては目に毒だった
そう感じるくらい
彼の家に来たのは久しぶりだ
そんな俺なんか気にしない様子で
桃くんは色とりどりの
沢山のお酒をテーブルに並べている
どれも俺が好きなものばかりで
どこまでも優しい彼に
また胸がきゅぅっと切なく鳴いた
それぞれ好きな缶の酒を選び
プルタブを開け
俺は白桃のカクテル
桃ちゃんは巨峰のカクテルを
それぞれ口につける
俺はぼうっとした目で
彼の男らしい喉仏が
上下に動くのを見ていた
桃
赤
ふにゃふにゃと笑いながらフォークで
ティラミスを口に運ぶと
桃ちゃんが苦笑した
桃
赤
桃
そう言った瞬間
桃くんの細くて長い指が
俺の短パンの太ももをなぞった
赤
思わず変な声が出てしまい
固まるが彼はそのまま
すくったクリームを口に入れた
桃
その仕草に酷く動揺してしまい
慌てて口をパクパクさせる
だってそんな
普通、人の太腿についた
クリームを舐める、だろうか
赤
火照った顔をごまかすように
慌てて口を開く
急に短パンを履いてきた自分を
殴りたくなり身をよじって彼と
1人分距離を遠ざけた
桃
体制を変えながら
俺が空けた距離をじりじりと
縮めてくる彼
少しの沈黙に
また彼が口を開く
桃
赤
渡そうとテーブルの上の缶に
手を伸ばそうと顔を上げると
彼の綺麗な顔が目の前にあった
赤
声を上げるまもなく
ふわりと俺と彼の唇が重なる
微かに巨峰の匂いがした
桃
赤
また彼の唇が降る
今度はさっきよりも強く
ちゅぅっと口付けされた
脳がぐわんと揺れた気がした
頭が真っ白になった
桃ちゃんとキス、している
夢なのだろうかこれは
いつの間にか腰に手を回されていて
後頭部も固定されて動けない
赤
桃
キスがどんどん激しくなって
いくと同時に
桃くんの大きな手が
短パンの裾から入り込んできた
それからどれくらいたっただろうか
はふはふと荒い息を繰り返し
顔を真っ赤にする俺に
桃くんは舐めるように
下から上に視線を流し
愛おしいものを見つめるかのような
瞳で俺の頬を撫でた
赤
桃
赤
桃
赤
確かに沢山の人と付き合ってきたけれど
そういう雰囲気にはならなかったし
満足気に笑う彼に見惚れていると
いつの間にか押し倒されていて
内股に彼の長い膝が
入り込んでくる
桃
桃
桃
ふくらはぎから太腿に
いやらしい手つきで
桃くんの手が滑る
赤
慌てて口を両手で抑えるが
もう既に遅い
桃
興奮したように少し息を荒くする彼に
口を塞いでいる俺の手の甲に
やんわりまたキスされ
両手首を拘束された
桃
桃
笑みを浮かべた薄い唇が微かに動く
''赤のこと、もう食べてもいいよね?''
乱暴に脱ぎ捨てられ
カーペットに落ちている衣服
あどけない顔で
俺の隣に眠る彼を
じっと見つめながら
昨日は生理的な涙が沢山流れてしまって
腫れぼったい涙袋を親指でそっと撫でる
赤
彼は知らない
俺が赤の周りに群がる男達を
裏で排除してきたことも
彼が俺を恋愛的に
好いてくれていたことを
知っていたことも
それはそれで好都合だし
まだ知らなくていいことだ
赤は自己肯定感が低いから
告白はしてこないだろうなとは
何となく理解していた
だからといって
俺を諦めて別の男の所へ行くなんて
許すわけがなかった
早く俺のものにすれば良かったのだが
赤の方から堕ちてきて欲しかった
あの可愛い顔で
顔を赤くして涙目で
震えるピンク色の小さな唇で
俺に好きだと言って欲しかった
でももう我慢しない
性格が悪いと言われても構わない
桃
起きたら君に伝えよう
ずっと前から好きでした、と。
end
今日は私の大好きな!! 嫁の誕生日なので!! ささやかな桃赤の プレゼントです✨️ リク要素あんま入ってなくてごめん! そしてお誕生日おめでとう!! 通話越しに聞く鼻歌とか! 楽しそうにあったことを 話してくれるすいちゃんが もう、大好きです全力らぶです🫶 素敵な一年になりますように!
コメント
28件
ぶくしつです!!😭😭😭
フォロー失礼します
フォローとブクマ失礼します!