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羽島 万里

おー金閣寺だぁ〜

天城 真紘

俺初めて見た!!

美園 誉

俺もだわ

朽葉 慎之介

俺は小学生の修学旅行で行ったなー

天城 真紘

ほんっとにすごいね!

朽葉 慎之介

ああ。金閣寺の正式名称を鹿苑寺といってな、臨済宗相国寺派の塔頭寺院のひとつで、創設者である足利義満の法号の鹿苑院殿から名付けられたんだ

天城 真紘

ごめん何言ってるかわかんない

朽葉 慎之介

金閣寺の魅力を語ってるサイト、全部丸暗記した

朽葉 慎之介

一夜漬けだ

美園 誉

きも

朽葉 慎之介

金閣寺のことならなんでも知ってるぞ!例えば…

朽葉 慎之介

金閣寺は3層構造で、それぞれの階の様式が異なっている特徴があって…

朽葉 慎之介

1層は__

羽島 万里

そろそろ時間だからいこー

美園 誉

行くか

天城 真紘

はーい

朽葉 慎之介

……

4人は歩き始めた。

天城 真紘

(つか、人多すぎ…ッ!)

人混みで前を歩く3人の背中が隠れていく。

天城 真紘

(うそ!早く追いつかないと…!)

急げば急ぐほど、たくさんの人とぶつかって、3人と距離が離れてしまう。

天城 真紘

ちょっ、待って…!

天城 真紘

(絶対聞こえてないし……)

3人の姿は完全に見えなくなってしまった。

天城 真紘

(高校生にもなって迷子はキツい…)

天城 真紘

(誉に笑われてバカにされる…)

天城 真紘

(今はとりあえず連絡…。スマホスマホ__)

リュックの中を見たり、ポケットに手を突っ込んだりしてみたが、

真紘はハッと気がついた。

天城 真紘

(バスの中だ…!!!)

天城 真紘

(最悪だぁ…)

天城 真紘

(バスにはもう一度戻るから無くしたわけじゃないけど、今この場にスマホなかったら連絡取れないじゃん…!)

サッと血の気が引いていく。

天城 真紘

(いや、慌てるな…)

天城 真紘

(きっと誰かが探しに来てくれる。下手に動くのはやめて、とりあえず人が少ないところに……)

そのとき、誰かと肩が当たって衝撃でメガネが耳から離れた。

天城 真紘

(…っ!やば!!)

真紘はメガネに手を伸ばすが、それは届くことはなく、地面に落ちてしまった。

天城 真紘

…!

拾おうと屈んだ時、それは誰かに踏みつけられてしまった。

天城 真紘

あっ!!!!

ガシャリを音を立ててメガネは粉々に割れてしまう。

真紘は上を向いた。

天城 真紘

……

美園 誉

やべ

天城 真紘

………

天城 真紘

(やばい。目が見えない…)

天城 真紘

あの…

美園 誉

……

美園 誉

目見えてねーのか…

天城 真紘

その声…!

美園 誉

誉です

天城 真紘

ちょっ!!

天城 真紘

メガネ壊れちゃったんだけど!どうしてくれんの!!!

美園 誉

それはまた謝る!とにかく今は人気の少ないところ行くぞ

真紘は壊れたメガネを持って誉に手を引かれながら進んで行った。

羽島 万里

お、誉たち来たー…って!

羽島 万里

メガネは!?

天城 真紘

(その声は…)

天城 真紘

羽島…

朽葉 慎之介

真紘…!手に持ってるそれって…

天城 真紘

(こいつは慎之介か…)

天城 真紘

うん。メガネ壊れちゃった

美園 誉

マジで

美園 誉

悪いと思ってる

天城 真紘

はぁ、もういいよ

天城 真紘

誉の顔ぼやけてよく見えないし…つか見たくもないから逆にいい的な

羽島 万里

めっちゃ怒ってんじゃん

朽葉 慎之介

真紘、前見えんの?

天城 真紘

近くのものは見えるけど、ちょっと離れるだけでぼやけて見えない

天城 真紘

羽島と慎之介と誉の顔が同じに見える

天城 真紘

まじ最悪…

羽島 万里

でもそんな誉のこと怒らないであげてよ

羽島 万里

真紘がいない!ってなって、誉が探しに行ってあげてたんだから

天城 真紘

それは…確かに………

美園 誉

俺、真紘を探すのに夢中で地面に落ちてあるメガネに気づかなかったし

美園 誉

ごめん

天城 真紘

……

天城 真紘

誉の顔、今見えないけど

天城 真紘

多分凹んでるよね…?

朽葉 慎之介

そうだな

天城 真紘

なんか

天城 真紘

そういう顔しないでよ

天城 真紘

俺だって悪かったし、てか探しに来てくれてありがと

天城 真紘

誉らしくもない

羽島 万里

いつもだったら謝罪のひとつもせず、爆笑するだけだもんね

朽葉 慎之介

そーだな…最近、誉変わった?

美園 誉

かわっ…!?

美園 誉

ってねーよ!!

美園 誉

じゃあ笑えばいいのか!?真紘のメガネ壊れておめでとうを言えばいいのか!?!?

天城 真紘

なんで俺キレられてんの

天城 真紘

キャリーバッグに予備のメガネあるし

天城 真紘

もういいよ

美園 誉

はぁ?あんのかよ

朽葉 慎之介

にしても、今日は観光無理そうだな

羽島 万里

キャリーバッグは前の日に送ってもらったからホテルにあるよね

美園 誉

じゃ、ホテル行くか?

天城 真紘

先に行っていいの?

羽島 万里

俺、先生に電話かけてみる

羽島 万里

…はい、ありがとうございます

 万里は携帯をしまって、真紘たちの方を振り返った。

羽島 万里

いいってー

天城 真紘

ありがと、羽島

羽島 万里

朽葉 慎之介

じゃ行くか

天城 真紘

だね

天城 真紘

(…うわ、この状態で歩けるかな)

その時、誉が真紘を支えるよう、腰に手を置いた。

天城 真紘

えっ!?

羽島 万里

ヒュ〜

美園 誉

万里。その口笛やめないと殺すぞ

天城 真紘

ちょっ、急になに…?

美園 誉

なにって、お前前見えねーんだろ

美園 誉

それは俺のせいだし、…体支える

美園 誉

おんぶでも可

天城 真紘

なにが可だ

天城 真紘

じゃあ、甘えさせて貰いますね…

真紘は誉の肩に手を回した。

朽葉 慎之介

怪我人みたいだな

天城 真紘

うぅ…これしながら行くって恥ずい

美園 誉

我慢だ我慢

美園 誉

離れんなよ?

天城 真紘

…うん

美園 誉

そこ、段差あるぞ

天城 真紘

うん…

美園 誉

それはソファな

美園 誉

座っとけ

天城 真紘

はい…

天城 真紘

(教えてくれるのはありがたいけど、なんか全て命令されてるみたいでムカつくな)

その時、ガチャリと部屋のドアが開いて慎之介と万里が入ってきた。

朽葉 慎之介

おーい。キャリーバッグ貰ってきたぞ

美園 誉

パシリと化したな

朽葉 慎之介

は?

羽島 万里

天城〜、目の前にキャリーバッグ置くね

天城 真紘

ありがとう

真紘はキャリーバッグを開けて予備のメガネを取りだした。

それをつけた。

美園 誉

お、いつもの真紘だ

天城 真紘

世界が鮮やか…!

羽島 万里

ぶはは!!なにそれ!

朽葉 慎之介

俺はメガネなしの方がよかったわ

天城 真紘

え?なんで?

羽島 万里

天城、モテたいならコンタクト一択

天城 真紘

え?まじで?

真紘は顔を輝かせた。

美園 誉

バカかよ

美園 誉

真紘の顔面でモテたら俺は神か何かか?

天城 真紘

(マジムカつく…でも否定できないのはコイツがイケメンすぎるからだろうな)

羽島 万里

可愛いって思ってるくせに

美園 誉

まあ、俺のペットだし

美園 誉

そりゃペットにも愛情は湧くさ

天城 真紘

(またペット…)

羽島 万里

…じゃ、俺らも自分らの部屋行ってきていい?

朽葉 慎之介

そーだな、荷物置いてくる

天城 真紘

了解

美園 誉

へーい

2人は部屋からでていった。

天城 真紘

そうだ思い出した

天城 真紘

俺と誉、一緒の部屋だったんだ…

天城 真紘

しかも余って2人部屋だし…

美園 誉

そうだなー

美園 誉

つか、お前が悪いだろーが

美園 誉

誉と部屋一緒は嫌だー!って駄々こねたんだろ

美園 誉

だから担任が怒って俺らのクラスの男だけくじ引きになったんだ

天城 真紘

だって…虐めてくるじゃん、誉

美園 誉

あ?いじめ?

天城 真紘

さっきも…俺のことペットって言ってた

天城 真紘

前も言ったけど、俺は誉のペットじゃない

天城 真紘

壊しがいのある玩具でもないよ

美園 誉

……

美園 誉

俺、最近…お前のことそういう目で見てねーよ

天城 真紘

…え?

美園 誉

俺も!よく、…わかんねーけど

美園 誉

お前には……その…

天城 真紘

…?

美園 誉

……わっ、…

天城 真紘

わ?

美園 誉

…わ…

美園 誉

……ッテテホシイ…ってこと!

天城 真紘

ボソボソしてて聞こえない

美園 誉

だぁ!うるせーな!

すると、誉は両手を真紘の方に伸ばした。

天城 真紘

な…なにな…ぃ…!

誉は両手で真紘の口角をグインッとあげた。

美園 誉

こーいうこと!!

天城 真紘

は、はひぃ…?へんへんわはんはい!

美園 誉

そんじゃ!

誉はバッと真紘から離れて部屋を出ていった。

天城 真紘

ちょっ…どこ行くの!!

天城 真紘

…って、行っちゃった…

強く口角をあげられたため、頬あたりがズキズキと痛む。

天城 真紘

手加減ってモノ知らないのかな…あの人

天城 真紘

……ていうか、いつの間にか俺__

天城 真紘

毎日、誉が死ぬことを願わなくなってる……

天城 真紘

たまに死ねコイツとは思うけど、昔ほどじゃない…

天城 真紘

なんで俺……いや、変わったのは誉だ

天城 真紘

色々最近は助けてもらったりしてるし__

天城 真紘

誉に何があったんだろ

天城 真紘

(ま、あいつの事なんかどうでもいいし)

天城 真紘

(嫌いなのは変わらないけど)

天城 真紘

(でも……)

天城 真紘

(これからは誉と少しでも、小さい頃の関係に戻れることを願ってみようかな)
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