テラーノベルの小説コンテスト第4回テノコン 2025年1月10日〜3月31日まで

一覧ページ

アース・ソフィア

第1話 - ノエル

2022年06月06日

#転生

#異世界

#異世界転移

#転移

のえＰ

アギレアス

なるほど……

アギレアス

タレント・猫族の言葉で、
『月』と言う意味か？

グレイシス

『満月』……とも言うわ

グレイシス

あの満月の様に黄色くて、
まんまるで優しい性格に育って欲しいから。

アギレアス

そうだな。

アギレアス

『ノエル』……良い名前だ

アギレアス

の、ノエル！！

アギレアス

大丈夫か！？　お腹でも痛いか！？！？

アギレアス

グレイシス、どうすれば良い！？

グレイシス

（じ〜）

アギレアス

ど、どうした？？

グレイシス

フフフッ

グレイシス

かつては『冷酷な死神』と言われた
あなたが、そんな表情を見せるなんて。

アギレアス

あ、……ああ。

アギレアス

俺はもう、国の親衛隊ではない。

アギレアス

これからは、
なりたい自分で生きるんだ。

グレイシス

あら？

グレイシス

でも、昔のあなたも
かっこよくて素敵だったわよ。

数年前……

アギレアス

そ、そうか……

グレイシス

あの頃のあなたは

グレイシス

一体どこに行ってしまったのかしら？

アギレアス

あ、あの時は、
君を助けるのに必死だったから！！

グレイシス

ふ〜ん

グレイシス

その割には、あの後名も告げずに
何処かに行ってしまったけどね……

アギレアス

……

グレイシス

あれから、私はあなたにあいたくて

グレイシス

何度もあの危険な森に足を運んだわ……

グレイシス

でも、結局あなたは、
一度も私の前には現れなかった。

アギレアス

……でも、結婚式場で君をさらったろ？

グレイシス

フフフ

グレイシス

遅すぎよ

グレイシス

私はね、もっと早く
あなたに会いたかったの

アギレアス

もっと、早く……か

グレイシス

あなたが、あの時、
あの場所に現れなければ

グレイシス

私は今頃、この世に居なかったかもしれない

グレイシス

ノエルにも、会うことができなかったわ。

グレイシス

それは感謝してる……

アギレアス

グレイシス……

グレイシス

でも、いいの

グレイシス

今、こうしてあなたは私の目の前にいる。

グレイシス

ありがとう

アギレアス

……ああ

グレイシス

でも、分からないことがあるの

アギレアス

分からないこと？

グレイシス

あなたに救われた人は沢山いるはず。

グレイシス

それなのに、あなたは私を選んでくれた。

アギレアス

……

グレイシス

それはなぜ？

グレイシス

私のことが、
ただ好きだと言う理由じゃないのよね？

アギレアス

……すぅー

アギレアス

はぁー……

アギレアス

俺は

アギレアス

俺は、今の国のやり方が大っ嫌いだったんだ。

グレイシス

国のやり方？

アギレアス

君が、タレント・猫族の中で、
珍しい毛並みだからって王族に捕まり

アギレアス

言いなりになって、
無理矢理、結婚させられそうになった。

アギレアス

そんなの……

アギレアス

王族に無理矢理、田舎町から連れて来られた君の姿を見て俺は思ったんだ。

アギレアス

物心つく前、ウールと言う魔物と戦わせるため、王族に連れて来られた俺と『どこか』似てるって。

グレイシス

……

グレイシス

そうだったのね……

グレイシス

辛いことを聞いてごめんね……

アギレアス

いや、いいんだ

アギレアス

グレイシスには知っておいて欲しい

グレイシス

何を？

アギレアス

国は今

アギレアス

国は今、ウールとの戦いよりも
他国と戦争を起こそうとしているんだ

グレイシス

……そんな

グレイシス

まさか……国は、魔物から人々を守るために、特殊な力を持つタレント・猫族を集めてるって言ってた。

アギレアス

君には、何一つ知らされて無かったろ？

グレイシス

ええ……

アギレアス

よく考えて見てくれ

アギレアス

わざわざ、危険な思いをして魔物を倒すよりも
戦争を起こして、他国の植民地から限りある資源を奪うことが国は簡単なことに気がついてしまった……

アギレアス

今頃、国は、躍起になって逃げ出した俺たちを探し回って居るだろうな……

アギレアス

それは今、世界で俺とグレイシスだけが持っている。

アギレアス

だからこそ

アギレアス

今のふざけた戦いに加わってはいけない。

グレイシス

アギレアス……

アギレアス

だから、君をあの場から救い出したのも

アギレアス

ただ、君のことが
『好き』だからと言う理由だけじゃない

アギレアス

君の命を、君の名誉を、君の存在全てを……

アギレアス

守るためだったんだ

グレイシス

アギレアス……！！

グレイシス

あの場から、救い出してくれて、
本当にありがとう！

アギレアス

ああ

アギレアス

だから俺は
国の言いなりになるのはもう辞めて

アギレアス

これからはグレイシスと

アギレアス

ノエルと一緒に暮らそうと決意したんだ。

グレイシス

うん……！

アギレアス

この戦争が終わったら、ノエルと三人で世界を見て周ろう。

グレイシス

……そうね

アギレアス

夜も明けて来たし、そろそろ家に帰ろうか？

グレイシス

そうね！

グレイシス

ノエル〜家に帰りましょうね〜

アギレアス

明日は、また山菜を採りに山に行ってくる。

グレイシス

それじゃあ、山菜の揚げ物でも作りましょうか？

アギレアス

グレイシスの作る
『ひつめ草』の天ぷら美味いからな！

グレイシス

下手に味付けするより
純粋に揚げたものが美味しいのよね！

アギレアス

いいや

アギレアス

グレイシスが作るから美味いんだよ！

グレイシス

……

グレイシス

まったく……もう。

それから、３００年後の未来……

サーリ・ウラノス・メアリ

レイヴァル様、コーヒーをどうぞ！

アルファイン・ウラノス・レイヴァル

すまんな、メアリ……

サーリ・ウラノス・メアリ

最近、徹夜で毎晩悩んで大丈夫でしょうか？

アルファイン・ウラノス・レイヴァル

どうしても、代わりのタレント・猫族の人材が見つからないんだ。

サーリ・ウラノス・メアリ

はぁ

アルファイン・ウラノス・レイヴァル

ウラノス王国の未来が、私の手に委ねられている……

アルファイン・ウラノス・レイヴァル

もし、このまま珍しい毛並みを持つ
『タレント・猫族』が見つからなければ……

サーリ・ウラノス・メアリ

はぁ……レイヴァル様

サーリ・ウラノス・メアリ

戦争があったのは、今から３００年も前のお話しですよね？

アルファイン・ウラノス・レイヴァル

うむ……

サーリ・ウラノス・メアリ

私が、生まれる
ずっと前から国同士の休戦は続いてます！

サーリ・ウラノス・メアリ

昔の様に、他人の植民地を奪い合う
戦争時代は終わったんです！

アルファイン・ウラノス・レイヴァル

……ほう。

アルファイン・ウラノス・レイヴァル

では、メアリ

アルファイン・ウラノス・レイヴァル

なぜ、休戦が続いているのか説明出来るか？

サーリ・ウラノス・メアリ

もちろんです、レイヴァル様！

メアリは、異世界収納ボックスからアイテムを取り出した。

サーリ・ウラノス・メアリ

『魔法』がまだ存在しない、昔々のお話し……

サーリ・ウラノス・メアリ

今より、沢山の人々が、
ウールによって命を落としていました！

サーリ・ウラノス・メアリ

そんな中

サーリ・ウラノス・メアリ

一部の勇敢な者たちによって
『魔法評議会』と呼ばれるものが設立されました！！

サーリ・ウラノス・メアリ

その魔法評議会とは、
かつてのウール達が使っていた『魔法』と呼ばれる不思議な力を、人々も使える研究をする組織のことです！！

サーリ・ウラノス・メアリ

それのおかげで……

サーリ・ウラノス・メアリ

ようやく人類は、ウールと対等に戦うことができるようになりました！！！

アルファイン・ウラノス・レイヴァル

ブッ！！

シャール・ウラノス・エルネシス

なんか、連れて来られた

ノーラ・ウラノス・イーヴァ

俺……も

アルファイン・ウラノス・レイヴァル

（どれ、私も参加してみよう）

アルファイン・ウラノス・レイヴァル

……。

アルファイン・ウラノス・レイヴァル

メアリ、続きを話しなさい

サーリ・ウラノス・メアリ

あ、はいレイヴァル様！

サーリ・ウラノス・メアリ

少々お待ちくださいね！

ノーラ・ウラノス・イーヴァ

な、なんで！？

シャール・ウラノス・エルネシス

私たちのせいじゃないのに！！

サーリ・ウラノス・メアリ

あなた達……私の大切な、アイテムを壊しましたね……？

サーリ・ウラノス・メアリ

代表者が決まり、平和条約が設立されてーー

アルファイン・ウラノス・レイヴァル

((((；ﾟДﾟ)))))))

サーリ・ウラノス・メアリ

限りある資源を奪い合う時代ではなく、
限りある資源を増やす取り組みが、
各国で行われることになりました〜！

サーリ・ウラノス・メアリ

それが、今まで戦争のない理由です！

サーリ・ウラノス・メアリ

……って

アルファイン・ウラノス・レイヴァル

いや、ただの、ストレッチだ！！！！！

アルファイン・ウラノス・レイヴァル

それよりも、あれは……？

ノーラ・ウラノス・イーヴァ

……。

シャール・ウラノス・エルネシス

……。

サーリ・ウラノス・メアリ

あー、あれですか……

アルファイン・ウラノス・レイヴァル

君も、年相応に成長するとは思うが……
少し、感情的になりやすい部分がある。

アルファイン・ウラノス・レイヴァル

私の、専属使用人として、ある程度の知識も必要だ！　だが、しかし！！

アルファイン・ウラノス・レイヴァル

サーリ・ウラノス・メアリ

レイヴァル様ぁ……私が、間違ってました。

アルファイン・ウラノス・レイヴァル

う、うう、うむ！！

アルファイン・ウラノス・レイヴァル

だ、だが、素直に悪いことは認める前向きな姿勢は素晴らしい。

アルファイン・ウラノス・レイヴァル

そう言った、前向きで、努力家なところが君の良いところだ。

アルファイン・ウラノス・レイヴァル

君なら、もっとその先にいける

サーリ・ウラノス・メアリ

レイヴァル様ぁ、
ありがとうございます！！

アルファイン・ウラノス・レイヴァル

うむ……じゃあ、早速だが

サーリ・ウラノス・メアリ

はい？

アルファイン・ウラノス・レイヴァル

訓練をしてみようじゃないか

サーリ・ウラノス・メアリ

訓練……ですか？？

アルファイン・ウラノス・レイヴァル

うむ！

ルフィル・キャピィ

るんるんる〜ん♪

ルフィル・キャピィ

お手紙ですよ〜！

フロノン・ウラノス・ハスロート

あ、ルフィル！

フロノン・ウラノス・ハスロート

ありがとーう！！

ルフィル・キャピィ

ぐはっ！！！！！！！

ルフィル・キャピィ

フロノン・ウラノス・ハスロート

アルファイン・ウラノス・レイヴァル

ぐへぇっ

フロノン・ウラノス・ハスロート

れ、レイヴァル様！！

フロノン・ウラノス・ハスロート

なんてことしてくれてんですか！！
私の車の上に落ちて来るなんて！！

アルファイン・ウラノス・レイヴァル

黙れ！！

アルファイン・ウラノス・レイヴァル

は、早く、車を出せ！！！！！！！

フロノン・ウラノス・ハスロート

はぃ！？　し、しかし、ルフィルが……

アルファイン・ウラノス・レイヴァル

ルフィルはもう助からん！！
これ以上の犠牲が出る前に、早く！！

宮廷の扉が吹っ飛び、二人の背後ギリギリを掠れる。

サーリ・ウラノス・メアリ

レイヴァル様〜！！！！！！！

アルファイン・ウラノス・レイヴァル

ひぃ！！

フロノン・ウラノス・ハスロート

め、メアリ様！？

アルファイン・ウラノス・レイヴァル

は、早く、車を出すんだ！！！！！

サーリ・ウラノス・メアリ

待ちなさーい！！！！！！！

ルフィル・キャピィ

いたたた……何が起きたの？

ルフィル・キャピィ

ん？　この棒の付いたアイテムはなんですか？　もぐ……ぺっぺっ！！　食べ物じゃないですね！

サーリ・ウラノス・メアリ

………

アルファイン・ウラノス・レイヴァル

フロノン、今のうちだ！！！！！！！

フロノン・ウラノス・ハスロート

は、はい！！！（ごめんね、ルフィル）

アルファイン・ウラノス・レイヴァル

はぁ……なんとか、逃げ切れたな

フロノン・ウラノス・ハスロート

一体、何があったんですか……

アルファイン・ウラノス・レイヴァル

メアリが、アイテムを壊されて怒ったのだ。

フロノン・ウラノス・ハスロート

そりゃ起こりますよ〜、あの子、徹夜で作ってましたもん。「レイヴァル様にお見せするんだー」って

アルファイン・ウラノス・レイヴァル

むむむ……致し方ない。

アルファイン・ウラノス・レイヴァル

このまま、アギトのある場所へと向かってくれ。

アルファイン・ウラノス・レイヴァル

やつでも構って、気晴らしでもしよう。

フロノン・ウラノス・ハスロート

かしこまりました。

フロノン・ウラノス・ハスロート

お、そろそろ、『星数の浜辺』が見えて来ましたよ！

アルファイン・ウラノス・レイヴァル

色んなものが流れつく浜辺か……ん？

フロノン・ウラノス・ハスロート

去年は、壊れた古代兵器が流れ付いてたんですよね。流石に、何百年も経ったら、外装もボロボロになってましたし、原型もとどめてませんでしたよ。

フロノン・ウラノス・ハスロート

触った瞬間に、もう穴だらけ

アルファイン・ウラノス・レイヴァル

フロノン、車を止めてくれ

フロノン・ウラノス・ハスロート

え？　あ、はい

ブルルルルルル……ピタリ。

フロノン・ウラノス・ハスロート

どうかしたんですか？

アルファイン・ウラノス・レイヴァル

フロノン、今すぐ宮廷へ連絡し、温かいバケツとタオルを用意してくれ！！

フロノン・ウラノス・ハスロート

え！？　あ、はい！！

フロノン・ウラノス・ハスロート

しかし、メアリは！？

アルファイン・ウラノス・レイヴァル

そんなこと言ってられん！！
一刻を争う！！！！！！！！！

フロノン・ウラノス・ハスロート

わ、分かりました！！

アルファイン・ウラノス・レイヴァル

はぁ、はぁ、はぁ……ま、間違えない

アルファイン・ウラノス・レイヴァル

黄色い、タレント・猫族……？

アルファイン・ウラノス・レイヴァル

今までに見たことが無い毛並みを持つタレント・猫族だ。

アルファイン・ウラノス・レイヴァル

しかも、まだ幼い……３歳ほどか？

アルファイン・ウラノス・レイヴァル

首のところに、ネームがついている……一体、君は、どこから流れ着いたんだ？？

アルファイン・ウラノス・レイヴァル

……ノエル。

アース・ソフィア

作品ページ

次の話を読む

この作品はいかがでしたか？

0件

👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう！

のえＰ

プロフィール

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい！がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

アース・ソフィア

第1話 - ノエル

作者の他の作品すべて見る

#転生の新着小説
一覧

関連するタグ

アース・ソフィア

第1話 - ノエル

作者の他の作品すべて見る

#転生の新着小説一覧

関連するタグ

#転生の新着小説
一覧