テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
朝のホームルーム前。
教室の窓から差し込む光が、少し眩しい。
私はいつものように教室に入ると
いつものように早く席に着いているゆあんくんの前で足を止めた
et
ya
短く言葉を返すゆあんくん
(こっちは色々考えてんのに…ほんと、ずるい男)
et
昨日の「一緒に帰るか?」の言葉を思い出し、えとは自分の心がまだ落ち着いていないことを自覚する。
et
ya
et
ゆあんくんの淡白な反応に思わず声が上ずる。
彼は少しだけ驚いたように目を瞬かせてから、小さく笑った。
ya
et
et
ya
et
二人のやり取りを後ろから見ていたクラスメイトが、こっそりひそひそと話している。
クラスメイト
クラスメイト
クラスメイト
その声が耳に入り、私は一瞬、動きを止めた
et
ちらっと横を見ると、ゆあんくんは何も気にしていないようにノートに何かを書いていた。
(……本当に、何考えてるのかわかんない。)
et
et
なぜか、目が離せない。
放課後。
今日はそれぞれ部活や委員会で、帰りは別になった。
et
つい、ぽつりとこぼれた言葉。
自分で言っておきながら、顔が熱くなる。
et
その瞬間、背後から聞こえる聞き慣れた声。
ya
et
ya
et
ya
et
ya
et
ya
ゆあんくんは少し微笑んで、歩き出す。
ふたりの距離は、昨日より少し近い。
でも、まだ手はつながない。
それでもいい。
これはきっと、恋が始まる音。