世良雅志
俺…帰りません!
天城雪彦
(サッ…トコトコ)
天城の表情は少し和らぎ静かに世良から離れ、もとの位置に戻っていく
世良雅志
天城先生っ
待って…
世良は天城を追いかけ、そっと腕をつかみ、自分の方に抱き寄せた
天城雪彦
ん?
世良雅志
すみません…
さっきの(kiss)は答えてくださらなくてもいいので
しばらくこうしていていいですか…
(あれっ、俺は…天城先生を抱擁してる?勝手に手が抱き寄せた…)
世良雅志
(天城先生…すごくいい匂いがするな…)
天城は世良に抱擁されながら黙っていたが、静かに口を開いた
天城雪彦
ねェ
天城雪彦
ジュノ
天城雪彦
これからも素直な忠犬として僕に尽くしてくれるかい?
世良雅志
ちょっ(笑)
またそれですかっ…w
天城先生とは、上ぉ司と部下の関係ですよw
抱擁している中でも天城の発言に、世良は思わずハニカミながらも真剣な表情に変わった
世良雅志
って前に言いましたけど
でも…
そうじゃなくて、今は貴方の力になりたい
貴方が悲しい時や辛い時は…
どんな些細な事でも
貴方を支えたい…
天城雪彦
…
世良雅志
俺じゃだめでしょうか…
(本当は…天城先生とは上司と部下ではなく、それ以上の関係になりたい…)
天城雪彦
フウん。。。
天城雪彦
じゃあこうしよう
天城は世良からゆっくり離れていつもとは違ったゆっくりとした口調で続ける
天城雪彦
コインで決めようと思う
天城雪彦
僕は迷っている
だから
このコインを使って僕とジュノの運命を神に委ねよう
世良雅志
コイン…
ですか
世良雅志
…そうですか
(やっぱり俺は…一方的な片思い…天城先生は俺の事をどう思ってるんだろう)
天城雪彦
表がでればァ
ジュノの想いを受け入れる
世良雅志
でもそれって…
今回は手術を決めるのではありません
迷っているというのは
天城先生は俺の事をどう思ってるんですか!?
コイン…って、天城先生の気持ちはどうなんですか!?
世良雅志
さっきのキスは、普通しませんよね!
俺もそうです
だから貴方を抱きしめた
俺は貴方の事が好きなんです
天城雪彦
…
天城雪彦
わからない
天城雪彦
だけどジュノ
(全くゥ…真っ直ぐだなぁ)
僕も君の事
好きなんだと思う…
(征司郎もきっと…
彼の事そうなんだろうな…)
世良雅志
それは、どういう意味の好きでしょうか?
天城雪彦
(だァかァらァ…
僕も確かめたいんだ)
天城雪彦
それじゃァいくよ
天城はコインをいつものように投げ、コインは宙に浮いた
世良雅志
…
天城雪彦
それじゃァ
見てみよう
二人は天城の手の中のコインに視線を向け、今まさに開かれようとしていた…