なまいきざかり。

第一印象 ｢関わりたくないクソ生意気｣

ドシーン！ ！ ガッ！ （由希の胸に成瀬の手が当たる）

町田 由希 17歳 高2

半年も前の入学式のことを 二学期になって むし返して 騒いだり ましてや 思い出して 赤くなったりも 私はしない

ダンッ ダンッ ピーーッ ザン

たとえ れいの生意気1年生が 同じ部活内に いるとしても ーーーー

ダン ダンッ ーーー冬ーーー 全国選抜 優勝大会

1年生のどよめき どよ…っ

予選出場校の 不祥事によって 本来なら予選へ 進めなかった私たちへ その枠がくりあがって きてしまった

正直 数代前からそこそこ 強くなりだした うちが 易々突破できる 予選ではないけど

ドゥッ

…だって 3年生の先輩たちにとっては 次が最後の試合に なるかもしれないから…

グシャ グシャ （木戸先輩が由希の頭を撫でる）

ドキ ドキ ドキ ドキ

バカこら バカ 私 ドキドキするな 部活中にドキドキしてる私 処刑

バキュ （モップが折れる）

ああ 散った…

ズシッ

あれは 1年前の夏 私は

ガッ

木戸先輩を 好きになった

スットーン （おちた音）

そばに行きたいと思った 彼女なんかなれなくていい 先輩のそばで役に立って 先輩をずっと見ていたいって 思った ーーー

そんな不純な 動機でバスケ部 マネージャーに なったことへの ーーーーー これが報いね 神様…

まさか ここまでのダメージだなんて… パラ… だめだ 泣くな こんな事で

ヒョンッ （涙をひっこめる音） 成瀬…！！ バックン バックン バックン バックン

ビックゥ

…し しまった…！！

おも しろく ない！！

｢成瀬が言ってたんだけど マネージャーってキャプテン狙いで バスケ部きたんだって｣ ｢げーー ふしだら｣ ｢ちょー 不謹慎｣ ｢町田 お前…｣ ｢俺のこと そーゆう目で見てたんだな…｣ 違います いや 違くはないけど

とにかく… 私は試合のことを考えなきゃ ー今は あんな子供に振り回されてる 場合じゃない

バンッ バッ

キュッ

ダンッ

バサッ

木戸先輩たち 強い3年生と 成瀬がいれば もしかしたら予選 結構いけるんじゃ… チラ

周りの様子を見る限りじゃ まだあのコト ばらされて いないようだし…

ドキッ

あ… どうしよう またつらく なってきて しまう…

ガッ （成瀬を掴む音） ズルズルズル （成瀬を引っ張る音）

ドンッ

ドスッ （成瀬が座る音）

ホラね だから言ったのに 関わりたくないって

いけない 久々に部活が休みだからって 気が抜けてる

彼女さんかわい…っ！！ う…うさぎ…っ

…やっぱり 直接見ちゃうと けっこうきついな… バサッ

バキューンッ （上から降ってきたエ○本を見た）

大丈夫 そばにいるだけでいいって 見つめてられるだけで いいって言ったじゃん 彼女ができたからって 何も変わらない 私は はじめから あきらめている

しまった本音が…っ

…やっぱ見られてた

ガタッ

子供のくせに こんな奴といくら話しても 絶対わかりあえるはずない 泣くな 騒ぐな がまんしなきゃ 大人にならなきゃ あきらめなきゃ ー大丈夫