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第1話 - プロローグ

2025年01月26日

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史。

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史。

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N

何？

N

俺を殺すのが嫌になった？

どうして死を選ぶのか

別れるという選択肢がないのか

尋ねると、赤羽夏輝は眉を下げて笑った

首を横に振ると赤羽夏輝はゆっくり息を吐いた

N

…初め、2人の浮気が始まった頃

N

俺の恋人…名前呼びたくないし、Aとするね

N

Aは浮気相手Bに流されてただけなんだ

N

Aは優しいからBのことを強く拒めなかった

N

Aの中には常に罪悪感があって、Aを苦しめてる

N

だから俺は見て見ぬフリをした

N

俺までAを苦しめたくなかったから

N

Aが打ち明けてくるか、Bと縁を切るのを待ち続けた

ほんの数秒間、空白の時間が生まれた

赤羽夏輝は続ける

N

まぁ、俺の願いが叶うことはなかったけどね

N

AとBの関係は深まっていく一方だった

N

Aには罪悪感も生まれなくなって、俺よりもBに好意を寄せるようになった

N

仕方ないよね

N

行為が嫌いな俺だとAの欲は満たしてあげられないから

N

でも、Bにも恋人がいるから俺と別れてBと付き合うってことはできない

赤羽夏輝の本当に言いたいことがまだ伝わってこない

N

俺はずっと待ってるの

N

Aに…また、罪悪感が戻ってくる日を

その声は、怒っているとも泣いているとも笑っているとも言えなかった

N

Bが自分の恋人と別れない理由と一緒

N

「浮気」っていう沼にはまるんだよ

N

恋人がいるにも関わらず、そいつを騙しながら裏でそういうことをする

N

その事実がたまらないんだ

N

…俺は、Aが罪悪感を味わいたくなる日をずっとずっと待ち続けてきた

N

それが、もうあと少しで来るんだ

赤羽夏輝はやっぱりよくわからないことを言う

理解できずに首を傾げていると、赤羽夏輝はようやく核心をついた

N

だってさ、考えてみなよ

N

そういう奴にとって、勘が鈍くて浮気に気が付かない恋人ってすごく良い条件だと思わない？

N

俺のこと、恋人にしておきたくない？

N

…わかった？

N

Aはもうすぐ俺を求めるようになる

あいつを地獄に堕とすには

俺がこの世から消えるしかないんだ