太宰
太宰
中也
太宰はいつも、頭のキレる大人びた奴だ。だが、この時だけ、心の奥底から手を伸ばして助けを求める子供に見えた
太宰
太宰は腕の包帯を少しだけ外して俺に見せた
中也
腕の1部だけでも、痣だらけだった
真っ白く綺麗な肌に、赤紫色の汚い痣がたくさんあった
綺麗なのか、汚いのか、俺には分からなかった
太宰
太宰
中也
あぁ
もっと早く気付いてやれば良かった
いや、
もっと早く対処すれば良かった
俺は3年前から気づいていた。太宰が虐待を受けていることに。
突然着だした長そで長ズボン
どこかしら闇のある表情
どんどん痩せていくんだ。太宰が。
包帯越しでもとても細い指。今にも折れそうな足首。
それに、
あの時、"アイツ"に言われたことを守れなかった
乱歩
中也
乱歩
中也
乱歩
中也
乱歩
中也
乱歩
乱歩
中也
中也
太宰
中也
太宰
中也
太宰
今、俺が唯一できる『救い』
中也
太宰
太宰
中也
あぁ。この雰囲気だ。この空間が。何よりも好きだ
太宰
中也
中也
太宰
中也
太宰
太宰
太宰
中也
太宰
ありがとう!!
中也
中也
中也
太宰
中也
ぼしゃん
太宰
あぁ。凄く、綺麗だ
短い人生だったけど、中也といるときは、楽しかったなぁ笑
…息ができなくなってきた
これが『死』というものなのか
ものすごく、美しく、儚いものだ
中也も、ずっとこっちを見つめてる。
最期に、伝えとかないと、
太宰
中也
また、人間として、生まれ変われたら、
また、親友になろうね
中也
中也
あぁ。沈んで逝ってるのがわかる。
生きるのが辛かった訳じゃないけど、何故か『死』が怖くない
太宰と一緒だからだろうか
太宰
太宰の全身の包帯が、少しずつ取れていく。
"その姿"は、とても
美しい
中也
もう、息が限界だ、
太宰
中也
太宰が何か云ってる、
太宰
また、人間として生まれ変われたら、
また、親友になろうね
中也
太宰
この泡は、出ていく息なのか。涙なのかは、誰にも分からなかった。
乱歩
乱歩
乱歩
乱歩
乱歩
コメント
2件
本当にこれで救われたのかな? 正しかったのかな?