コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
ミーン…ミー…ン…
遠くからも近くからも 蝉の声が響いている
ギラギラと照りつける太陽は 日光を痛いくらいに飛ばして
それによってできた影は 濃く足元に溶けていた
きっと今日は真夏日なんだろう
蓮
先程友達とふざけて作った膝の傷に 神経が全部持ってかれる
そこまで深い傷ではないが 予想より面積が広かった
蓮
結衣
聞き慣れた懐かしい声に ハッとする
自然と上がった口角を無理矢理下げ、 心底嫌そうな顔をそちらに向ける
蓮
結衣
結衣
蓮
結衣
不満を口にしているが 彼女は笑っていた
蓮
…変わってない
と、瞬間的に感じた
うざいくらいの明るさも 大きな目を細く、細くして笑う顔も
昔の彼女、そのものだったから
結衣
結衣
蓮
蓮
結衣
コロコロと笑う彼女の顔が見れない
俺にはちょっと眩しすぎる…気がして
結衣
結衣
彼女は急に声を強ばらせた
結衣
蓮
あぁ、そうだった
俺、怪我してたんだっけ
蓮
蓮
…いや、思い出したらかなり痛いな
なんで忘れてたんだろう
結衣
結衣
膝に神経がまた集まってくる
蓮
じわり…と血が滲む傷口が どぐん、どぐんと脈打ってる
結衣
ぐい、と体が引っ張られる
蓮
体を引っ張った犯人は彼女だった
蓮
結衣
耳が赤く染まり 顔に熱が上がる
ちらりと見た左手首は 彼女の手に包まれていた
結衣
結衣
結衣
そう言って振り返った彼女は やはり笑っていた
蓮
彼女に引っ張られつつ下を向いた
影が体の動きと共に形を変える
蓮
心なしか顔が熱い
蓮
きっと今日は真夏日だ
…いや、猛暑日かもしれない