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朝。
目が覚めた瞬間から、世界の輪郭がぼやけていた。
その異様な光景に酔い、気分が悪い。
イングランド
何かを、忘れている。
とても大事なものを、最初から存在しなかったように……。
そして、それを思い出そうとすると、吐き気が増し、
同時に頭痛もした。
ふらつく足で廊下を歩く。
家の中がやけに静かだった。
ふと、前を見てみる。
青い体、国旗。綺麗な民族衣装。
私と同じ、赤い瞳。
一瞬、イギリスかと思って目を擦ったが、そこには誰もいなかった。
イングランド
一拍遅れて、自分の口から出てきたモノに気がついた。
…私は、なんて言った?
"兄さん"...なんて、いないはずだ。
イギリスの顔が、一瞬霞む。
…しかし、"ソレ"ではない。
思い出そうとするたび、頭を締め付ける痛みが走って、思考が止まる。
イングランド
イングランド
その瞬間。
吐き気が限界に到達し、再び思考が途切れた。
イギリス
重い扉を閉めると同時に、私は息を整えた。
昨日から胸騒ぎが消えない。
昨日のイングランドを思い出す。
彼は珍しく嘔吐した後、『兄さん』と、口にしていた。
彼に、兄はいないはずなのに。
イギリス
フランス
フランス
イギリス
フランスは言葉を濁しながらも、続けた。
フランス
フランス
イギリス
フランス
私も実は、薄々気づいていた。
胸の奥に穴が空いたような感覚。
しかし...理由がわからない。
イギリス
その時だった。
イングランド
か細い声が、外から聞こえてきた。
その声は______イングランドのものだった。
イギリス
フランスと目を合わせる。
私たちは急いで扉を開ける。
イングランドが、扉の前でうずくまっていた。
頭を抑え、荒い息をしている。
イギリス
触れると、彼の震えがわずかに和らぐ。
しかしやがて、なにかを思い出したかのように、自然に私の手を振り払った。
イギリス
イングランド
イングランド
彼自身、私の手を振り払ったことに驚いた様子だった。
イギリス
イングランド
イングランド
その問いに、私は答えられなかった。
私自身も、その“何か”が思い出せない。
何かが、決定的に違うのに。
フランスは、空の方を見上げながら呟いた。
フランス
イギリス
フランス
フランス
ふと、寒気がする。
未知の現象に直面したような感覚。
まるで、世界そのものが“誰か”を置き去りにしたかのような。
そんな、感覚。
太陽の光は確かにそこにあるのに、影だけが深くなる。
私達が、世界が、何を忘れているのか。
どうして、忘れたのか。
_________その理由を、私たちはまだ知らない。
コメント
2件
こういうのになると毎回考察コメになってすみません うーむ……忘れている存在 大英帝国…、アメリカ…、スペイン(王国,帝国)とか… 🇪🇸は何気に🇫🇷,🇬🇧とともに交流とかあったらしいですしね 後は…スコットとか……