万里
…ッう゛っ
至
万里…。
万里
はぁ…,,だ、大丈夫っすよ,,至さん…、だからそんな顔しないで,,,あ゛あっ
至
また痛いの来た、?
ゆっくり息してね。大丈夫だから、
ゆっくり息してね。大丈夫だから、
代わってやりたい、
これ以上苦しんでいる姿を見たくない
万里
はは,,,至さんだったら今頃
痛みで死んでたな…,,,
ほんとすげえよ…,,,母親って。
痛みで死んでたな…,,,
ほんとすげえよ…,,,母親って。
万里
俺も母親になるんだな…,,,
強くならないと…、、あ゛っ…
強くならないと…、、あ゛っ…
至
また痛いの来たね。
ゆっくり息して、
俺が付いているから。
ゆっくり息して、
俺が付いているから。
万里…、
万里
ハァ,,,やっぱり紬さんって強いわ…,,,
よく耐えられたよな。、
よく耐えられたよな。、
丞から出産の時、いかに父親が何もしてやれない事をこれでもかと 教えこまれたが、 まさかここまで父親が 無力だとは思わなかった。
至
万里はすごく頑張ってる
至
産まれたら、
3人で生活始めような。
3人で生活始めような。
万里
楽しみっす…、
俺頑張るから、至さん付いていて。
俺の人生スーパーウルトライージーモードなんで。
俺頑張るから、至さん付いていて。
俺の人生スーパーウルトライージーモードなんで。
至
万里は本当に頑張り屋さんだよ、
万里
あァ゛めちゃくちゃ痛いの来た…、、
万里
たる、さん、腰さすって。
至
分かった。
万里しっかり呼吸してね。
万里しっかり呼吸してね。
万里
言われなくても…,,ああっ゛
いき、できねぇ…,,,
いき、できねぇ…,,,
握っていた万里の手が どんどん冷たくなっていく。
至
万里、!?直ぐに先生呼ぶからね。
助産師
お母さん少し苦しくなっちゃったかな?
酸素マスク付けるね~
そろそろ産まれるから分娩室行こうか。車椅子乗って~
酸素マスク付けるね~
そろそろ産まれるから分娩室行こうか。車椅子乗って~
至
俺は何をすれば、?
助産師
お父さんはお水と団扇持って
着いてきてください。
着いてきてください。
万里
たる、さん、、
そろそろなんすね…,,
そろそろなんすね…,,
助産師
もう子宮口全開だから分娩室付いたら少しいきむ練習しようか~
万里
はいっ…,,,
分娩室に着くとそこは戦場だった
万里
っ、はー、は、はぁ、はーっ…
助産師
お母さんあともう少しだからね~、
そろそろ頭見えてくるから
そろそろ頭見えてくるから
万里
…っ、んん゛────────!!
至
万里…,頑張れ、!
万里
っ、ん゛───ッ、は、はぁ、はっ
万里
……ッぁあ゛───────!
半分泣き声が混ざったような悲鳴が 部屋に響き渡る
目を塞ぎたくなるような 壮絶な光景だった。
助産師
お母さん~
赤ちゃんなかなか出てこないから
お腹押すね
苦しいかもだけど頑張って
赤ちゃんなかなか出てこないから
お腹押すね
苦しいかもだけど頑張って
万里
…っ、んん゛────────!!
声にならない悲鳴を上げながら痛みから逃れようと必死に藻掻いた。
万里
……ッぁあ゛───────!」
助産師
お母さん暴れないで!
あともう少しだからね!
あともう少しだからね!
万里
っ、ん゛───ッ、は、はぁ、はっ
息が続かず、ぐったりと脱力した万里は懸命に酸素を取り込もうとする。
万里
……も、ずっと…いてぇ…しッ、
次の陣痛が来て万里はまた お腹を押され声にならない 悲鳴を上げていた。
この時間が永遠に続くのかと 思ったその時だった。
フェ、フギャア…!オギャア…!オギャア…!オギャア…!
万里
はァ,,,、う、産まれた…、?
助産師
お母さんよく頑張りましたね!
元気な男の子です!
元気な男の子です!
至
万里…、、よく頑張ったね。
本当に万里は頑張り屋さんだよ、
本当にありがとう……
本当に万里は頑張り屋さんだよ、
本当にありがとう……
万里
はぁ、はぁ、赤ちゃんも頑張ってくれたからな……、
たるさんがいてくれてめちゃくちゃ心強かった…、
たるさんがいてくれてめちゃくちゃ心強かった…、
至
本当にお疲れ様。
ありがとう。
ありがとう。