中原中也
ご馳走様でした…
香檸〇〇
お粗末様でした
其の後出された食事は鮭に味噌汁に白米という和食。
三葉のお浸しにテンションが上がりつつ完食する。
食べ終わって皿を片した後も、軽く談笑していた。
中原中也
( ってか男を簡単に家に上げるとか… )
中原中也
( 危機感なさすぎるよな? )
香檸〇〇
?、如何したの中也君
中原中也
あ、いや…
簡単に家に男を上げるなんて普通は無い。
という事は期待して良いのだろうか?
〇〇さんは俺に心を許してる…?
思春期真っ只中の男子だ。そんな風に考えてしまう。
中原中也
〇〇さんって彼氏とか…
中原中也
( 俺何云って… )
居なければ中也にもチャンスがあるという意味だが。
逆を云えば居たら彼女への此の気持ちはどうすれば…
香檸〇〇
急に如何したの?笑
香檸〇〇
まあ私も年頃の女子だからね…
香檸〇〇
居る事は居る…よ
中原中也
ッ、!
( ほら、やっぱり。)
家に上げて貰った程度で浮かれていた自分が厭になった。
俯いた中也はゆっくり席を立ち、
モヤモヤする気持ちを必死に抑えて声をかけた。
中原中也
夕飯ありがとうございました
香檸〇〇
え、中也君?
中原中也
…お邪魔しました
困惑する〇〇の相手をしてやる余裕は無い。
中原中也
( 何だ、意識されてなかっただけじゃねぇか )
足早に靴を履いて家を出ると、自嘲する様に笑った。