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~ 1 話 〜

プ ロ ロ ー グ 智有李 桃

学校が終わり颯爽と家に帰る。

今は、十七時

葵と旅をしてる時はまだ明るかったのにな。

窓の空は夕日で赤く染っていた。

葵がいなくなって数ヶ月たった。

夏が終わり、冬が来て、春が来て

俺はやっと高校生になった。

葵の両親が葵のものを受け取ってくれと 言ってくれて本当に良かった。

あの時の葵が少し近くにいるようで安心する。

窓から心地いい春風が入ってきて、 俺はそれに誘われるようにベットに倒れ込む。

大きく息を吸い込んで毒素を 放出するかのようにゆっくり吐く。

一昨日の休み、天日干ししてたからか ふかふかで葵の匂いがする。

これって太陽の匂いだったのか。

葵が本当に近くにいるみたいだ。

俺は今でも、彼が死んだなんて信じない。

みんなは俺に「葵は死んだ。」とか言うけど

俺は絶対信じない。

きっとこの歪んだ世界が君をどこかに隠しただけ。

だから俺は絶対に君を忘れない。

君に会える日をずっと待ってる。

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