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ヒスイ
ベッドの上から起き上がり、今の謎の回想は全て夢だったと気がつく。
よりによってなんで今日、こんな変な夢を見たのだろうか。これも生まれつきのタイミングの悪さが原因なのか。
ヒスイ
そう大声を出し勢いよく立ち上がった俺は、母がいる一階のリビングへと向かった。
ヒスイ
母
ヒスイ
母
ヒスイ
そんな会話をしながら、俺は母さんから弁当を受け取った。
母
どうやら俺がひどく緊張しているのが分かるのだろう、とても心配げな目をして俺を見ている。
ヒスイ
そう言い俺は口角を上げた。
ヒスイ
母
ヒスイ
俺は生まれて初めて乗る電車というものに、驚きを覚えていた。
乗り物じゃなくて建物の中なんじゃないかと思うほどに綺麗な状態。
けれどもこの列車特有の閉塞感は、乗っている者に安心感を与えるのには十分なのだろう。
ヒスイ
この列車は座る場所が個室になっていて、一室四人座れる。
今は始発なので乗っている者は少なく、俺は誰も居ない個室に入った。
ヒスイ
ヒスイ
ヒスイ
ヒスイ
車掌
車掌さんの声で、ようやく現実に引き戻された。
そうだ、今の俺は列車に驚いている場合じゃない。
そう思い、バッグから参考書を取り出した。
ヒスイ
そう、今日は俺が二年以上もの間対策していた難関校の受験日なのである。
その学校はとても偏差値が高く、合格するには高い倍率を勝ち抜かなければいけない。
だから俺はその学校に入学するため、ただただ必死に勉強した。 ご飯もろくに食べず徹夜してひたすら勉強していた時期もかなりあった。
その間は小さい頃から遊んでいた友人達と会わなかったから彼等とは疎遠になってしまったが、もう別にいい。
あの学校に合格さえすれば、寮に入って学園生活をおくることが出来る。
そうなってしまえば地元の事なんて、本当にどうでもよくなるのである。
だからちゃんと、今は勉強しないといけないのだが……。
女子A
女子B
ヒスイ
隣の個室から聞こえる話し声に、俺は溜め息を吐いた。
恐らくあの女子達は、この国最難関の魔法学校の生徒なのだろう。
ヒスイ
この国では、魔法を使えるか使えないかで扱いが大きく変わる。
国王になるには絶対に魔法が使えなければいけないし、その他の爵位持ちも似たようなもの。
俺の家系は、魔法を使える者がいなかったから田舎に追いやられたのだ。
そんな家系の者が出世するには、俺が今から受験するような学園を卒業するぐらいしか方法がないのである。
ヒスイ
しかしそんな俺の思考は、列車の程よい揺れで中和された。
昨晩緊張でうまく寝れなかった影響もあってか、俺の意識は眠りの世界へと移っていった。