坂上 一真
おはよう、孝矢
木ノ下 孝矢
はよ、一真
朝、俺と孝矢はそんな挨拶を交わした。
俺と孝矢は一緒に登校するのが日課だ。
木ノ下 孝矢
昨日ゲームでさー...
中身のない話をしながら通学路を二人で歩く。
俺と孝矢は友達だ。
孝矢といるのは本当に楽しい。
ずっと孝矢と話していたいと思うくらいだった。
―◆・◆・◆―
村山 晃海
...え!?それまじ!?
なんだよ、早く言えよ~!
なんだよ、早く言えよ~!
木ノ下 孝矢
うるせーな、
ほっとけ
ほっとけ
村山 晃海
なに照れてんだよ~!
昼休み。
なんだかやけに教室が騒がしい。
特に男子が。
坂上 一真
何かあったの?
近くの男子にたずねると、返ってきたのは衝撃的な一言だった。
クラスの男子
ん?あぁ、孝矢に彼女ができたんだってさ
坂上 一真
...は?
一瞬、何を言われたのか分からなかった。
なぜか、泣きそうになった。
―◆・◆・◆―
坂上 一真
孝矢、彼女できたって本当?
下校。
俺は気付いたらそんなことを聞いていた。
木ノ下 孝矢
は...?ちょ、もうお前もしってんのかよ...
坂上 一真
......
木ノ下 孝矢
本当だよ
坂上 一真
...彼女、誰?
木ノ下 孝矢
うちのクラスの
吉川 麻百合
吉川 麻百合
坂上 一真
...っ
吉川 麻百合。
女子と接点のない俺でも知っている、クラスの派手女子の一人だ。
坂上 一真
っ今日は...先に帰るね
木ノ下 孝矢
え...ちょ、一真?
今は孝矢と一緒に居たくなかった。
そして、この涙を見られたくなかった。
*続く*