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【LINE182】「高級住宅街に引っ越してきた私たち家族をバカにする成金嫁」
第1話
【LINE182】「高級住宅街に引っ越してきた私たち家族をバカにする成金嫁」
7
2022年11月27日
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ミカ
あんた住む場所、間違えてない？
ミカ
見栄っ張りにも限度っていうものがあるでしょ？
アン
お隣のミカさんですよね
アン
先日はご挨拶させていただき
アン
LINE交換もありがとうございます
アン
今後ともご近所同士よろしくお願いいたします
ミカ
んまあ！ご冗談をｗ
ミカ
あなたみたいな地味で、いかにも貧乏そうな人と対等に仲良くできるとでも？
ミカ
あの時はあなたがこんな人だってわかってなかったけど
ミカ
社長夫人でセレブの私とは釣り合わないわよ
アン
えっ？
ミカ
いっつも地味なトップスにデニムを合わせた格好じゃない？
ミカ
スーパーのパートに行くみたいな格好よｗ
アン
私のお気に入りのスタイルなんです
アン
少し地味な印象かもしれませんが
ミカ
あなたは地味を通り越して貧乏くさいのよ
ミカ
あ！ごめ～ん、貧乏くさいじゃなくて貧乏の間違いねｗ
アン
お言葉ですが、そこまで親しい間柄でもないのに、容姿を蔑むのは失礼じゃないかと
ミカ
いい？私はアドバイスしてあげてるの！
ミカ
お隣が貧乏人ってのいうのは嫌なの
アン
貧乏だなんて…容姿だけで決めつけないでほしいです
アン
私も夫も仕事に就いていて、それなりの収入もあります
ミカ
強がらなくていいのよ～、見苦しいだけｗ
ミカ
お金がなくてそんな地味な服だけしかないんでしょ？
ミカ
スーパーのレジ打ちそしてせいぜい月10万の収入ってところね
アン
もう一度言いますが、容姿だけで職業や収入を決めつけないでください！
ミカ
何熱くなってんの？ｗ
ミカ
いい？ここはあなたみたいな貧乏人が住んでいいところじゃないの！
ミカ
私みたいなセレブが集う住宅街なのよ
アン
ここは都心から離れていて、地価がやや割高なのは聞いています
アン
私はこの街並みと子育てがしやすい環境に惹かれ、引っ越してきたんです
アン
たしかに高貴な雰囲気の街ですが、住んではいけないという決まりはないですよね？
ミカ
あなたは自分のご身分を理解してないみたいね？
ミカ
あなたみたいな下等民がこの町にいるだけで、町が廃れるの
ミカ
決まりがなくても、セレブしか住んではいけないことぐらい常識で分かるでしょ！
アン
そんな言い方…
アン
ミカさんがおっしゃっていることは身勝手な思い込みで、決めつけですよ
アン
ご自分がセレブだからって、マウントをとることしかできないんですか？
ミカ
私は見てのとおり社長夫人なのよ
ミカ
うちの旦那は、海外にも拠点を置く財原興業の社長なのよ！
ミカ
私の名を汚すことになれば、この街に居られなくなるわよ
アン
財原興業…海外の会社の拠点というのはどこですか？
ミカ
上海よ！年商２億も出す大企業で、全部手元に入ってくるの
ミカ
これ以上楽して生きていけることはないわ～
アン
そうですか、楽してセレブ生活とはいいご身分ですね
ミカ
なあに、羨ましいの？
ミカ
あっ！もしかしてあなたのご主人はごみ清掃員かｗ
ミカ
あーやだ、考えただけでも気持ち悪いわ
アン
私の夫は会社員です！何の根拠があってゴミ清掃員だと決めつけるんですか？
ミカ
下等民は見ればわかるのよ！あなたの家からゴミのにおいがプンプンするわ
ミカ
会社員なんて無理がある嘘なんかついちゃって～
ミカ
負け犬の遠吠えにしか聞こえないわ！
アン
噓でもないし、自分が負け犬だなんて思ったことはありません
アン
私たち家族は価値観にとらわれず、平凡な暮らしを望んでいるまでです
アン
ミカさんがセレブなのか存じ上げませんが、私たちには関係のないことです
ミカ
まあ！貧乏人のくせに平凡だなんて！底辺の人間のくせにｗ
ミカ
いい？あなたは分かってないみたいだから教えてあげる
ミカ
この世には勝ち組とあなたみたいな負け組の2種類しかいなのよ！
ミカ
そしてこの街は、勝ち組の人間だけが住んでいい町なの！
ミカ
負け組はせいぜいボロアパートにでも閉じこもっていることね！
アン
なんてこと言うんですか！？
アン
私たちはなるべく干渉しないよう静かに暮らしますから
アン
お願いですから、家族に危害を加えないでください！
ミカ
アンタの態度次第ね
ミカ
アンタが干渉しなくても貧乏人が隣にいることが目障りなの
ミカ
お願いだから早くこの街から出てってちょうだい！
～３日後～
アン
ちょっとミカさん！
アン
うちの敷地にゴミを捨てたのはミカさんの仕業ですよね？
ミカ
は？何よ
ミカ
何で私だって決めつけるの～
ミカ
貧乏家族が住んでるから、誰かがゴミ捨て場と間違えたんじゃない？
アン
もういい加減にしてください！！
アン
ガレージの車が生ごみとか空き缶だらけで、窓ガラスも割れているし
ミカ
あれゴミ収集車じゃないの？
ミカ
ゴミだらけのアンタの家には、逆に映えると思うわ～ｗ
アン
これはもう不法侵入罪ですよ、警察に相談します
ミカ
証拠もないのにそんな大口叩いて、あんた何様！？
ミカ
いい？私は社長夫人で上流階級の人間であなたは底辺の人間！
ミカ
底辺の人間が上流階級の人間から嫌われても、何も言う権利はないの！
ミカ
貧乏人に何の権利もない、もちろんこの街に住む権利もない！
アン
何を根拠にそんなことが言えるんですか？
アン
法律でも条令でも決まっているわけではないですし
ミカ
ほんと馬鹿ねえ～、貧乏人が住むのはタブーなことぐらい、常識で分かんないのかしら
ミカ
その気になれば、旦那の権限でアンタの家を立ち退かせることぐらいできるんだからね！
アン
えっ？
ミカ
うちの旦那の会社は何億も稼いでくるのよ～
ミカ
旦那に大金を出してもらって、あんたら貧乏家族をすぐに立ち退かせてやる！
アン
そんなこと現実的に不可能じゃ…
アン
あとご主人の会社について良くない噂を耳にしまして…
ミカ
は？あんたが旦那の大企業の何を知っているの！？
アン
いえ…なんでもありません…
ミカ
とにかく早くこの街から出ていきなさい！
ミカ
そうしないと、あなたの家買い取って、立ち退かせるんだから！
アン
はい、分かりました。
～１週間後～
ミカ
ちょっと、どういうこと！！
ミカ
旦那の会社が破産して、この家も差し押さえられたのよ！
ミカ
あなた何を知ってたのよ！
アン
こんにちは、アンさん
アン
あんなに高慢で強気だったのに、どうされたんですか？
ミカ
どうしたもこうしたもないわよ！何が一体、どうなってるの？
ミカ
旦那は警察に任意同行を求められたし…
アン
しょうがないですよ。ご主人、背任と脱税の疑いで告発されてるんだから
ミカ
へ？
アン
ミカさん、ご主人は大企業の社長だとおっしゃってましたね
アン
それがもし、作り話とかだったら…どうします？
ミカ
作り話なわけないじゃない！旦那は正真正銘、財原興業の社長なのよ！
アン
実を言いますと、財原興業は事業実態のない、いわゆるダミー会社なんです
アン
ご主人の本職は、外注受けが専門の金属加工会社の社長なのです
ミカ
え？どういうことなの？旦那の正体は町工場の社長ってことなの…
ミカ
意味が分からない…それにアンさん、あなたが何故この情報を知っているの？
アン
私はご主人の工場の元請け会社の社長をしています
ミカ
へ？
アン
詳しい話をしますが、私の会社にはいくつかの元請け工場があります
アン
その１つが、ご主人が経営されている工場なんです。
ミカ
うそ…ミカさんが会社社長で…旦那が下請け…
アン
直接的な関係はないですが、でも最近、契約トラブルが多くて…
ミカ
トラブルっていったい何があるのよ？
アン
原材料の規格違反や納期遅延、受注削減要請など見受けられていました
ミカ
元請けだったら、それぐらい目をつむってやりなさいよ！
アン
そうはいきませんよ、契約なんですから！
アン
部外者が分かったように口を挟まないでください！
ミカ
うっ…
アン
ご主人は財原興業を経由し、規定を下回る金額で原材料を納入していました
アン
これは元請け会社にとって、重大な違反で信頼を裏切る行為です
ミカ
そんなの嘘よ！私は信じないわ！
アン
いいですか、ミカさん!？
アン
以前から、ご主人の不正疑惑は、工場の従業員の間で話題になっていました
アン
あなたが財原興業を名乗ったことで、ダミー会社の存在が判明しました
アン
高慢な発言が、自分の身を滅ぼすことになるなんて思わないでしょう
ミカ
そんな…
アン
ご主人は、不正に得たお金を財原興業で私的に流用していたとのことです
アン
工場の資産や売上の一部までも吸収し、従業員への給与未払いもありました
ミカ
じゃあ、旦那の莫大な収益というのも…
アン
そうです、浮いた経費や会社の利益を流用した、汚れたお金です
アン
この現状では工場は倒産、ダミー会社は破産開始とのことです
アン
ご主人は職を失うどころか、告訴され、莫大な賠償金が残りますね
ミカ
じゃあ、今までのセレブな生活もできないってこと！？
アン
そうですね、生活どころか財産全て差し押さえです
ミカ
そんなの絶対にいやだ！！
ミカ
やっと手に入れた社長夫人、セレブの暮らしだったのに！
アン
ご主人は従業員からも疑念を持たれ、内部告発をされた身なのです
アン
私は元請けの社長として、公正取引委員会に内部通報を行いました
アン
財原興業の存在が明るみになり、脱税の事実も発覚しました
ミカ
旦那とはもう離婚するわ、私には背任だの脱税は関係ないもの！
ミカ
離婚すれば、もう自由だわよね
アン
残念ながら、あなたも犯罪者です
ミカ
へ？
アン
この間、わが家への不法投棄と住居侵入、器物破損の罪です
ミカ
そんなの…証拠もないのに、ハッタリだわ！
アン
実はね、わが家の庭とガレージには監視カメラを仕掛けてるんですよ
アン
ミカさんがゴミを捨てたり、窓ガラスを割る姿が、ばっちり写っていました
ミカ
うそ…あんたみたいな貧乏人、カメラなんか持ってないと思ってた
アン
あなたがいつか嫌がらせをしてくるんじゃないかと思い、仕掛けたの
アン
こんな嫌がらせをしなければ、あなたは自由の身だったのにね
ミカ
お願い、アンさん。警察には言わないで！あなた社長ならお金あるでしょ？
アン
いえ、もう被害届と証拠データは警察に提出済みです
ミカ
そんな…生活どころか、ずっと刑務所生活じゃない！
アン
平凡な暮らしを望んでおけばこんなことにならずに済んだのにね
アン
個人的に賠償金と慰謝料とを請求しますので覚悟なさい！
ミカ
そんな…お金もないし、もう旦那からもらえない
アン
しっかり罪を償って、出てこられるまでお待ちしておりますので
アン
しっかり働いて、お支払い、どうぞよろしく
ミカ
いやあぁー、そんな…
アン
さようなら
～後日談～
アン
ミカさんは私の家に損害を与えた罪で、あっけなく警察に連行されてしまいました
アン
どうやら気に入らない家があれば、ゴミを投げ込んだりと常習犯だったようです
アン
私たち家族にとっての脅威となる隣人が居なくなり、ホっとしているところです
アン
一方、ミカさんのご主人も刑事告訴され、私の会社からも告訴をしました
アン
下請けを1件失いましたが、大ごとになる前に正体が分かったのは大きな成果でした
アン
これからは誰からも干渉されず、平穏にこの街で暮らしていこうと思います
電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい！がどんどんみつかる。
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