夢を追って。

午後の部へと移ります。

生徒は速やかに待機場所へと戻ってください。

早乙女さんは自分のテント場へと戻って行った。

って言ってるけど、たっつん達とは タメなんだよな。

そんな簡単な話ではない。

そもそも、早乙女さんとは最近ちょっと 打ち明けたくらいなのに。

急に下の名前で呼べば間違いなく嫌われる。

早乙女さんがアイドルを嫌い？

じゃあ何でやってんの？って話じゃん。

でも、うりの言ってることが本当なら…

はちまきを巻き直す早乙女さんが目に映る。

ブー

嘘ですよね早乙女さん。

アイドル嫌ってないですよね？

早乙女さん。

今何を抱えていますか。

どんな気持ちですか。

俺にできる事、ありますか？

sideゆあん

テントへ戻り、はちまきを巻き直す。

本当は手を抜くつもりだった。

怪我なんてしたらシャレになんないし。

あの人に怒られるし。

でも_

＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿

＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿

あんなこと言われて手を抜けるわけがない。

目が合う。

自然とスマホを取り出し、メッセージを送る。

スマホを確認した暁さんの表情が曇った。

何か言われたのか？

続きましてリレーへとまいります。

選手の皆様は準備をお願いします。

何で表情が曇ったのか、なんて分からない。

ただ、俺が一位を取ればきっと笑顔になってくれる。

だから俺は_

位置について、

よーいドンっ

いつもより本気で走るだけだ。

おぉ赤組の早乙女くん速いです！

ダントツ一位でバトンを渡しています

暁さん見てくれたかな。

どう思ってくれたんだろ。

こんな暁さんに構ってるんだろ。

別に放っておけば良いのに。

今までもそうして来たんだから。

自分でも、この気持ちは知らない。

𝙉𝙚𝙭𝙩 ︎ ⇝1000♡