凛
なんで追いかけてきてるのよ!?

眞乃
いや……なんでって…

眞乃
お姉さんに…はぁ……LINEを……はぁはぁ……

凛
……ちょっと休憩しようか…。

眞乃
そ……してもらえると…助かります……。

走ったせいで会話にならなかったので、私達は取り敢えず公園のベンチに座る事にした。
凛
さ、さっき言ったのは、そういう意味じゃ無いからね…。だから……

凛
気持ち悪いって思わないで…

凛
(本当はそういう意味なんだけど…嫌われるのが嫌って、やっぱりそういう好きなんだよね…自覚したらしんどいなぁ……)

眞乃
……!

眞乃
私がお姉さんに声かけた理由、分かります?

凛
……分からない。

眞乃
……はぁ…。

眞乃
じゃあ、あの言葉を聞いてこうやって追いかけて来た理由は?

凛
分かるわけないでしょう……。

凛
(出会って間もないしどんな人かも分からないのに…。)

眞乃
……っじゃあ私が貴女が泣きそうな顔をしながら言った『好き』を聞いてLINEを聞いた理由は!?

凛
……し…らな……

眞乃
いい加減にしてくださいよ!!

眞乃
あんな顔して、好きって!そんなのそういう意味だって思います!期待します!

凛
期待…?私だって貴女が私にばっかり笑顔になるから……舞い上がって、年下に恋して……っぁ!

凛
(どうしよう…言っちゃった、同性なのに気持ち悪いって思われる?このまま離れていったり……)

眞乃
……恋なんですね?貴女が、私に向ける好きは、本当に恋なんですか?

凛
…自分でも分かってるの。私だって今までは男性しか好きにならなくて…好意を向けられた側からしたら気持ち悪いでしょ……ん!?

眞乃
……ん…ぷは……

凛
(え…キス……!?なん…)

眞乃
私だって好きです。元から恋愛対象女性ですし、私がお姉さんのこと覚えてた理由ってドがつくほどのタイプだったからですし。

凛
ド……え、本気で言ってる……?だって世間から見ても気持ち悪いと思うし…私があなたの事を好きになったら……

眞乃
そんなのどうでも良くなるくらいに私はお姉さんのこと好きです。入店してくれた時から目付けてました。お姉さんのこと想像して、1人でしてました。

眞乃
それでも私の事好きですか?お姉さんは私の事気持ち悪いって思いますか?

凛
(そんな真っ直ぐな目で見つめないでよ……ていうか一人でって…///)

凛
おも……わない…好き。

眞乃
へへ……私も一緒です。私達が気持ち悪いって思わなかったらどうでも良くないですか?

眞乃
私がお姉さんのこと好きで、お姉さんは私のことを好き。それじゃだめなんですか?周りの目と私達の幸せ、お姉さんはどっちの方が大事ですか?

凛
でもやっぱり…気にしちゃうよ……私だってあなたを好きになる前までそういうの、普通に抵抗あったし…。

眞乃
思わせとけばいいんです。

眞乃
周りの目気にして私達が幸せになれないなんて馬鹿げてます…。

凛
…

眞乃
私達、なにか悪いことしてますか。

凛
……!

凛
(してないよ…普通に男性に恋するように、女性に恋しただけだもの。でも、それがおかしいって思われるのが世間的で……。)

凛
確かに……馬鹿げてるわ。

眞乃
ふふ、でしょう?ねぇ、お姉さん。

眞乃は、いつもみたいにいたずらっ子みたいに目を細めて笑った。
眞乃
私と付き合ってくれない?

凛
……イケメンすぎん?

眞乃
ちょ…雰囲気ぶち壊しですよ…。

凛
あははっごめん。ねぇ、こっち来て。

眞乃
ん?はい……

ちゅ…
ザザ、と葉が摺れる音の中、私の耳にだけその音が響いた。
凛
好き……付き合いたい…です。

眞乃
……〜〜〜っ!

眞乃
ん……ーーーっ

凛
んんんぅ……!?

眞乃
……ぷはぁ。

眞乃
可愛すぎません……?どうしよう、襲っちゃいそう……。

凛
ちょ……ここではやめてよ?ていうかキス!さっきからいきなり過ぎない?

眞乃
えー、いいじゃないですか。てか、ここではって事はここじゃなかったらいいんですか?

凛
……馬鹿?

眞乃
顔真っ赤ですよ?

あの時言った2文字で、私達は付き合うことになった。