セフィロトの樹〜暗殺者の裏話〜

ラッセルは雄叫びをあげながらエドガーにナイフを振るう

バーン！

咄嗟に拳銃を撃つも、かすれただけだ

エドガーはナイフに持ち替えてラッセルと対峙する

お互いのナイフがかすれ合う

ラッセルはナイフを振りほどく

エドガーが怯んだ隙をついて両手でナイフを突く

しかし、それはナイフを持ってないエドガーの左手で掴まれ防がれる

エドガーの左手からは血が溢れ出ている

ラッセルの突きが弱くなった気がした

エドガーは懐に隠していた小型ナイフを右手で取りだし

ラッセルの首元目掛けて突き刺した

ラッセルは痛みのあまりその場に倒れ込む

ラッセルから発する声は声ではなかった

これ以上ラッセルは動かなくなった

ヒュゥウ─────

ふと窓からすきま風が吹き

ラッセルの傍に落ちていた報告書がパラパラとめくられる

エドガーは報告書をそっと手に取りめくってみせた

2人が追いついた先

エドガーの手に報告書が握られていた

エドガーが報告書を不自然に落とすと、こちらに振り返る

エドガーは無言のまま、持っていたナイフでエディを突き刺そうと襲いかかる

"そうなることを分かっていた"エディはそれを回避し、エドガーの手首を掴む

エドガーは片足でエディを蹴飛ばし

エディにナイフを投げつけた

それは初めて命中した

聞く耳持たずエドガーは、バランスを崩したエディの身体を固定する

そして

エディの顔面にナイフを突き刺す

何度も何度も

ぐちゃぐちゃになるまで、突き刺した

息絶えていくエディの姿を、ダニエルはただ見ていた

エドガーは報告書を拾い、ダニエルにキリトのページを見せつける

ページには、こう書かれていた

○月✕日、キリト

子供が大好き、理由は簡単に殺せるとの事

今まで何人子供を殺したかは本人も覚えていない

その影響でイギリスとジャパンの両国で重要指名手配になる

○月✕日、1人の子供を殺した

追記、名をピーターと言う

現場は近くにいた子供が目撃

目撃が子供だったため通報が遅れて難を逃れる

○月✕日、MGカンパニーの社長に才能を買われて就職

○月✕日、ファンタズマ・クレヴォに加入

名をエディに改名、ジャパンの精神病院に整形を頼む

理由は警察から逃れるため

自由記載欄

マジか、最近入ってきたエドガーと言う奴がピーターの親友だったのか

復讐心燃やしているし、厄介だな

ファンタズマ・クレヴォに少し協力してもらわねぇと

バレたら俺が殺されるからな

ダニエルはただ無言を貫いていた

エドガーはエディの死体から瓶に入った毒を奪い取る

バリｯﾝ──

エドガーは毒の入った瓶をダニエルの顔面に向かって投げて割れる

毒はともかく、ガラスの破片が顔に刺さる

エドガーは容赦なくダニエルを蹴り飛ばし

破片が刺さった顔面を思いっきり踏んづけた

何度も何度も、踏み続けた

あっ、居たわ！

ダニエルが動かなくなったのを確認したのち、背後から声が聞こえる

エドガーは報告書を堂々と持つ

そして、先程殺した2人の死体を眺める

エドガーは死体に転がり落ちていた大鎌を奪い、クイーンに振るう

スパッ─────

クイーンは一瞬にて胴体と頭が分離した

気付いたのは、斬られた後だった

エドガーはすぐさま拳銃を取りだして躊躇なく引き金を引く

パーン！

死体が溢れる空間の中、無慈悲な音色が輝いた