ころして....?ポロポロ
....カチャ、 (包丁
ベチャッッ
夜の校舎、
俺は職員室で残っていた仕事を片付けていた
風が窓を震わせ、街灯の明かりだけが薄く廊下を照らしていた。
Illma
Illma
Illma
それから数十分後
俺はタスクを終え
資料をまとめてから帰り支度をした
校門に向かって歩いていると、
暗がりの向こうから、 ふらつきながら走ってくる人影があった。
Illma
声をかけると、その影が顔を上げた。
街灯に照らされたその姿に、俺は息をのむ。
血に染まった制服、怯えるように揺れる目。
目に映ったのは――
なつだった。
Illma
なつは俺を見つけるなり、よろめきながら胸に飛び込んできた。
震えた指先で服をぎゅっと掴み、
泣きじゃくりながら怯える体。
今までで一番、力のこもった抱擁。
Hima
Hima
涙混じりの声に、 俺は頭を抱え込むように抱きしめ返す。
Hima
Illma
Hima
Illma
Illma
Illma
なつは嗚咽を漏らしながら、必死に服を掴む。
胸がぎゅっと締め付けられる
Hima
Hima
手先がじんじんして、視界も少し揺れる。
Illma
その言葉に、なつは一層強くしがみついた。
その瞬間、俺の胸の奥で何かが崩れた。
助けなきゃ。
この子を、絶対にひとりにしてはいけない――
そう思った。
――だが。
警備員
警備員
警備員の声が夜の校庭に響き渡る。
振り返った俺は、慌ててなつを庇うように抱き寄せた。
Illma
Illma
だがライトに照らされたなつの姿は、血にまみれ、
あまりに衝撃的だった。
すぐに警察へと連絡が入り、事態は動き出す。
血の匂い、
冷たい夜風、
遠くで響く警備員の声。
いるまに抱きしめられ、 安心できるはずの体が、逆にひどく揺れる。
罪悪感が胸を締め付け、
震える手がいるまの背中を掴んだまま離せない。
ピーポーピーポ ――....
夜の校門前。
赤と青のパトランプが、闇の中で狂ったように回っていた。
光が交互に受けの顔を照らす。
白く、青く、赤く――
そのたびに血の色が濃く見えた。
Illma
Illma
いるまの声が夜に響く。
だが警官たちは構わず、 なつの両腕を掴み、冷たい手錠をかけた。
金属の音がカチリと鳴るたび、 現実が心の奥まで突き刺さってくる。
なつは抵抗しなかった。
ただ、ぼんやりと前を見ていた。
地面に垂れる自分の血の跡を、 まるで他人のものみたいに眺めながら。
Illma
いるまはその姿に、胸が張り裂けそうだった。
あんなに小さく震えていた子が、今はまるで別人のように遠い。
Illma
Illma
Illma
いるまは叫びながら走り寄る。
だが、制服の腕がそれを遮った。
警察
警察
誰かの声が無機質に響く。
「保護」
なんて空しい言葉だろう。
守られるべきものは、もう壊れてしまっているのに。
Hima
なつは顔を上げた。
その目には涙の跡も、怒りも、恐怖もなかった。
ただ、静かな絶望だけがあった。
Hima
唇が震えながら、やっと出たその一言は、風に溶けた。
いるまはその声に引き寄せられるように前に出る。
けれどもう、手は届かない。
パトカーのドアが閉まる音がした瞬間、世界が一気に静まり返った。
サイレンの音が遠ざかっていく。
赤い光が夜の闇の中に飲み込まれていく。
残されたいるまは、ただその光を追いながら、 声にならない叫びを喉の奥で押し殺した。
Illma
Illma
誰もいない夜風の中で、
その言葉だけが、かすかに震えて消えていった。
第1章、完結しました
ここまで読んでくれてありがとうございました