涼川薫
お邪魔します。

楠紫織
はーいどーぞ。

涼川薫
…ご両親はお仕事ですか?

楠紫織
中学の時、S級の魔物に襲われて亡くなった。

涼川薫
すみません、……

楠紫織
謝らなくていいよ〜それに、母親も父親も魔物退治でほとんど家に帰ってくること無かったし、前の生活と何も変わらないから全然大したことないよ。

気、使わせちゃったかもしれない。
……シオちゃんさんの両親、
『ガード隊』の隊員だったんだ
涼川薫
?

楠紫織
どうしたの?

涼川薫
いや、なんでもないです。

両親2人がガード隊なのに、なんでシオちゃんさんは属性が遺伝されてないんだろう…
涼川薫
…唐突な念話術やめてください!

楠紫織
ははっ、今回は
「ひゃっ!?」て言ってくれないのか。

涼川薫
あの時はまだ慣れてなかっただけで!

楠紫織
へぇ〜?じゃあ、カオルンは慣れたらなんでもOKってこと?

この人完全に僕をからかってる!!仕返ししないと気が済まない!
涼川薫
もし、そうだとしたら?

ふふふ、どうだシオちゃんさん!
驚いてくれたかな?
楠紫織
…ふぅーん。だったら、このままカオルンにそういう薬を混ぜたお茶を出して、飲ませて気絶させてベットに連れ込んで、表情のことは残念だけど、涙流せないのは辛いよね?だったら辛いこといっぱい経験させて僕なしじゃ生きていけない体に慣れさせる、とか?

涼川薫
は!?馬鹿なんじゃないですか!

煽りなんてするんじゃなかった…
っていうか普通に頭おかしくない?
楠紫織
なーんだ、ちょっとは顔に出ると思ったんだけど、やっぱ口と仕草だけか。今僕が言ったこと、実際にやってみたくなってきたかも。

うぅ、仕返ししようとしただけなのに仕返し食らうの僕の方ですか!!
涼川薫
…

楠紫織
ははっ黙っちゃった。もしかして怒った?
大丈夫、僕そんな酷いことしないよ。全部嘘だから、機嫌直して?

涼川薫
はぁ、シオちゃんさん意地悪してくるので僕もう帰ります。

楠紫織
え!?待って待って、本題にまだ入ってないよ?ローブ男のこと話してない!

涼川薫
冗談です。

楠紫織
へ?

涼川薫
冗談です。

楠紫織
怖いんだけど!

涼川薫
怖いのはシオちゃんさんの方です!

楠紫織
それはそうだけどw

楠紫織
じゃあ、気を取り直して本題ね!

涼川薫
はい!

楠紫織
議題は、『どうやったらローブ男からカオルンの表情を取り戻すことが出来るのか。』
カオルンはローブ男のこと何か知ってることある?

涼川薫
…分かりきってる事ですが、僕にペナルティが課せられるときだけ姿を現すこと、です。

楠紫織
ふむ…そういえば、ローブ男はどうやってカオルンの表情を奪ったか覚えてる?

涼川薫
僕は途中で寝てしまったので正確には覚えてないんですけど…ローブ男は僕の顔の前でなにかを掴んで、僕から何かを引き剥がしました、それからその作業を繰り返しして、気づいた頃には僕は家のベッドで寝てました…

意味のわからない行動だったけどなにかの儀式だったのかもしれない。
楠紫織
その記憶がカオルンにあるということは、ローブ男は僕みたいに記憶を消すことは出来ないのか。睡眠能力と剥奪能力の掛け合わせの特異体質?もしくは闇属性か…

涼川薫
し、シオちゃんさん、記憶消すことができるんですか!?

楠紫織
うん!でもまぁ、
超めんどーな条件付きだけど。

涼川薫
やっぱり強力な特異体質には、条件付きことが多いですね。

楠紫織
あぁ、!なるほど、

涼川薫
どうしたんですか?

楠紫織
えーっと、C組には永山亜珠麗(ながやまあしゅり)っていう化け物がいてね?

涼川薫
その人が、どうかしたんですか?

楠紫織
亜珠麗の能力は『破壊』(周りにあるもの全てを破壊する)っていうめっちゃすごい能力。

涼川薫
…確かにめちゃくちゃ強力ですね。

楠紫織
いや、今C組の中でいちばん強力なのカオルンでしょ。

まぁ、全部嘘無効になる。
…シオちゃんさんには攻略されたからもう効かないけど!
涼川薫
それで、?

楠紫織
今からアキちゃんを呼び出して、3人で亜珠麗の家に行く!門限とかある?

涼川薫
ない、です。
