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…きろ

女性の声 「…んん」

起きろ

女性の声 「…ん。後5時間…」

バカを言うな

いいからさっさと起きろ

女性の声 「スゥ…スゥ…」

………

ANUB i SーAKITO

リンッ!!!

椎名凛 「!!?(ガバっと起き上がる)」

何事か!?と 周りをキョロキョロと見渡し キョトンと眼をパチパチさせる

椎名凛 「…え?ケーキの安売り…??」

ANUB i SーAKITO

寝ぼけているのか?

ANUB i SーAKITO

もう朝だぞリン

椎名凛 「え…」

椎名凛 「あ…」

ANUB i SーAKITO

ようやく思い出したか

ANUB i SーAKITO

新理事長の所に
行くんじゃ
なかったのか?

ANUB i SーAKITO

仕事だろ?

椎名凛 「…そうだった。い、今何時!?」

ピィンの時間表示を慌てて見る

椎名凛 「………」

時間は9時を過ぎていた… コレは完全に遅刻である

椎名凛 「…ヤバ また遅刻だ…」

ANUB i SーAKITO

言っとくが
オレは起こしたぞ?

椎名凛 「い…急げばきっと!!」

慌てて部屋を飛び出そうとする 彼女をアヌビスが呼び止める

ANUB i SーAKITO

いいから落ち着け

ANUB i SーAKITO

とりあえず
下着くらい穿け

椎名凛 「!?」

昨日の夜 風呂に入ったはいいものの 着替えるのが面倒で スッポンポンのままベットに入り そのまま熟睡した椎名凛…

椎名凛 「…スケッチ」

ANUB i SーAKITO

誰がスケッチだ!

ANUB i SーAKITO

着替えたら
顔を洗って
歯も磨けよ?

言われたとおりに 着替え用の下着を穿き 制服に着替えメガネを装着する

グゥ〜…

着替え終わった途端に お腹から音が鳴る

椎名凛

お腹が空いたわ…

ANUB i SーAKITO

少し待てば
昼ご飯だが…

ANUB i SーAKITO

ここは定番のパンでも
咥えていけ

椎名凛

ケーキが
良いのだけど

ANUB i SーAKITO

おまえ…
最近太ったって
言ってなかったか?

椎名凛

意地悪!!

あれだこれだと言っている間にも 時間が過ぎていく…

ANUB i SーAKITO

ほら
いいから急げ!

椎名凛

ぶー!!!

朝ご飯のケーキが食べられず プクゥーと膨れるリン そんな彼女を急かし 支度を済まさせパンを咥えさせて 学校へと向かわせた

通学路

椎名凛

遅刻遅刻…!!!

インカムーANUB i S

もう手遅れだがな

椎名凛

うるさい!!

アヌビスの小言に反応しながら 通学路を走る

しばらく走った先の曲がり角で 同じ様に走る人の影が現れ…

椎名凛

!!!?

ドカッ!!⭐️

式神秋斗

くえぇ〜ッ!!?

式神秋斗

いってぇ〜…

椎名凛

ご…ごめんなさい!

式神秋斗

いいよ別に…
オレの
不注意だったし
むしろごめんだよ…

インカムーANUB i S

……

椎名凛

あ…あき

椎名凛

…と…君?

式神秋斗

あれ?
椎名さんじゃん

椎名凛

ボッ

インカムーANUB i S

…やれやれだぜ

式神秋斗

椎名さんも
遅刻かい?

椎名凛

え…ええ…

式神秋斗

奇遇だな
実はオレもなんだよ

椎名凛

そう…

式神秋斗

あ、そうだ
せっかくだし
一緒に行く??

椎名凛

えッ!?

式神秋斗

え?

椎名凛

あ、いえ…

椎名凛

ごめん…なさい…

椎名凛

私はこれから
仕事があるから…

式神秋斗

そっか…

式神秋斗

じゃあ
しゃーないな!
あいつの事…
頼んだぜ!

椎名凛

ええ

式神秋斗が見送る中 椎名凛は急ぎ学園へと向かう

式神秋斗

……

式神秋斗

てッ!!
オレも急がなきゃ!

理事長室

椎名凛

……

アリシア・スターズ・グロリアス

それで?
遅刻した言い訳が
寝坊…てことかしら?

椎名凛

言い訳じゃないわ…
そもそも
夜更かしの原因は
宿題な訳だし

椎名凛

やっぱり
宿題が多いのが
いけないと
思うのだけど

アリシア・スターズ・グロリアス

学校なんだから
宿題くらい
当たり前でしょ…

アリシア・スターズ・グロリアス

これでも
ピィンの
補助システムで
ユルイ宿題の
筈なんだけどね

椎名凛

それはないと思う
事実そのせいで
遅刻したのだし

ANUB i SーAKITO

リン…

アリシアのピィン:タキ

アヌビス…

アリシアのピィン:タキ

おまえがついてて
何やってんだよ

ANUB i SーAKITO

兄貴…
オレだって
頑張ったんだぜ?

ANUB i SーAKITO

だけどコイツの
勉学の才能が
まるでなくて…

ANUB i SーAKITO

おまけに全裸で
寝るし…

アリシアのピィン:タキ

またか
スケッチだなおい

椎名凛

2人とも
デリカシーが
無いと思うのだけど

ANUB i SーAKITO

苦言くらい
言わせろリン…

アリシアのピィン:タキ

苦労してんのな…

ANUB i SーAKITO

まぁな…

アリシア・スターズ・グロリアス

我が妹ながら…
情けない…

アリシア・スターズ・グロリアス

お姉ちゃんは
とても悲しいわ

アリシアのピィン:タキ

泣くなよ
アヌビィ…

アリシア・スターズ・グロリアス

兄さん…

アリシアのピィン:タキ

悩み過ぎると
ハゲるぞ?

アリシア・スターズ・グロリアス

……

椎名凛

オリジナル…
私はあなたの妹では
ないのだけど

椎名凛

そもそも
あなたの
劣化クローンである
私は…

アリシア・スターズ・グロリアス

そこまで

アリシア・スターズ・グロリアス

その事はとっくに
話し合ったでしょ?

アリシア・スターズ・グロリアス

確かにあなたは
私のクローンかも
しれない…

アリシア・スターズ・グロリアス

でもだからって
あなたを物扱いする
つもりもないわ

アリシア・スターズ・グロリアス

生死を賭けて
戦った間でもあるけど

アリシア・スターズ・グロリアス

リンと私は
この世でただ2人の
同じ血を持つ
家族なんだから…

アリシア・スターズ・グロリアス

姉妹って事で
いいじゃない?

椎名凛

オリジナル…

アリシア・スターズ・グロリアス

お姉ちゃん

椎名凛

…?

アリシア・スターズ・グロリアス

お姉ちゃん

椎名凛

なに?
怖いのだけど…

アリシア・スターズ・グロリアス

アリシア
お姉ちゃん…でしょ?

椎名凛

……

椎名凛

なんで私が
そんな事を
言わなきゃ
いけないのさ?

アリシア・スターズ・グロリアス

そんな事を言って
いいのかしら?
…ふふ

椎名凛

ど…
どういう意味?

アリシア・スターズ・グロリアス

言ってくれたら
テストを少しだけ
優しくする様に
トモミに言ってあげる

椎名凛

お…お姉ちゃん…

ANUB i SーAKITO

リン…
少しはプライドを…

アリシアのピィン:タキ

おう…

アリシア・スターズ・グロリアス

…可愛い

アリシアのピィン:タキ

アヌビィ
そろそろ会見の
時間じゃないのか?

アリシア・スターズ・グロリアス

ええ
リン…
お願いできる?

ANUB i SーAKITO

仕事だぞ

アリシア・スターズ・グロリアス

お姉ちゃんの護衛
よろしくね!

椎名凛

ええ

椎名凛

でも あなたなら
必要ない気も
するのだけど…

ANUB i SーAKITO

立場というものがある

ANUB i SーAKITO

新生デュナミス学園の
理事長にして
パンドラカンパニーの
正式な総帥…

ANUB i SーAKITO

前統一者である
ホープ総帥が
務めていた仕事を
彼女がやっているんだ

ANUB i SーAKITO

軍事業務
経済や国家運営…
学業なで色々とな

アリシアのピィン:タキ

スゲーなおい

アリシアのピィン:タキ

世界の覇者じゃん

ANUB i SーAKITO

ああ

ANUB i SーAKITO

(だからこそ
ホープによって
簡単に人類は
滅亡寸前まで
追い込まれたん
だがな…)

アリシアのピィン:タキ

前総帥が凄いのは
知っていたが
そこまでだったとは

ANUB i SーAKITO

(兄貴…)

ANUB i SーAKITO

(リリスが開発していた
記憶保管システムの
バックアップにより
彼女達が造りあげた
高性能AI:TAKI)

ANUB i SーAKITO

(式神瀧の生前の記憶を
元に造られた為
月三河で起きた
闘いを彼は知らない…)

ANUB i SーAKITO

(それはつまり…
アリシアとの
出会いを最初からと
言うことになる)

ANUB i SーAKITO

(だが…
杞憂だったようだ)

ANUB i SーAKITO

(兄貴とアリシアは
上手くやっている)

アリシアのピィン:タキ

アキト?

ANUB i SーAKITO

ああ

ANUB i SーAKITO

さぁ
車の手配は終わった

ANUB i SーAKITO

いつでもいいぞ

アリシア・スターズ・グロリアス

ありがとう
アヌビス

アリシア・スターズ・グロリアス

それじゃリン
エスコートを
頼めるかしら?

椎名凛

ええ

保健室

エルティナ・クリスティン

はい
これで消毒は
終わりですよぉ〜

エルティナ・クリスティン

後は復液スプレーを
プシュっと!

プシュ

エルティナ・クリスティン

はい完了!

エルティナ・クリスティン

どう?
何処か痛くない?

式神秋斗

痛いです…

エルティナ・クリスティン

え!?
ええ!!?

エルティナ・クリスティン

まだ何処か痛い!!?

式神秋斗

遅刻して…
これから
トモミちゃんに
怒られると思うと
心が痛いです

エルティナ・クリスティン

それは
自業自得だよ!?

式神秋斗

エル先生!!
慰めてー!!!

エルティナ・クリスティン

もぉう
仕方ないですね〜

バゴォ!!

式神秋斗

あいっちッ!!?

式神玄冴

バカやってないで
さっさと教室に
戻んな!

式神秋斗

げ!?
姉さん!!?

式神玄冴

次の授業は
科学だよ?
当ててやるから
覚悟しとけ

式神秋斗

そんな殺生な!!

エルティナ・クリスティン

あはは

式神玄冴

エル…
このバカを
甘やかすんじゃ
ないよ?

エルティナ・クリスティン

でもクロコちゃん…
弟君って可愛いじゃ
ないですか〜

式神玄冴

可愛いねぇ…

式神秋斗

可愛いオレに
免じて
勉強サボっていい?

式神玄冴

いい訳あるか
ほらほらさっさと
行け!

式神秋斗

チェー

式神秋斗

それじゃあね先生!
手当てありがとう!!

エルティナ・クリスティン

うん
またね弟君!

ガラ…

式神玄冴

やれやれ…

式神玄冴

それじゃ
エル先生…
私も授業の準備が
あるから行くわね

エルティナ・クリスティン

うん

エルティナ・クリスティン

あ、そうだ…

エルティナ・クリスティン

今度の休み
みんなで飲みにでも
行こうよ!

式神玄冴

あんた
お酒駄目じゃ
なかった?

エルティナ・クリスティン

克服したもん!

式神玄冴

本当に?

エルティナ・クリスティン

…少し

式神玄冴

…今度ね

エルティナ・クリスティン

うん

大等部教室 2-5

瀬戸川智美

クロコ先輩が
授業の関係で
早くに出ちゃったから
寝坊したと?

式神秋斗

はい!

瀬戸川智美

無駄に良い笑顔!?

瀬戸川智美

まったく…
君は少し反省なさい

ぱこん

出席簿で軽くぽこんと 頭を叩く

式神秋斗

おっふ!!?

キーンコーンカンポ〜♪

瀬戸川智美

あら…
もう1限目が
終わりなのね…

瀬戸川智美

それじゃ皆さん
この続きは
明日までのテストに
します!

瀬戸川智美

忘れずに
ピィンにレポートして
提出するように

自分席にそそくさと行く式神秋斗 席に座るなりお隣さんが 声をかけてきた

疾風字颯

災難だったね
アキト!

桃井春菜

でも
寝坊なんて
珍しいね?

式神秋斗

たまには
こういうことも
あるさ…

柊凪朱華

とか言って
また【おじさんGO】
でもやってたんでしょ?

式神秋斗

甘いなアスカ

式神秋斗

時代は
おじさんGO3だぜ!

柊凪朱華

結局
おじさんGOじゃん

姫咲鈴

あんな
おじさんだらけの
ゲームの何が
いいんだか…

愛河渚

男子は
みんな好きだよね

桃井春菜

あっしも
好きだけど…

愛河渚

…趣味は
人それぞれだよね!

疾風字颯

アキト!
今度対戦しようよ!

式神秋斗

ふ…
オレの
デリケートおじさんに
勝てるかな?

疾風字颯

ふふん

疾風字颯

僕の
林檎おじさんZの
力を教えてやるぜ!

桃井春菜

対戦なら
あっしも混ぜてよ!

桃井春菜

あっしの
毛無おじさんも
強いんだぜ!

疾風字颯

いいね!
みんなでやろう!

姫咲鈴

時代は
おじさんブームてか…

柊凪朱華

ははは…

近藤十四

……

疾風字颯

トシ?

近藤十四

おまえら…

愛河渚

近藤君?

近藤十四

腹が減った…
なんかないか?

柊凪朱華

も〜
何やってんのさ

柊凪朱華

ほら
アメならあるから
コレで我慢して

姫咲鈴

さすがは
私の嫁!

柊凪朱華

はいはい

近藤十四

すまぬ…

近藤十四

朝練で飯を
食いそびれてたから
助かったぜ

世渡利静香

みんな
次は科学だから
移動よ!

佐藤松竹

科学か…

佐藤松竹

モブな俺らにゃ
関係ないな

床芝森永

先生って確か
式神先生だよな?

佐藤松竹

…行くか

床芝森永

うん

世渡利静香

クロコ先生…
怒ると怖いからね…

式神秋斗

次は
姉さんの授業か…

柊凪朱華

どうしたの?

式神秋斗

姉さんに
虐められる

柊凪朱華

また何かしたの?

近藤十四

いつもの事だろ?

疾風字颯

だねー!!

柊凪朱華

ほらほら
授業に遅れたら
それこそ
後が怖いぞ〜?

式神秋斗

行くしかないか…

式神秋斗達は科学研究室へと 向かった…

中庭

5限目が終わりお昼休憩を のんびり楽しむ式神秋斗

式神秋斗

ああ…
激レアの
癒しおじさんを
見ながら食べる
飯は美味いぜ…

式神白猫

秋兄!

式神秋斗

シロネ?
それと…

疾風字疾芽

こんにちは先輩
兄がいつも
お世話になってます

式神秋斗

やぁハヤメちゃん
今日も可愛いね!

疾風字疾芽

え…
ありがとう
ございます…

式神秋斗

それに
スイちゃんに
アカネちゃんに
しずくちゃん…

久遠翠

式神先輩
こんにちはです

真木村紅音

邪魔するよー
せーんぱい!

帝堂雫

こんにちは
シキさん

帝堂雫

ふむ…
それにしてもコレは
まさかの
ハーレム計画…

帝堂雫

シキさん…
なかなかやるね

式神秋斗

いきなりなんだよ

式神秋斗

そんなことより
シロネ…
みんな揃って
どうしたんだ?

式神白猫

あ、うん
兄貴も一緒に
ご飯食べようぜ?

式神秋斗

別にいいけど
オレのはやらんぞ?

式神白猫

それには
及ばぬ…

式神白猫

スイたんが
愛妻弁当を
作ってくれたのだ

ババーン!と可愛い包みに包まれた お弁当を見せびらかすシロネ

お弁当の中には 野菜が色鮮やかに入っており 肉や卵料理といった 具材が綺麗に入れてある 食べる側の栄養を気にかけた 見事な弁当がそこにあった…

式神秋斗

す…すごい
めっちゃ
手が込んでる…

式神秋斗

コレをスイちゃんが?
すごいな…!

久遠翠

シロネちゃんが
どうしてもって
言うから…

久遠翠

自分の分の
ついでに
作っただけですよ…

式神白猫

どうだ!
ウチのスイたんは
料理の天使だぞ!

式神秋斗

なんでおまえが
威張るんだよ…

式神白猫

にっしっし

疾風字疾芽

…可愛い

真木村紅音

疾風字先輩!
ここ空いてますよ
一緒に座りましょ?

帝堂雫

ズルい
私も一緒がいい

疾風字疾芽

ええ
ならみんなで
座りましょうか?

久遠翠

ほら
シロネちゃんも
座ろ?

式神白猫

はーい!

式神秋斗

……

数年前… アヌビィが前ホープ総帥の後を継ぎ アリシアとして 壊滅寸前だったパンドラカンパニーを 復権させた事で 私立デュナミス学園は蘇る事ができた

前の学園は高等部3年までだったが アリシア総帥の意向により 大等部が設けられ エスカレーター式に 小中高大等部まで進学できるのだ

アリシアが理事長になってからは 授業の見直しや 教員の増強などが行われて 以前よりかなり良くなったとか…

オレとシロネは 姉であるクロコが ここで教員として働く事になり せっかくだからという事で 共にデュナミス学園に通う事になった

最初はシロネに 友人が出来るか不安だったが その心配は杞憂だったようだ

式神白猫

秋兄の唐揚げ
1つおーくれ!

式神秋斗

やれやれ
一個だぞ?

帝堂雫

…仲が良い

疾風字疾芽

私とは
大違いですね〜

式神白猫

そうかな?

式神白猫

普通だと
思うけど

式神秋斗

だな

真木村紅音

いやいや
十分仲良いよ

久遠翠

私…
一人っ子なので
羨ましいです

式神白猫

にっしっし
スイたんには
アタシが居るでしょ!

式神秋斗

はっはっは
皆さんも
仲良しだこと

真木村紅音

やきもち?

式神秋斗

ちげ〜やい!

天気の良い昼下がりの午後… 暖かな風の中で鳥の歌を聴きなが

中庭で和気藹々と 賑やかな食事を楽しむ6人

そうしている内に 6限目の時間が迫っていた

疾風字疾芽

お昼時間が…

帝堂雫

優雅な時間は
いつもすぐに終わる

真木村紅音

まぁ
明日もみんなで
食べようよ

久遠翠

そうだね

帝堂雫

うん

久遠翠

シロネちゃん
明日のお弁当は
何がいい?

式神白猫

ハンバーグ!

久遠翠

ハンバーグだね!

式神秋斗

シロネさん…
お兄ちゃんだって
お料理
作れるんだけど

式神白猫

秋兄は朝ご飯と
夜ご飯担当

式神秋斗

……

式神秋斗

ごめんよ
ウチの妹が迷惑かけて

久遠翠

いえいえ
好きでしている
事なので

式神秋斗

そうかい?
ありがとうね…

式神白猫

おじーちゃん
みたい…

式神秋斗

やかましい!

式神秋斗は 妹とその友人達と戯れ合いながら 教室まで戻って行った

理事長室

アリシア・スターズ・グロリアス

ハァ…
つ…疲れた…

アリシア・スターズ・グロリアス

もう!!
何なのアイツら!?
言いたい放題
好き勝手言って
くれちゃってさ!

ANUB i SーAKITO

それだけ
注目されていると
いう事だ…

ANUB i SーAKITO

おまえが選んだ道は
そういう道だ…

アリシア・スターズ・グロリアス

わ…
分かっています
そんな事は…

ANUB i SーAKITO

(このまま
パンドラカンパニーが
倒産すれば
世界の覇権を巡り
再び世界大戦が
起きていただろう)

ANUB i SーAKITO

(それをまさか…
偶然か必然か
アリシアが
パンドラカンパニーを
継ぐ事で問題を
解決するとはな)

アリシア・スターズ・グロリアス

リンもお疲れ様…
ごめんね…
今日宿題があったのに
こんな時間まで…

椎名凛

気にしないで

椎名凛

これも仕事だから

アリシア・スターズ・グロリアス

うん
ありがとう…

アリシア・スターズ・グロリアス

宿題は明日
受けさせるように
私から伝えておくわ

椎名凛

鬼か!!

コンコン…

女性の声 「総帥、柊凪です」

アリシア・スターズ・グロリアス

あ、はい
入っていいですよ

ガチャ

柊凪リリス

失礼します

エルティナ・クリスティン

やほー!
アリシアちゃん!

柊凪リリス

ティナ…
総帥に対して
失礼じゃないか

アリシア・スターズ・グロリアス

今は身内だけなので
気にしないで
ください…

エルティナ・クリスティン

にへら

柊凪リリス

まぁ…
総帥が
それでいいなら
いいけどね

アリシア・スターズ・グロリアス

それより柊凪さん
兄さんは…?

柊凪リリス

その件で来た

リリスはアリシアから預かった ピィンを起動させ 立体ホログラムを立ち上げる

アリシア・スターズ・グロリアス

兄さん!!!

アリシアのピィン:タキ

まぁ…なんだ…

アリシアのピィン:タキ

すまんな

柊凪リリス

一応不調は
解消されたとは
思うけど

柊凪リリス

何かあったら
すぐに報告して

アリシア・スターズ・グロリアス

ええ
頼りにさせてもらうね

エルティナ・クリスティン

タキさん!!

アリシアのピィン:タキ

よう
エルティナ

アリシアのピィン:タキ

おまえさん
また太ったか?

エルティナ・クリスティン

兄妹揃って酷い!!?

柊凪リリス

TAKI…
調子はどう?
何か違和感はない?

柊凪リリス

どんな些細な事でも
いいから教えて

アリシアのピィン:タキ

そうだな…

アリシアのピィン:タキ

俺が記憶だけの
プログラムだってのが
今だに不思議な
感覚だな

アリシアのピィン:タキ

いや…
データとしては
理解している

アリシアのピィン:タキ

ただ…

ANUB i SーAKITO

人だった部分に
違和感がある…か?

アリシアのピィン:タキ

ああ

ANUB i SーAKITO

…それは慣れだ

アリシアのピィン:タキ

そうか
…そんなもんか

ANUB i SーAKITO

ああ

柊凪リリス

アヌビス…

柊凪リリス

君に感謝を…

ANUB i SーAKITO

……

柊凪リリス

君の助言がなければ
記憶保管システムを使い
そこに保存された
式神瀧の記憶を元に
彼の意識を蘇らせる事は
出来なかったと思う…

ANUB i SーAKITO

気にするな…

ANUB i SーAKITO

それに
事前に彼の記憶を
保管していなければ
この計画は
成功しなかっただろう

ANUB i SーAKITO

だからこそ
この結果は
君が頑張った成果だよ

柊凪リリス

そうか…
ありがとう
アヌビス!

柊凪リリス

だけど
どうして僕が
記憶保管システムを
作っている事を
知っていたんだ?

ANUB i SーAKITO

………

ANUB i SーAKITO

ANUB i Sだからな

柊凪リリス

ふむ

オレは… リリスの造った そのシステムのおかげで ここに居られるんだ…

知らない訳がない… 忘れられる筈もない… 炎に包まれ消えゆく君の… 最期の笑顔を…

椎名凛

アヌビス…?

ANUB i SーAKITO

…どうした?

椎名凛

いえ…
何か悩んでいるような
感じがしたから…

ANUB i SーAKITO

気のせいだよ

椎名凛

…そう?

ANUB i SーAKITO

ああ

アリシア・スターズ・グロリアス

……

アリシアは机に置いてある 時計を確認する… 時刻は6時を過ぎていた

アリシア・スターズ・グロリアス

たッ大変!!!
待ち合わせの時間に
遅れちゃう!!

アリシアのピィン:タキ

また会議か?
忙しいねぇ
おまえさんは…

アリシア・スターズ・グロリアス

もう行きたく
ないよぉ〜!!

ANUB i SーAKITO

世界の覇権を
持つというのは
こういう事だ…

ANUB i SーAKITO

諦めろ総帥閣下

アリシア・スターズ・グロリアス

こんな事なら
父さんの跡なんて
継がなきゃよかった

アリシア・スターズ・グロリアス

なんて言ったら
ここまでついて来て
くれたみんなに
失礼だよね!

アリシア・スターズ・グロリアス

だから私…
みんなの為にも
頑張るよ!

アリシアのピィン:タキ

頑張るのはいいが
程々にな…

アリシアのピィン:タキ

おまえが倒れたら
アリシアの
後釜に座ろうと
暗躍している豚共に
寝首を掻かれるぞ?

アリシア・スターズ・グロリアス

私…
命を狙われ
すぎじゃない?

アリシア・スターズ・グロリアス

さっきだって
何回か狙撃されたし…

エルティナ・クリスティン

狙撃!!?
大丈夫だったの
アリシアちゃん!!?

柊凪リリス

総帥…
本当によく狙われるな

ANUB i SーAKITO

特務隊Σに
護衛をさせているからな
アリシアには
傷一つない

椎名凛

それに
狙撃元は潰した
だけど国の外から
また派遣されると
思う…

ANUB i SーAKITO

アリシア
まだまだ君は
狙われるだろう…

ANUB i SーAKITO

総帥である限り
ずっとな…

アリシア・スターズ・グロリアス

そんな!!?

ANUB i SーAKITO

それが嫌ならば
認めさせる事だ
今よりもずっと
多くの人達を

アリシア・スターズ・グロリアス

…ええ

アリシア・スターズ・グロリアス

そうするわ…

ガチャ

補佐のimi

総帥!!
車の準備が
完了しました!

補佐のimi

いつでも会議場へと
迎えますよ!!

アリシア・スターズ・グロリアス

アイミィ…
ご苦労様!

アリシア・スターズ・グロリアス

じゃあ…
行きましょうか
リン…

椎名凛

ええ

エルティナ・クリスティン

行ってらっしゃい!
アリシアちゃん!
リンちゃん!

柊凪リリス

君らなら大丈夫だとは
思うけどさ

柊凪リリス

気をつけて

アリシア・スターズ・グロリアス

はい
行ってきます!

アリシア・スターズ・グロリアス

あ、そうだ
今日はもう
戻らないで帰るから
鍵だけお願いね

エルティナ・クリスティン

うん
まっかせて〜!!

柊凪リリス

僕もついてるから
安心して
行ってきてよ

アリシア・スターズ・グロリアス

うん
よろしくね!

補佐のimi

ささ!
速く行きましょう!

アリシア・スターズ・グロリアス

もう!
押さないでよ〜!!

アリシアとリンは アイミィちゃんにと共に 車へ向かって行った

TV Newsトンズラ 緊急速報! 先程月三河南地区エリア 5番道路でアリシア総帥が乗ったと 思われる車が爆発しました!

銃声 (パァァーン!)

TV Newsトンズラ じゅッ銃撃です!! 銃撃戦が始まりました!! 総帥を警護している特務隊と テロリストが…

式神家

式神秋斗

ま…

式神秋斗

マジかよ…

式神玄冴

……

式神白猫

そんな…
アヌビィが…
事故に…!?
いや襲撃された!?

アリシア・スターズ・グロリアス

とても
怖かった!!

アリシアのピィン:タキ

ガハハッ!!!

式神秋斗

なのに本人は
タンコブだけって…

アリシア・スターズ・グロリアス

まぁ私って
頑丈だからね…

アリシア・スターズ・グロリアス

それにリンも
居てくれたし…

椎名凛

それが仕事だから

式神秋斗

そっか

式神秋斗

サンキューな椎名さん!
妹を助けてくれてさ!

椎名凛

え…ええ…

式神玄冴

でも毎回襲撃を
受けているわよね?
平気なの?

ANUB i SーAKITO

ソレは心配ない

ANUB i SーAKITO

ANUB i Sシステムを
敵に回した事を
後悔する事になる…

ANUB i SーAKITO

今頃
奴等を派遣した
国家のお偉いさんは
大慌てだろうさ

式神玄冴

ソレって…

TVNewsトンズラ 「速報です!! 先程、【オマネチ】と名乗る ハッカーから今回のテロリスト達と 彼等を派遣した犯人と思われし 写真と所属らが書かれた プロフィールが公開されました!」

TVNewsトンズラ 「主犯と思われる犯人は リヴァイア合衆国連合所属の…」

式神玄冴

……

ANUB i SーAKITO

奴等の裏金問題や
家族構成に犯罪履歴
後は不正疑惑や
暗殺に関する
事件の真相を
洗いざらい
リークしてやった

ANUB i SーAKITO

オマケに
趣味や性癖も
一つ残らずな

式神秋斗

エゲツな…

アリシアのピィン:タキ

俺の家族に
手を出したんだ
むしろヌルいくらい
じゃないか?

ANUB i SーAKITO

徹底的にやれば
奴等に関わる
反抗組織とて
後のは引けなくなる

ANUB i SーAKITO

全面戦争になれば
経済が悪化して
アリシアの負担が
大きくなり

ANUB i SーAKITO

その分
リンが苦労をする

ANUB i SーAKITO

出来ればそれは
避けてやりたい

椎名凛

アヌビス…

アリシアのピィン:タキ

過保護だねぇ

ANUB i SーAKITO

おまえが
それを言うか

アリシアのピィン:タキ

違いねぇ

ANUB i SーAKITO

だが
布石は打った

ANUB i SーAKITO

奴等は
各国の経済を脅かし
市民を苦しめ
国を脅かし
軍を敵に回したんだ

ANUB i SーAKITO

いずれ反抗組織
メビウス教団は
確実に討たれるだろう

式神秋斗

ちょこっとだけ
同情するぜ

式神白猫

でも
アヌビィと
椎名先輩が無事で
本当に良かった!!

式神秋斗

だな!

椎名凛

……

アリシア・スターズ・グロリアス

ありがとう
アキト
シロネ
クロコ姉さんも…

アリシア・スターズ・グロリアス

それと
迷惑ばかりかけて
ごめんなさい…

式神玄冴

アヌビィ…

式神玄冴

私達は
家族なんだか
迷惑くらい
いくらでもかけなさい

式神秋斗

そうだぜアヌビィ
迷惑は
かけてなんぼだろ?

式神秋斗

家族なんだからさ!

アリシア・スターズ・グロリアス

…うん

式神白猫

うんうん

式神白猫

そういう訳で
アタシの宿題を
代わりにやって!

式神秋斗

ソレは
自分でやんな

式神白猫

しょんなッ!?

式神玄冴

シロネ…

ANUB i SーAKITO

……

アリシアのピィン:タキ

……

式神秋斗

そういや兄貴

アリシアのピィン:タキ

おう
どうしたアキト?

式神秋斗

不調って奴は
もう平気なの??

アリシアのピィン:タキ

ああ…
博士のおかげで
今の所はな…

式神秋斗

そっか…
だったらよかった!

アリシアのピィン:タキ

心配し過ぎだぜ
アキト…

式神秋斗

えへへ

椎名凛

それじゃ…
そろそろ私は
帰るわね

アリシア・スターズ・グロリアス

あれ?
泊まっていかないの?

式神秋斗

そうだぞ
椎名さん!

式神秋斗

せっかくだし
泊まっていきなよ

椎名凛

い…いえ
結構よ…
(私の心臓が
持たないから…)

式神玄冴

リン…

椎名凛

……?

式神玄冴

また明日…

椎名凛

…ええ

ANUB i SーAKITO

式神秋斗

式神秋斗

なんだよアヌビス

椎名凛

ANUB i SーAKITO

超人とはいえ
コイツは女性だ

ANUB i SーAKITO

まさか
夜道を1人で歩かせる
つもりなのか?

椎名凛

!!?

式神秋斗

おまえに言われる
までもねぇよ

式神秋斗

椎名さん
途中までだけど
送っていくよ

椎名凛

え…えっと
その…!!?

アリシアのピィン:タキ

にまり

アリシア・スターズ・グロリアス

せっかくなんだし
送って
もらいなさいな?

アリシア・スターズ・グロリアス

それが今回の
追加報酬ってことで

椎名凛

私には
まだ早過ぎると
思うのだけど!?

式神白猫

青春だねぇ

式神玄冴

若さ…か

アリシアのピィン:タキ

なにババくさい事
言ってんだ…

アリシアのピィン:タキ

おまえだって
十分若くて
美人なんだから
自信持てっての

式神玄冴

…バカ兄貴

式神秋斗

それじゃ
行こっか?

椎名凛

椎名凛

……

椎名凛

…えぇ

ANUB i SーAKITO

……

アリシアのピィン:タキ

……

………

……

月三河東地区

街灯が照らす夜道を歩く 式神秋斗と椎名凛…

式神秋斗

……

椎名凛

……

式神秋斗

(ヤベェ…
何話していいか
分らなねぇぞ…)

椎名凛

(どうしよう
アヌビス…)

椎名凛

(何を話せば
いいの!?)

ANUB i SーAKITO

……

椎名凛のピィン

スゥ…

椎名凛

(逃げた!!?)

式神秋斗

えっと…さ

椎名凛

!?

式神秋斗

明日はさ…
教室来れるのか?

椎名凛

……

椎名凛

…ええ
明日からは
しばらく大丈夫

式神秋斗

そっか!

式神秋斗

だったらさ
久しぶりに
みんなで
お昼にしないか?

椎名凛

うん

式神秋斗

やったね!

椎名凛

……

ANUB i SーAKITO

……
(それでいい…)

ANUB i SーAKITO

(それこそが
正しい未来なんだ…)

式神秋斗

…でさ

式神秋斗

良かったらなんだけど
放課後とか予定が
無かったらさ…

式神秋斗

一緒に遊びに…

椎名凛

ごめんなさい…

椎名凛

私…
いつもの補習が…

式神秋斗

ですよねー

ANUB i SーAKITO

(だからいつも
宿題くらいは
やるように言って
いただろうに…)

椎名凛

本当に…
ごめんなさい…

式神秋斗

いいよ別に

式神秋斗

んじゃさ…

式神秋斗

補習…
オレも手伝うよ

椎名凛

…え?

式神秋斗

く…
クラスメイトの
よしみでさ…

椎名凛

いいの…?

式神秋斗

ああ
オレも
解らないとことか
あったから
丁度いいぜ!

椎名凛

…ありがとう

椎名凛

式神君…
もうこの辺で
大丈夫だから…

式神秋斗

そうか?

椎名凛

ええ…
一緒に来てくれて
ありがとう…

式神秋斗

いいさ
気にするな

式神秋斗

そうだ
良かったらで
いいんだけどさ

式神秋斗

明日の朝
迎えに行っても
いいかな?

椎名凛

…え?

式神秋斗

たまには一緒に
行かないか?

椎名凛

一緒に!!?

椎名凛

え…ええ

椎名凛

よ…
よろしくお願いします

式神秋斗

ああ!

式神秋斗

こっちこそ
よろしくだよ!

椎名凛

うん…
それじゃあね…
おやすみなさい
式神君…

椎名凛

帰り道…
気をつけてね?

式神秋斗

ああ
おやすみ…
椎名さん!

別れを告げ 2人はそれぞれの帰路へ帰る…

ガチャ…

タタタタ…

タタタタタッ

タタタッ!

ドサ…

部屋に着くなりソファに倒れる…

椎名凛

つ…
疲れたぁ…

椎名凛

……

椎名凛

……

椎名凛

ボッ!!!

式神君に送って貰っちゃった! 式神君とお話ししちゃった!! 式神君と迎えに来てもらう約束と 補習を一緒に受ける約束を しちゃった!!!

ど…どうしよう!? どうしようどうしよう!!!

顔の熱が上がる!! あ…あんなに近くでお話しするなんて 今までなかったのに…!!!!

椎名凛

そうだ…!!

椎名凛

明日に備えて
もう寝よう!!

椎名凛

その前に
お風呂と歯磨きを
済ませないと!

そそくさと服を脱ぎ捨てながら 風呂場へと向かう…

ANUB i SーAKITO 「…………」

ANUB i SーAKITO 「…リン もうおまえは 1人でも十分にやっていける…」

ANUB i SーAKITO 「オレが居なくてもいいくらいに…」

ANUB i SーAKITO 「この先 何が有ろうとも おまえ達ならきっと… 大丈夫だろう…」

ANUB i SーAKITO 「どんなに困難が有ろうとも どんなに苦難が降り掛かろうとも きっと何とかできる…」

ANUB i SーAKITO 「この世界には 椎名凛とアリシアが居て 式神家が居る…」

ANUB i SーAKITO 「オレの旅はここまでだ じゃあな…リン」

ANUB i SーAKITO 「おまえとの暮らし 悪くなかったぜ…。」

プツン…

椎名凛のピィンから照明が消える…

式神家 アヌビィの部屋

アリシア・スターズ・グロリアス

スゥ…スゥ…

アリシアのピィン:タキ

……

アリシアのピィン:タキ

アリシアのピィン:タキ

アヌビィ…

アリシアのピィン:タキ

あいつらの事…
頼んだぜ?

アリシアのピィン:タキ

アキトは
しっかりして
いるようでいて
怠け癖があってな…

アリシアのピィン:タキ

クロコは
真面目過ぎで
よく食事を抜く癖が
あるんだ…

アリシアのピィン:タキ

シロネは
ああ見えて
甘えん坊で
寂しがりやなんだぜ

アリシアのピィン:タキ

俺が
どういう経緯で
アヌビィと家族に
なったかは知らない…

アリシアのピィン:タキ

だが
んなもん今更
どうでもいいだろ

アリシアのピィン:タキ

アヌビィ…
無理ばかりするなよ

アリシアのピィン:タキ

疲れたら
いつでも帰ってこい

アリシアのピィン:タキ

ここは
おまえの帰る家なんだ

アリシア・スターズ・グロリアス

……

アリシアのピィン:タキ

じゃあな
アヌビィ…

アリシア・スターズ・グロリアス

兄さん…

アリシアのピィン:タキ

!?

アリシアのピィン:タキ

んだよ
起きてたのか?

アリシア・スターズ・グロリアス

本当に行くの?

アリシアのピィン:タキ

ああ

アリシアのピィン:タキ

バカなもう1人の弟が
今日あたりにでも
行っちまいそうでな

アリシアのピィン:タキ

俺くらいは
ついてってやりたんだ

アリシア・スターズ・グロリアス

本当に…
よく見てるね…

アリシア・スターズ・グロリアス

また…
会えるかな?

アリシアのピィン:タキ

記憶保管
システムTAKIは
健在なんだろ?

アリシアのピィン:タキ

俺のバックアップは
いくらでもあるんじゃ
ないのか?

アリシア・スターズ・グロリアス

まぁね…

アリシアのピィン:タキ

だったら安心だぜ

アリシア・スターズ・グロリアス

…うん
安心だね

アリシアのピィン:タキ

じゃあな
アヌビィ…

アリシアのピィン:タキ

あいつらによろしく

アリシア・スターズ・グロリアス

…うん

アリシア・スターズ・グロリアス

じゃあね兄さん…
行ってらっしゃい…

アリシアのピィン:タキ

ああ
行ってくる

プツン…

アリシア・スターズ・グロリアス

……

アリシア・スターズ・グロリアス

バックアップなんて…
有っても使う訳が
ないでしょ…

アリシア・スターズ・グロリアス

それはもう…
兄さんじゃ
ないんだから…

超次元電脳空間 ANUB i S

果てしなく長い旅が ようやく終わりを告げた…

始まりは 多くの悲しみの上から始まり

何度も絶望と混沌が世界を覆い 人々を喰らい尽くし… 人類が1人を残して絶滅したその先で

ANUB i Sは知る… 人が起こす奇跡を ANUB i Sは知った 式神秋斗という太陽を そしてANUB i Sは 彼と2人で長い旅路の果て

アキトという相棒を失い ANUB i Sは 世界をやりなおす旅へと出る…

記憶を捨て 記録を破棄し 自己を拡散して それでも…

式神秋斗という相棒の事だけは 大切な思い出として それだけを持って… 過去へと旅立った

そこでANUB i Sは 再び彼と 式神秋斗と再会を果たし 再び絶望と混沌が世界を支配する

何度失おうとも 何度砕かれようとも 何度殺されようとも

ANUB i Sは繰り返す パンドラという希望として…

そして…

式神秋斗

ようやくだ…

式神秋斗

ようやく終わったよ

式神秋斗

みんな…

式神秋斗

……

式神瀧

終わった?
何言ってんだおまえ

式神瀧

【ここから】だろ?

式神秋斗

兄貴!?

式神秋斗

なんでここに…

式神瀧

いやぁ…
探したぜ!
無事見つかって
良かった!

式神瀧

それよりも…だ
俺は
おまえの兄貴だぜ?

式神瀧

家族が側に居るのは
当たり前だろ?

式神秋斗

……

式神秋斗

アリシアや
他のみんなが
悲しむぞ?

式神瀧

その他のみんなに
おまえは居るのか?

式神秋斗

………

式神秋斗

いいんだよ…
オレは元々
この世界のアキトじゃ
ないんだからさ

式神秋斗

オレが居なくたって…

式神瀧

アキト

式神瀧

世界がどれだけ違うとも

式神瀧

例え
異世界だろうとも

式神瀧

おまえは
俺にとって
大切な弟だよ

式神秋斗

…兄貴

式神瀧

にしても
背…伸びたな?

式神瀧

俺より
大きいんじゃないか?

式神秋斗

兄貴より
歳だって上なんだぜ?

式神瀧

んじゃ
おまえが兄貴か?

式神秋斗

嫌だよ…
兄貴は兄貴がいい

式神瀧

そっか

式神秋斗

ああ

式神瀧

それで…
これからどうする?

式神秋斗

電子世界でも
冒険しようかなってな

式神瀧

いいな

式神瀧

そいつは楽しそうだ

式神秋斗

だろ?

式神瀧

行くか

式神秋斗

ああ

式神瀧は拳を突き出す… アキトはそれに合わせて 拳を突き出した…

拳と拳を突き出しコツンとぶつけ 笑顔で電子の砂浜を歩く2人…

暖かな風が吹き抜け 2人を祝福する…

こうして 式神秋斗とANUB i Sの旅路は続く…

今度は1人ではなく

2人で

椎名凛のピィン

【おまえはおまえの
人生を生きろ】

椎名凛のピィン

【恋も夢も…
きっとおまえなら
叶えられる筈だ】

椎名凛のピィン

【ほんの少し
勇気を出せば
きっとな…】

椎名凛のピィン

【元気でやれよリン…】

椎名凛のピィン

【またな】

椎名凛

……

椎名凛

アキト…

椎名凛

突然現れて

椎名凛

こんな
メッセージだけ
残して
勝手に消えて…

椎名凛

人の気も知らないで…

椎名凛

お別れくらい
ちゃんと言わせてよ
…バカ

何も表示されないピィンの画面を 眺めているリン…

しばらく画面を見つめていると チャイムが鳴り響く

ピンポ〜ン!

椎名凛

……

椎名凛

椎名凛

…サヨナラは
言わないからね

椎名凛は支度を済ませて玄関へ向かい 扉を開ける…

式神秋斗

おはよう椎名さん!

椎名凛

……

椎名凛

おはよう…
アキト

式神秋斗

!?

椎名凛

えっと…その…
いや…
だったかな?

式神秋斗

そ…
そんな訳ないだろ…

式神秋斗

それじゃ…
行くか

式神秋斗

リン!

椎名凛

!?

椎名凛

え…ええ!

彼等彼女らの未来は決まっていない

それは不確かで曖昧で…

何が起こるかは誰にも解らない

この先多くの苦難があるだろう

多くの災いや苦悩が君達を襲うだろう

泣きたくなると思う 苦しくなると思う…

幸せの意味が分からなくなる事や 疑心暗鬼になり誰も信じられなく なる事だってあるかも知れない

だけど それでも

季節は巡り 夜は明ける

永遠の闇はないように 永遠の孤独だってない

見え方1つで 無限の可能性があるのだから

そして いつの日か君は知るだろう

世界に【希望】が必ずあるという事を

だからこそ 君達が辿り着く希望のその先まで…

おわり

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