この物語はある小説を参考にさせて頂いたものです。
ご本人様とは一切関係ありません。
通報やアンチコメントは辞めてください。アンチコメントは見つけ次第削除させていただきます。
少し暗い内容やBL要素等がありますので、見る場合は自己責任でお願いします。
それではどうぞ
「僕は君と幸せにはなれない」
ゴクゴクゴクッ…
コロン
僕は吐息を漏らし、振り返ってテーブルの上を見た。
そこには白いビニール袋が置いてある。
その中身は洗濯ロープだ。
僕は紐を探していた。適度な長さがあり、丈夫な紐だ。
そうして見つけたのが、この洗濯用ロープだった。
清楚感を漂わせる鮮やかなブルーは、使い道を考えると少し不似合いな気がしたが、他に適当な紐が見当たらなかった。
コロン
僕はおぼつかない足取りでテーブルの前に行き、洗濯ロープを出した。
長さはざっと5mある。あまり太くはないが、僕一人の体重が掛かったぐらいでは切れないだろう。
コロン
室内を見回した。どこかに、このロープを掛けられるような突起は無いだろうか。僕の体重に耐えられるだけの頑丈なものでは無いといけない。
ぐるりと一度顔を巡らせた後、小さく頭を振って椅子に腰を下ろした。
コロン
少し考えれば分かるはずだった。
紐を入手することだけで頭がいっぱいだった自分の迂闊さに、改めて嫌気がさした。
コロン
コロン
ぼんやりとリビングボードの上に目を向けた。
小さな写真立てに入っているのは何年も前に撮ったサトミくんとのツーショットだ。それをずっと飾り続けている。
僕は昔からずっとそうだった。
何をしても上手くいかず、誰とも良い人間関係を築けなかった。
近ずいてくる男の人は多かったけど、どの人も最低だった。
コロン
そう言えばドアノブに首を吊って亡くなったミュージシャンがいた。
自殺か事故かは不明ということだが、死ねるということは確かなようだ。一体どうやったのだろうか。
コロン
さらに残りのロープをドアの上に通し、反対側から引っ張って見たところ、びくともしない。
コロン
垂れ下がっているロープを結び、輪を作った。解けないよう、結び目を何重にもした
椅子をドアの前に移動させ、その上に乗り、ロープの輪を首に通した。
そこでピタッ…と止まった。
コロン
ふと彼の事が気になった。
コロン
コロン
コロン
バッ…と、再び椅子の上に乗り、死のうとした。
プルルルルルルッ…
コロン
携帯の呼出音に驚いてしまい、椅子がガタンッと音がして倒れた。
コロン
運良く尻もちをついただけだった。
コロン
プルルルルルルッ…と、まだ携帯からは呼出音が鳴っている。
多分会社からだろう。欠勤することを今日は伝えていなかった。
電源を切ろうと思い、スマートフォンを手にした。表示されているのは、知らない番号だった。
何となく気になり、出てみた。
コロン
.
男性の声が尋ねてきた。低いが、良く通る声だ。
コロン
答えながら、胸騒ぎを覚えていた。聞いた事がある。この声の主を自分はよく知っている。
.
.
はい、と僕は答えた。心臓の鼓動が速くなっている。
サトミ
コロン
電話を握り締めながら、ドアノブに目をやった。
まぁ、死ぬのはまた今度でいいかもしれない。
コロン
サトミ
指定された場所に来たけど、まだサトミくんは居ないようだ。
一応鞄にはいつ死んでもいいように洗濯ロープやカッターが入っている。
カッターで死ねると思わないが、何かあった時のためだ。
サトミ
コロン
数年ぶりに会う彼は優しい性格は何ら変わっていなかったが、顔立ちは少し大人びて見えた。
コロン
サトミくんはガタッ…と椅子を引いていた手を止めた
サトミ
そう言った彼の薬指には指輪がはめられていた。
コロン
やはり、僕なんかと違って、幸せな道を歩んでいるんだ。
コロン
サトミ
コロン
サトミ
サトミ
コロン
何でッ…?誰にも言っていないし、相談などは以ての外だ。
サトミ
サトミ
コロン
サトミ
サトミ
コロン
サトミ
サトミ
コロン
サトミ
ワシャワシャッ…
サトミ
サトミ
サトミ
サトミ
コロン
コロン
サトミ
サトミ
コツコツコツ…
コロン
僕は周りの目なんて気にせず大声で泣き、
ただただサトミくんの遠ざかっていくばかりの優しい後ろ姿を見つめていた。
僕じゃサトミくんを幸せにはしてあげられなかった。ということだろう。
僕は君と幸せにはなれない
❦ℯꫛᎴ❧
コメント
14件
青くん諦めるなぁぁぁぁ きっと桃くんも青くんのことが好きなはずだぁぁぁぁ 桃くんも何してるんだぁぁぁ 青くんを泣かせるなぁぁぁぁ
続きみたい!
最高です!続きなどは書きますか?