最後の初恋

ｶﾞﾀﾝｺﾞﾄﾝ

僕は青。 高校2年生

毎朝7時32分の電車に乗って 学校へ向かう

通学はいつも1人

3号車目のドアの近くが僕の定位置だ

いつも通りの通学路

いつも通りの風景...

次の停車駅は七川、七川

この駅では平日の7時40分に 反対方向へ向かう電車が

20秒ほど交わって停車する

そこにはいつも 顔が整っていて 可愛い男の子が立っていた

僕は彼の事がずっと前から気になっていて

いつもバレないように 彼の顔を見ては、目をそらしていた

ドアが閉まります ご注意ください

そんな彼が最近 常に持ち歩いている本がある

村上夏木の海辺のカノジョか....

僕の名前は黄 高校３年生

好きな人は居ないけど、 気になる人なら居る

次の停車駅は七川、七川

左側の扉が開きます

それはいつも 反対側の車両に乗っているこの人

いつも眠そうな顔をしている

本当はまじまじと彼の顔を 見たいんだけど

恥ずかしくて見られない

そこで家から適当に 引っ張り出してきた

お父さんの本を読むふりをして

彼の顔を見ている

ドアが閉まります ご注意下さい

どういう人なんだろう？

でもそんな事はどうでもよかった

次の停車駅は七川、七川

左側の扉が開きます

僕は昨日借りた 「海辺のカノジョ」を

わざと彼に見えるようにして読んだ

彼は一瞬 目をこちらへやると

すぐに目線を本へと戻した

彼の整った顔がはっきりと 見えた気がした

その日はなんと彼が 私と同じ本を読んでいて、驚いた

この、えっとなんだっけ？

そう「海辺のカノジョ」だ

びっくりして彼の顔を見たら

一瞬目があった気がする

ドアが閉まります

ご注意下さい

彼は村上夏木が好きなのかな....?

この本読んでみよっかな....

𝐍𝐞𝐱𝐭♡2000~ なんか続き雑談？です