麗
ようやく意識が戻った。ひとまず安心…
…している場合ではない事が、目を開いた瞬間判明した。
地下室のような場所に移動させられた上、手首足首に大きな鎖が繋がれている。
地下室の小窓から月の光が差している。…とても、冷たくて寒い。
……待て、この感覚、どこかで…?
麗
突然頭に激痛が走る。同時に、頭に映像が流れ込んでくる。
違う、ただの映像なんかじゃない、これは…!
籠
籠
麗
全部、思い出した。
記憶を失う前のこと、そして病室で見た謎の夢のこと…
麗
麗
籠
麗
そう、あの日もこんな月明かりが差していた…
兄
籠
麗
目の前で知らない男と兄が争っている。
コンクリートが冷たい、寒い、早く助けて
籠
兄
兄
麗
籠
そして俺は、籠から強い光を目に当てられた。
そして、一連の記憶が全て抜け落ちた。
麗
籠
麗
籠
籠
籠
麗
麗
麗
籠に問い詰めようとした瞬間、籠が指を鳴らす。
音が鳴った途端、俺の身体は崩れ落ち、動かなくなってしまった。
麗
口も開かない、一体何が起こった?
籠
麗
籠
麗
籠
麗
抵抗したい、反論したいのに身体が動かない。
そんな事ない、そう言いたいのに俺の身体は…
頷いてしまった。
籠
籠
麗
終わった。もう、どうでもいい。
なんでもいい、もう、何も希望もない。
いっそ、こいつに服従してもいいだろうか…?
麗
籠
毎日ご飯をくれて、毎日寝かせてもらえて、
毎晩、愛してくれて…♡
おれ、しあわせ!
おれ、しあわせ!
おれ、しあわせ!