鳳えむ 様 前略 元気にやっていますか?私は、元気にやっています。 私はえむに謝らなければいけません。 私はえむを囮にして、楽になろうとした。姉として有るまじき行為です。本当にごめんなさい。 でも、その時は本当に苦しかったんです。言い訳だけれども、最愛の妹を盾にしてもいいと思えるくらい、辛く、くるしかった。 でも、一番苦しかったのはえむだよね。愛してくれたと思っていた兄たちは道具のようにこき使い、信頼してた姉も自分を盾にした。 本当、バカな姉たちでごめんね。 えむ、どうか、どうか幸せになって。私も幸せも運も全部あげるから。 ずっと幸せでいてね。 草々 鳳ひなた
ひなた
ひなた
ひなた
書いて捨てて、書いて捨てて
何度繰り返しただろう
最愛のえむへのお詫びの手紙。 書かないといけないのに、こんなことをしても意味のないと思ってる自分がいる。
ひなた
私は、小学生の頃からずっと道具としてはたらいてた。 きっとそれまでも、働かせるためのゼンマイ巻きでしかなかったんだと思うけど
……私は鳳ひなたでいられなかった。 お兄様たちの道具でしかいられなかった。
だから、生まれてきたえむを見たとき
ひなた
そう、思った
でもできなかった
私がえむに擦り受けて、絶望させて、煽って、壊した。
あのときは限界だった。 そうでもしないと、壊れそうだった。
何度、何度この人たちの妹として生まれてこなければと思っただろう。
普通の姉妹として、えむと幸せに暮らせればと思っただろう。
ひなた
私は、もう妹を裏切った鳳ひなたでしかいられない。 鳳ひなたとして幸せになれることは、姉として妹と笑い合うことは許されない。
だから、手紙を書こうとした。 謝って、二度と会わない約束をしようとした。
でもできなかった。
『二度と会わないようにしよう』と書こうとするたび、手が震えて、『草々』と締めてしまう。
ひなた
もうこうなったら
ひなた
ひなた
閉業したフェニックスワンダーランドの入口。 そこにはもちろん誰もいない あの日のような賑やかさはここにはなかった
ひなた
ひなた
ここまで来たのに、馬鹿みたい
???
ひなた
この声は……
司
ひなた
司
司
ひなた
確かこのコは、えむのために頑張っていたこ。 私が関わってはいけないこ。
司
ひなた
司
ひなた
司
ひなた
私は司くんの圧に耐えられず、全て正直に話した。
司
話し終わったあと、彼はポツリと零した。
ひなた
ひなた
司
ひなた
司
ひなた
司
ひなた
司
コメント
4件
ひなた姉さん……悲しい(´;ω;`)
ひな姉を救ってあげて!未来は君に託された!天馬司!!