テラーノベル
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小降りの雨が降る外 ぽつりぽつりと雨音が響く
今の自分のように薄暗い空を 窓越しに覗き込む
いつもの元気が出るはずもなく うつむいて廊下を歩く
あの黄色い髪と 眼帯を思い出すだけで 胸が苦しくなる、気がする
今日、今日こそ謝ろう
昨日も、 そんなことを考えていたはずが 実行することができずにいた
ただ、このままでは良くないと 嫌でもひしひしと感じる
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🦖
気がつくと彼の部屋の前にいて 扉をノックしていた
朝起きるのが苦手な彼を 起こしに行くのが日課になっていた
🦖
そんな呑気に考えてる暇もくれず 違和感を感じる
🦖
いつもはすぐ返事が来るはず けれど
今日は…今は 扉の向こうは少しの音もしない
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彼は勝手に 部屋へ入られるのが嫌いで 返事が来るまで入ってはいけない
🦖
だから入ろうとすれば 誰であろうとあの大きな声で 止めてくる
はずなのに
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🦖
🦖
🦖
人がいたはずのベットに 少しの温もりも感じず
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一つのメモだけが落ちていた
じゃあぱへ 勝手にどっかいってごめん 探さなくていいから ばいばい たっつん
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今更すぎる後悔の波が襲う
あっけにとられる自分をよそに 雨は強くなり 降り注いでいる
彼の姿はどこにもなく 彼のお気に入りの眼帯だけが こちらを見ていた
静かな雨音
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