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テラーノベルの小説コンテスト 第4回テノコン 2025年1月10日〜3月31日まで

わたし、屋上で靴を脱ぎかけた時に

帽子をかぶった先客に、声をかけてしまった

ねぇやめなよ

夢花

口をついて出ただけ

(ホントはどうでもよかった)

(先を越されるのが、なんとなく癪だった)

帽子をかぶった子は、語る

(どっかで聞いたようなこと)

夢花

……運命の人だった

夢花

どうしても愛されたかった

(ふざけんな!)

そんなことくらいで私の先を越そうだなんて!

欲しいものが手に入らないなんて

奪われたことすらないくせに!

夢花

話したら楽になった

って帽子をかぶった子は、消えてった

さぁ、今日こそは と 靴を脱ぎかけたらそこに

ピアスをした男の子また声をかけてしまった

どうしたの?

イザナ

ピアスの子は語る

イザナ

無視されて、奪われて居場所がないんだ

(ふざけんな!)

そんなことくらいで私の先を越そうだなんて!

それでも、家では愛されてあたたかいご飯もあるんでしょ?

イザナ

イザナ

なんかお腹がすいた

と泣いてピアスの子は消えてった

そうやって、何人かに声をかけて

やめなよ

えっ……

ーーーーーーーーー?

竜胆

追い返して

私自身の痛みは誰にも言えないまま

(ノД`、)

初めて見つけたんだ似たよな悩みの子

何人目かに会ったんだマスクをした男の子

どうしたの

春千代

………………家に帰るたびに、増えるあざを消し去ってしまうため

春千代

ここに来た………

口をついて出ただけ ホントはどうでもよかった

思ってもいないことても声をかけてしまった

ねぇやめてよ……

春千代

無理だよ。そんなこと言われたってもう我慢ができないんだ……
死なせてくれ……

(あぁどうしよう…この子は止められない)

私には止める資格がない

春千代

なら……

それでも、ここからは消えてよ

きみを見ていると苦しいんだ

春千代

……………じゃあ今日はやめとく

目を伏せたまま消えてった

今日こそは誰もいない

私ひとりだけ

誰にも邪魔されない

…………邪魔してはくれない

カーディガンは脱いで、一つ縛りをほどいて背の低い私は

今から飛びます!

夢花

まって…

イザナ

なんで……

春千代

俺我聞したのに……

うそだろ……

竜胆

やめて……

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