フルーレ
あっ…!いた…!
ミヤジ
…本当だね
フルーレとミヤジの目線の先には、地面に横たわっているバスティンの姿、バスティンに何度も呼びかけているナックの姿、殺気を出しながら兵士と言い合いをしているラトの姿、腹が立って兵士に文句を言っているラムリの姿があった。
ナック
バスティンくん…!起きてください…!ユサユサッ…!【バスティンの体を揺らす】
バスティン
……【地面に横たわっている】
ラト
頭おかしいんですか?『私達ではない』と何度も言っているでしょう?(殺気)
???
此処の住民が『お前らにそっくりの奴らを見た』と言っていた、それでも認めない気か?
ラムリ
認めるも何も、住民が嘘ついてる場合もあるよね?何でもボク達のせいにしないでくれる?
???
嘘をついているだと?貴様ら、俺が誰だか分かっているのか?
ラト
誰であろうと、殺せば全部同じですよ(殺気)
フルーレ
ストーップ!!!
ラムリ
ん?リボンくん!?
ミヤジ
ふぅ…なんとか間に合ったみたいだね
ラト
ミヤジ先生…?フルーレ…?
ラムリ
ミヤジ先生とリボンくん…!?
フルーレ
殺しちゃダメだって何回も言ってるでしょ…!
ラト
仕方ないじゃないですか、フルーレ
フルーレ
仕方なくない…!ダメなものはダメなの…!
ラト
…フルーレが言うのなら仕方ないですね、分かりました
ミヤジ
ありがとう、ラトくん
???
はぁ…また厄介な悪魔執事が来たな …
ラムリ
は?厄介?そんな言い方なくない?
ミヤジ
ラムリくん、あまり挑発はしない方がいいよ
???
よく分かってるじゃないか、そこの悪魔執事
フルーレ
それで…あなたは誰なんですか?
グロバナー家の兵士
俺は、グロバナー家の兵士だ
ラムリ
グロバナー家の兵士…!?
フルーレ
え…!?
グロバナー家の兵士
そんなことより、もう時間は経っただろう?そろそろ、お前らがやったことを認めてもらおうか
ラムリ
だーかーらー!やってないって言ってるでしょ!!
ラト
どうしてやってもいないことを、無理やり認めなくてはいけないのですか?
グロバナー家の兵士
悪魔執事ごときが、我らグロバナー家に逆らってもいいのか?
フルーレ
っ…
ナック
ミヤジさん…!バスティンくんを屋敷まで運びます…!
ミヤジ
分かった、ありがとう。ナックくん
フルーレ
バスティンをよろしくお願いします…!ナックさん…!
ナック
分かりました…!ダッ【バスティンを抱いて屋敷の方へ走る】
グロバナー家の兵士
やれやれ…助かりのしない者を…
フルーレ
助かりのしない者…?
ラムリ
まさか…キツネくんのこと…!?
グロバナー家の兵士
さぁ…どうだろうな?
ラト
…なら、あなたが助かりのしない者になりますか?
フルーレ
ちょっと、ラト…!?
グロバナー家の兵士
ハハ、つまり…お前が俺を"殺す"というわけだな?
ラト
えぇ、そうです【武器を構える】
ミヤジ
…ラトくん、落ち着いてくれ。どんな状況でも、人を傷つけてはいけないよ
ラト
ですが、いらないものは壊す…そうでしょう?天使と同じように…【殺気】
フルーレ
っ…スゴい殺気…
ミヤジ
ラトくん…
グロバナー家の兵士
…殺れるものなら殺ってみろ、まぁ…悪魔執事ごときには出来ないと思うがな
ラト
…シュ【グロバナー家の兵士の目の前へ行き、兵士の首を目掛けて素早く切る】
グロバナー家の兵士
…遅いな。ガシッ!ドンッ!【ラトの攻撃を素早く避け、ラトの腹を強く殴って地面に投げる】
ラト
っ…【兵士に地面へ投げられ、頭を強く打つ】
フルーレ
っ…!ラト…!!
ミヤジ
ラトくん…!
グロバナー家の兵士
やれやれ…やはり悪魔執事はその程度か…
フルーレ
ラト…!?大丈夫…!?
ラト
ゴホゴホッ……【頭から出血してる】
ミヤジ
ラトくんの頭から血が…
フルーレ
ラト…!今すぐ治療しないと…!
グロバナー家の兵士
狂気的なお前でもダメージは入るのか、いいことを知ったな【しゃがんでラトの武器を回収する】
ラト
…バンッ…!【しゃがんだ兵士の頭を目掛けて蹴る】
グロバナー家の兵士
…グサッ
フルーレ
っ…!?
ミヤジ
っ…!
フルーレ
何………?今の音……
グロバナー家の兵士
なぁに、少し大人しくしてやっただけだ
フルーレ
おと…なしく…?
ミヤジ
…まさか…
グロバナー家の兵士
あぁ、その通りだ。勘のいい悪魔執事もいるんだな
フルーレ
っ…ラト…!ラト…!!【ラトの方へ】
ラト
…【口から血を出し、頭からも出血している】
フルーレ
えっ……ラト……?
グロバナー家の兵士
お前、…邪魔だ。ドンッ!【フルーレを蹴る】
ミヤジ
っ…!フルーレくん…!【フルーレを庇う】
フルーレ
ん?どうしたんですか?ミヤジせn…
ミヤジ
バタッ…【兵士に蹴られて倒れる】
フルーレ
っ…!ミヤジ先生…!?
グロバナー家の兵士
弱い奴を庇うとは…愚かだな
フルーレ
ミヤジ先生…!!タッ…!【ミヤジの方へ】
ミヤジ
っ…フルーレくん…!ラトくんから離れてはダメだ…!
フルーレ
えっ…?
グロバナー家の兵士
お前が馬鹿で助かった、じゃあな【気絶状態のラトを無理やり抱いて、馬に乗って何処かへ】
フルーレ
っ…!待てっ…!ダッ【兵士を追う】
兵士を追うが、兵士は馬に乗っている為、到底追いつけるわけがなかった。
フルーレ
ハァッ…ハァッ…ダメだ…全然…追いつけない…【地面に座る】
ミヤジ
フルーレくん…【フルーレの傍へ】
フルーレ
ミヤジ先生……すいません……俺が………判断を誤ったせいで……ポロポロ
ミヤジ
…大丈夫だよ、フルーレくん。取り敢えず、今は早く屋敷に帰ろう
フルーレ
っ…でも…なんて言えば…ポロポロ
ミヤジ
このことは、ちゃんと私が説明する。だから、フルーレくんは何も言わなくていいからね
フルーレ
…はい…ありがとうございます…ポロポロ
ミヤジは泣いているフルーレを抱いて、屋敷まで走った。
???
フフ…いいことを知った、早速報告しに行こう。タッタッタッ【何処かへ走る】