君 の 嘘 。

突然の出来事だった

寝ぼけたままスマホを手に取り

画面を見ると

そこには大好きな人の名前があった

俺はボタンを押し

電話に出た

俺は目が覚め

青の言葉で息を呑んだ

今日の青はどこかおかしい

電話が終わったあと

俺はどーしていいかわからなかった

俺の頭には不安ばかりがよぎり

気がつけば家を飛び出していた

土砂降りなんて気にせず

ただ足を動かし続ける

走りながら何度電話をかけても

繋がらない

家の前に着き

呼吸を整えてから

そっとインターフォンを押す

少し間があったけど

青がドアを開けてくれた

お風呂を借りたあと

リビングで話すことにした

すごくストレートな言い方に

なってしまった

青は少し目を見開いて

何かを怯えるような目で

そしてわずかに震える身体で

何かを訴えているようだった

そして、青の口から出た言葉は

ただそれだけだった

俺は青の家から飛び出し

すぐさま家へとこもった

何もする気力がないまま

気がつけば丸1日経っていた

何気なくポストを見ると

そこには一通の手紙があった

差出人はないものの

俺宛ての名前が書かれていた

まだほんの少しだけ

温もりがあったから

きっとさっき入れたのだろう

桃くんへ 急にごめんね 突然別れることになって 桃くんはきっと納得いかないって わかってた。 でもあの時言えなかった だから言わせてください…。 もう、嫌だったの 弱い自分自身が…。 逃げ出したくなったから 人生諦めることにしたんだよね 弱いから罵られて暴力うけて 水かけられて…いじめられて… そんな惨めな自分嫌なの 桃くんに釣り合わないの。 だから桃くん。 もっとかわいくて強くて 優しい素敵な人と 幸せな未来を歩んでください 僕はお空から見守っておくね ばいばい。

まだ間に合う、そう信じて

俺は家を飛び出した

今にも海へ入ろうとする

悲しい背中が視界に飛び込んできた

俺はすぐに手をとり

俺の方へと引き寄せた

𓏸 𓈒 𓂃 𝐄𝐍𝐃𓂃 𓈒𓏸