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泣いていいですか?(泣)
⚠︎︎attention⚠︎︎
|祓本五夏|
|傑目線|不穏注意⚠︎︎|
❂1部同棲愛者に対する差別的表現がございますが、差別の意図はありません。
❂不穏やすれ違いが苦手な方はブラウザバックをお願いします
それでも宜しければ、どうぞお楽しみください☺︎
_翌朝
夏油傑
けたたましく鳴り響くアラームの音で、私は目が覚めた
隣には、すぅすぅと寝息をたてている悟がいる
彼は1度や2度のアラームでは起きないのだ
夏油傑
"赤ん坊"が起きない程度の声で呟き、私は体を起こす
何が本当か分からない…… 昨日そんな事を考えていた
そう、私は色々な気持ちで葛藤しているのだ
社会の中で正しくあろうとする私と
自分の気持ちに誠実であろうとする私。
どちらを指針にして生きるべきか、私は決められずにいる
だって私には何が正しいかなんて分からないんだ、何を信じるべきか分からない
それでも
夏油傑
朝日に照らされて光る、白いふわふわの髪の毛を撫でながらそう思う
そして背中を向けて眠る彼の顔を覗き込み、そっと額に口付けをした
夏油傑
夏油傑
そう言い残して私は寝室を後にした
朝食を摂り、悟の分の作り置きをして
洗顔やら色々を手早く終わらせて私は家を出た
今日は朝9時から雑誌の撮影と、夕方から夜にかけての祓本でのトーク番組がある。
珍しくスケジュール帳に空白ができた、ラッキーな日だ
スタジオまで徒歩移動な為、鳥のさえずりでも聴きながら優雅に足を進めた
夏油傑
しばらく街中を歩いていると、目的地らしき建物を発見したため、じっくりと外観を観察する
なんの特徴も面白みもない、何の変哲もないビルだ
そしてきっと、なんの個性もない社員が出社してくるであろうビル
これが日本である。
夏油傑
夏油傑
夏油傑
文字通り、1000人の長髪イケメンが収まる雑誌である
収録内容は個性の塊でしか無かった。
夏油傑
そう考えると案外センスがあるのかもしれない。ブラボーである
夏油傑
結構多いな長髪イケメン
監督の熱意に少し引きながら、ビルの中にあるスタジオへと向かった
スタジオに着くと直ぐにメイクと着替えとヘアセットが始まる
「君は素材がいいから」とナチュラルメイク
そして結んでいる髪を下ろして、ほぼノーセットの様な状態での撮影になった
私はその道のプロでは無いのでポーズのレパートリーが少ない
シャッター音が鳴る度に思考をフル回転させて、何とか撮影終了まで持ちこたえるしかなかった
夏油傑
なんて考えながら。
「撮影終了です、お疲れ様でした。」と言う声で、私はホッとため息を着いた
ラフな格好だったので窮屈さは無かったけれど
硬い床の上でポーズをとったのは不味かったなと思いながら体を伸ばす
夏油傑
ディレクター
ふてぶてしいと言う言葉が一番似合うであろうディレクターが、こちらを手招きで呼んだので
何かミスでもあったのかと私は駆け寄った
夏油傑
ディレクター
ディレクター
夏油傑
心中を察したような言葉に、ぺこりと軽くお辞儀をする
ディレクター
からかうような半笑いで、ディレクターと呼ばれるべき男は尋ねてきた
夏油傑
夏油傑
空気が一変したのが分かる
ディレクター
夏油傑
"どう"という言葉が何を指しているか、おおよそ検討は着いていた
彼の頭の中では、同居=恋人関係という短絡的な方程式が出来上がっているのだろう
夏油傑
けれどその推理は憎くも的を得ているため、私はすっとぼけた返事をする
ディレクター
ディレクター
ディレクター
予想を遥かに超える質問に、私は嘔吐きそうになった
夏油傑
その行為を表すようなジェスチャーをして、気持ち悪いにやけ笑いでこちらを見あげる彼は
何だか人間じゃないみたいで、
夏油傑
急に違う生物のように思えて
夏油傑
私は吐き気が止まらなかった
夏油傑
ひと呼吸置いて顔を整えてから、愛想の良い笑顔を猿に向ける
夏油傑
夏油傑
それと同時に、必死に忘れようとした嫌な記憶が蘇ってきた
夏油傑
皆口を揃えて、猿の一つ覚えのように同じことを聞いてくるのだ
きっと知能が原始時代から進化していないのだろう。
ディレクター
ディレクター
ディレクター
夏油傑
ディレクター
夏油傑
ディレクター
夏油傑
ディレクター
相手が猿だとしても私は笑顔を崩してはいけない
正しくあるためには、事実だとしても嘘で偽らないといけないのだ
だから
さぁ
笑え
きいぃ……と、耳鳴りのような嫌な音がして
気がつくと私は楽屋にいた
五条悟
五条悟
五条悟
五条悟
声のするほうを見ると、青い瞳が心配そうに私を見つめていた
夏油傑
五条悟
嫌な気持ち悪さは、以前澱のように残っている
夏油傑
夏油傑
夏油傑
いつものようにヘラヘラと笑って誤魔化して見せたが
どうもコレが彼の気に触ってしまったらしい
五条悟
腹に響くような重い声が聞こえたと思えば
家の時とは違い、悟は本気で私につかみかかってきた
夏油傑
その勢いに押されて、受身を取れずにソファーに押し倒される。
五条悟
五条悟
サングラスをかけていても分かる程に大きく見開かれた瞳は、私を捉えて離そうとしない
夏油傑
五条悟
五条悟
理性が少しばかり残っているのだろうか、最後は優しく語りかけるような声色を使ってきた
言い当てるならば「俺なら分かってやれるから」だろうか?
夏油傑
私の気持ちなんて分かるはずもないのに
夏油傑
夏油傑
面と面向かってそれを言うのは抵抗があったので、私は顔を逸らしながらそう呟く
これで分かったか?私はこういう人間なんだ
五条悟
夏油傑
背けていた顔の向きを無理やり変えられ、悟と再び視線が交わる
激怒しているため加減を忘れたのか、爪がくい込んで痛かった。
五条悟
五条悟
夏油傑
五条悟
夏油傑
夏油傑
五条悟
夏油傑
五条悟
ソファーの上で暫く喧嘩していると、ノックをする音が耳に飛び込んできた
夏油傑
五条悟
それを聞いた悟は不機嫌そうに私の上から降りる
スタッフ
スタッフ
気弱そうな男性が、こちらを伺う声が聞こえたので
夏油傑
夏油傑
私は普段と全く変わらない様子で応えた
五条悟
悟の視線がとても痛い
スタッフ
スタッフ
夏油傑
ドア越しの喧嘩に怖気付いたのか、スタッフは駆け足で去っていった
遠ざかる足音を聴きながら、乱れたスーツや髪の毛を整える
夏油傑
夏油傑
五条悟
五条悟
五条悟
夏油傑
悟のその言葉には信念のようなものが感じられて
きっともう誤魔化せないんだと悟った
夏油傑
五条悟
喧嘩の延長戦みたいなものをしながら、私達は楽屋の扉を開けた
第5話
ℯ𝓃𝒹☕︎︎𓂃 𓈒𓏸