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放課後、夕暮れ時
寧々
階段を上る
と、ピアノの音が聞こえてきた。
寧々
――目を向けた先は、使われていない旧音楽室。普段生徒の立ち入りは禁止されている――
寧々
恐る恐る寧々は窓から中の様子を覗く。
と、ピアノの軽やかな音が響いた。
一つ一つ紡ぎ出されるメロディが綺麗で、どこか儚く響く。ずっと聞いていられるような。
寧々
寧々は勇気を出して扉を開けた。 目の前には2つに髪を結んだ黒髪の少女。
❀
寧々
寧々
いきなり目の前を霧が覆う。 と、少女は消えていた
寧々
夕焼け小焼けのチャイム。
寧々
寧々は階段を駆け下りて行った
❀
寧々が居なくなったことを確認すると、 ほっと息をついた。
❀
普段ここには人が来ない。そもそも、人間には聞こえないように弾いているはずなのに。
❀
ぽつりと呟いた。
寧々
それに。
寧々
校門を出ようとする。と、 なにかの気配を感じた。
寧々
校舎をふりかえる。 誰もいない。
寧々
寧々が去っていくのを、窓から少し顔を出しながら見送る。
❀
ヒヤヒヤしながら音楽室に戻った
❀
❀は鍵盤に手を置いた。そして、ある旋律を弾き始めた。
手を早く、そして軽やかに動かす。 和音を一つ一つ丁寧に鳴らす。
人間には聞こえないように、でも響くように。 「あの日」の感傷に浸るように。
花子くん
花子くん
と、微かにピアノの音を聞き取った
花子くん
生徒は帰っている状態。そして、ピアノを弾く怪異も学園には存在しないはず……
花子くん
念の為、階段を上がっていった
❀
また弾き始める。「鳥の詩」という曲。 難易度は高いながらも美しい曲だ。
鍵盤の上に指を滑らせる。クレッシェンド。 そこから先は、飛ぶ鳥を思わせるかの如くしっかりと、でも芯のある音で。
花子くん
その音色に、7番は聴き惚れていた。
終わりは和音を綺麗に鳴らしながらも静かに。 ピアノを弾いている少女の横顔は楽しそうで、消えてしまいそうだった。
❀
気配を感じ、後ろを振り向く。
❀
花子くん
霧が辺りを包む。と、またもや消えていた。
花子くん
でも、
花子くん
草木も寝静まった夜。 ぼんやりと星を眺める。
❀
逃げてしまうのは自分の悪い癖だ。分かっている。でも。
❀
もう誰も覚えていないであろう記憶。 でも、それでいい。
❀
寂しそうに、ぽつりと呟いた。