nmmn 腐向け注意
fwhr
2話です
🌞
相談室
kid
愛する者の、死……?
kid
どういうことですか…?
医者
そうですね…
医者は言葉に詰まって、緊張していた
医者
言葉を選ばず説明すると
医者
あなたが亡くなれば、不破さんのあなたに対する記憶も愛情も全て戻るということです。
記憶を取り戻したということは愛する者の死亡の宣言となる
kid
ッ…!?
僕は医者の説明を聞いて 固唾を飲み込んだ
こんなにも残酷な病気、あるなんて知らなかった
kid
僕が、死ねば…
医者
馬鹿な真似は、絶対しないでください
小さく呟いた僕の言葉を、医者は見逃すはずも無かった
医者
…愛する者のためといっても
医者
大切な命を簡単に捨てることなど、あってはならないことです
医者
仮にそんなことがあって、悲しむのは不破さんなんですよ
kid
はい…
知ってる
みんなと生きる世界が違う僕こそ、 そんなことは痛いほど知ってるよ
でも、じゃあ不破さんは?
僕が今不破さんとの恋愛を諦めたとしても、これからの不破さんはどうなるんだ
不破さんに新しく好きな人ができて、 もし付き合えても
また記憶が無くなってしまうかもしれない
医者
甲斐田さん…?
kid
あ、えっと
kid
(こんな行き場の無い思い、今考えることじゃない…)
医者
とりあえず、状況は確認しましたので
医者
今日はもう遅いですから
医者
そろそろここも閉まります
kid
あ、ほんとだ…
時計は11時を指していた
忘愛症候群という、知名度の低い病気の検査はかなり時間を押していた
医者
また明日、不破さんの病状を確認しに病室へ来てください
kid
はい、分かりました…
kid
あ
医者
?
kid
あの、少しだけ不破さんの様子を見てもいいですか?
医者
ええ、いいですよ
医者
病室で寝ていると思います
kid
今日は、ありがとうございました
僕は深々と頭を下げ、相談室を後にした
病室
ガラガラ…
kid
(不破さん…)
kid
(寝てるかな?)
僕はそっと不破さんのいる病室のドアを開ける
不破さんの寝ているベットに近づいた
fw
スゥ…スゥ…
kid
(寝てる…)
kid
(体に異常とかは無くて、良かった…)
寝ているだけの不破さんは、いつもと変わらない
優しい顔をしていた
kid
ふふっ…
僕は優しく触れるように、寝息を立てる不破さんの頬を撫でた
kid
明日、僕の知らない不破さんに出会えるのかな
kid
さようなら、不破さん…
そう言い残し、僕は病室を出た
fw
……
タップお疲れ様です
暗い話を書くのは滅多に無いので 緊張しています…
では、また次の話で