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あてんしょん ・irxs様の名前等をお借りした二次創作(nmmn)となっています。 ・主に桃さんと黒さんでの物語進行となります。 ・交通事故・葬式等、不快に思われる描写がある可能性があります。 以上の要素が苦手・嫌いな方は、この時点でのブラウザバックをお願いします。 いたずらでの通報等はお控えください。誤字脱字等、何か至らぬ点がありましたら、コメントにてご報告ください。 その他、内容に触れるコメントをして頂く際は、直接ご本人様達のお名前を出さずメンバーカラー等での表記を厳守してください。 検索避け及びnmmnのルール違反にならないよう、ご協力をお願い致します。 こちらの作品はnmmnとなっておりますので、拡散・無断転載等は禁止します。もし発見した場合、コメントでの注意喚起を致します。それでも同じ方が何度もされているようでしたら、ブロック・通報致します。
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「黒川悠佑之墓」
その文字が刻まれているお墓に向かって、俺はそう話しかける。
1月5日。
俺の誕生日。
そして、
俺の最愛の人、
黒川悠佑の命日。
このお墓には、毎年、
彼の命日の日にだけお参りに来る。
ついでに、俺の誕生日も祝ってもらう。
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ここにはいつも、黒色の無地のマフラーをして、サイコロのキーホルダーをつけたベージュのサコッシュで来る。
ハンカチはいつも、ライオンのワンポイント刺繍が入った白いもの。
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言わへんよw
せっかくないこが来てくれてんのに。
俺に霊感はない方だと思うが、
いつもいつも、あにきの声が朧気に聞こえる。
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彼が亡くなったのは、もう2年前になる。
その日は、俺の家で夜まで誕生日パーティをしていた。
日付が変わる前の23時頃。
夜が更けても車の絶えない道路の横断歩道を渡った時、
酒を飲んでいた車に、彼は轢かれた。
近くを通りすがった人が警察と救急車を呼んでくれたけど、
出血量が多く、小柄な彼の体はそれに耐えられなくて、
結局、手術室に運ばれる前に息絶えてしまった。
大好きな彼の突然の死、そして大好きな彼の最期を看取れなかったこと、
それが悲しくて、辛くて、何日も泣いたのを覚えてる。
彼のお通夜、お葬式も、
参列したら、彼が亡くなったことを認めてしまう気がして、
認めたくなくて、現実から目を逸らしたくて、
ギリギリまで、参列することを拒んでいた。
でも、彼の妹さんに、
「兄は貴方のことが大切で大好きだった。貴方が見送ってくれないと、兄は成仏できない」と言われて。
結局俺に合わせてもらって、予定より一週間半後れてお通夜とお葬式をした。
それからは気持ちの整理もついて、
遺品を少し譲ってくれたりなんかもして、
もう今は立ち直って、元気に暮らしている。
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んはは、そうやなw
ありがと!
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青い空を見上げて、ふと昔の記憶を思い出す。
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この日は、付き合ってから初めてのあにきの誕生日。
この日のために、俺は昨夜から徹夜で誕生日ケーキを作っていた。
数日前に用意した、黒いサイコロのキーホルダーも用意してある。
お揃いにしたいから、色違いの自分のも買って。
時刻は午前11時半。
正午に来るように誘っているが、真面目なあにきのことだ、もうそろそろ来るだろう。
そう考えていた矢先。
玄関の方からインターフォンが聞こえる。
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俺は急いで玄関に向かい、今日の主役を招き入れた。
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いつもの調子で駄弁りながらリビングへ行き、あにきをキッチンに背が向いた方の椅子に座らせる。
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俺はドキドキしながら、キッチンから手作りのケーキを持ってくる。
そのままろうそくに火を点けて、部屋の明かりを消して。
両手であにきの目を覆ってからこう言う。
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あにきの顔の上で優しく歌い、そっと手をどかす。
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だって、美味しかったんやもん!
それに、プレゼントでプラマイゼロ!w
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それきり、しばらく沈黙が続く。
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あにきは、恥ずかしそうに顔を逸らして、俺に丁寧にラッピングされた箱を差し出す。
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その時はっと思い出し、俺も慌ててかばんの中からプレゼントを探す。
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〜!
も〜、あの時のこと掘り返さんくてええやん!
恥ずかしいわ…。
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それからも、一つ一つ思い出を振り返る。
2回目の俺の誕生日。
2回目のあにきの誕生日。
交際2周年。
3周年。
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そして、
4度目の、俺の誕生日。
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…こちらこそ。
こんなにも俺を大事に思ってくれる奴、一生居らんやろなって思ってたから。
ほんまにありがとうな。
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おん。
そう言いながら俺は、仏花とは別のところに一輪の青い桔梗を飾る。
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おん。待ってるな。
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「あの日」は、本当に幸せだった。
車に轢かれ、壊されるまで。
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その後、あにきが作ってきてくれたアイシングクッキーとタルトを食べて。
いっぱい話して、いっぱい遊んで。
いつの間にか、日が暮れていて、日付が変わる1時間前になっていた。
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あにきは部屋の隅に置いていた紙袋を持ってきて、
中から取り出したのは、
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早咲きの、青い桔梗の花束。
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俺がそう聞くと、あにきは自分の口に人差し指を当て、いたずらっ子のように笑った。
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y妹
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あにきのお葬式が終わって4日後。
慌ただしい時だろうとは思いつつ、どうしてもあにきの実家に行きたくて、無理を言ってお邪魔させてもらった。
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そう言って差し出されたのは、黒いマフラーだった。
少し、端の方の糸がほつれている。
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来年に、ならないかな。
1年後。
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「黒川悠佑之墓」。
そう刻まれたお墓に話しかけるも、去年まで聞こえていたあにきの声は聞こえない。
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そう独り言を呟きながら、俺は紙袋から仏花とは別の花を取り出す。
いつもは、青い桔梗だけ。
でも、今年は、
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青い桔梗と、青いヒヤシンスも。
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そう言って、俺はお墓に背を向けて、1歩ずつ離れる。
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思わず、目に涙が浮かぶ。
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