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街の人から紹介された冒険者ギルドは二つあった。一つはここから近いもの、もう一つは大陸を挙げて大々的にやっているものだ。
桃
橙
まあとりあえず近い方から行ってみようと、そんな結果になり、僕たちは順調に出発した。そして順調な旅路になった。はずだった。
桃
さとみくん、ダンジョンにひっかかる。
橙
ジェルくん、ダンジョンにひっかかる。
紫
なーくん、ダンジョ(以下略)
青
ころん、ダンジョンにひっかかる。
桃
紫
橙
青
ダンジョン。その響きはいい年した成人男性をも少年に戻らせてしまう。厨二病の気が疼いてしまう。
集団厨二病と化した僕らを止められるものはもう誰もいない。
桃
「「「うおおおおおおお!!!」」」
紫
今回はいつかの城の時の様に手分けして探すわけにもいかない。どれか一つを選んで進まないといけない訳だが、ここで光るのは僕らゲーム実況組の知識だ。
青
桃
橙
紫
桃
「「マッピング?」」ななジェルの声がそろう。ゲーム界では常識だが、特別縁があるわけではない二人は初耳だったようで、聞き返している。
マッピングとは、初めてのダンジョンなどを探りながら進んでいき、その探索ルートを地図として書き起こしてオリジナルの地図を作成するものだ。これはゲームの世界では有効だが、現実だと立体でとらえなければいけないため難しいかもしれない。
紫
なーくんが光を出してくれたことにより内部が明るくなる。本当にこの人何者?
橙
桃
マッピングしようにも紙もペンもない。しかしダンジョンでマッピングしないというのは後で致命的な欠陥になる可能性が高い。そこまで考えて、僕はあることを思いついた。
青
紫
青
桃
橙
紫
僕の思い付きが予想よりあっさり通ってしまい、焦る。そして勇者パーティでおそらく初めてであろう「誰が床をえぐるか議論」が開催される。すとぷりかなりの脳筋説がでてきてしまった。僕も参加してるけど。
紫
桃
結局交互にやっていこう、という結論になる。まず入り口を一つ、少しずつ調べて行って最終的に本格的に探索する入り口を決めよう、と。
しかし言っておこう。 僕が勇者なんだが。
橙
入り口を探索し始めてから数十分後。ジェルくんが早速宝箱を見つけて駆け寄っていく。危険だと止めるさとみくんの声も届かず、何が入っているのかワクワクするジェルくんはまるで少年のようだった。
橙
桃
橙
桃
さとみくん、あきらめる。こういう時の勘は大体当たる、僕は黙ってジェルくんに黙祷をささげた。なーくんは最早わんぱく小僧を見守るママみたいな目で見てるし。
橙
ジェルくんは勢いよく宝箱の蓋を開けた。
はあ、とさとみくんがため息をついた。
桃
その視線の先にはミミックがあった。正確に言うと、ミミックとミミックに食われかけているジェルくんがいる。もごもごともがいているジェルくんを今すぐ助けようとするものは、誰もいない。
橙
桃
青
紫
桃
青
強引に足を引っ張る。ミミックに食われる力と僕が引っ張る力の向きが丁度反対なのでジェルくんが悲鳴を上げているが、完全に自業自得だ。
紫
無事助けられたジェルくんを見た第一声がこれである。しかもかなりツボっている。それくらいジェルくんの髪形はとんでもないことになっていた。
桃
橙
天パレベル100の髪形をしながら何を言われても全く頭に入ってこない。ただインパクトの強すぎる髪形だけが頭に入ってくる。ツボり続ける僕らをよそに、すねたのかジェルくんは先に進もうとするも不安なのか此方をちらちら見ている。その姿がまた笑いを誘い、ダンジョン内はしばらく笑い声で包まれていた。