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透也
そう言って笑顔で私に手を振ってくれる彼、野中透也くん。
私は透也くんにたったの 3、2、1、で恋心を盗まれた。
これはそんな恋泥棒の彼と私の
恋物語。
約2ヶ月前___
透也
校門を出るとすぐ後ろから声がした。
私かな、なんて考えて振り返った。
透也
そう叫ぶ彼が持っていたのは私の使っているハンカチ。
咲蘭
咲蘭
透也
そう言って微笑みながらハンカチを渡してくれた。
3
透也
咲蘭
透也
咲蘭
透也
咲蘭
透也
そう言って嬉しそうに笑う透也くん。
そんな彼の表情に胸がきゅうっと締め付けられた。
2
透也
透也
1
咲蘭
透也
透也
そう言って透也くんはマスク越しでも分かるほどキラキラな笑顔で、手を振って走っていった。
咲蘭
その瞬間
自分の鼓動が早くなっていることに気づいた。
咲蘭
自分の顔に触れると熱かった。
私、もしかして…
透也くんに恋心盗まれちゃった…?
いつもと同じ朝。
1人で歩く廊下で密かに、私は透也くんを探す。
咲蘭
咲蘭
彼を探して3秒。
聞きなれた笑い声が後ろから聞こえて思わず振り向いた。
透也
男子生徒
予想通り、透也くんだった。
友達と登校してきたみたいで、楽しそうに話していた。
彼を見つけて2秒。
私は思わずにやけてしまい
慌てて顔を抑え、俯いた。
咲蘭
咲蘭
そんなことを考えながら顔を上げた途端
透也
咲蘭
透也
私に気づいた透也くんが笑顔で手を振りながら挨拶してくれた。
咲蘭
咲蘭
咲蘭
咲蘭
私は完全に透也くんから抜け出せなくなっていた。
透也
咲蘭
透也
こんな他愛もない会話も、 平然を装うのがいつも精一杯。
ドキ、ドキ、ドキ__
この胸の高鳴りはもう、
止められないよ___
3、2、1、で盗まれた私の恋心。
透也くんが勝手に盗んだんだから
捨てずに持っててね。
私も、3、2、1、で捕まえたい。
窃盗容疑の透也くんを。
私に出来るかわからないけど
必ず捕まえてみせる。
ある日の放課後
咲蘭
なんてことを考えながら1人で廊下を歩く。
その時、少し離れたところに見慣れた背中。
咲蘭
後ろから見える、歩き方さえも愛おしく思えてしまった。
咲蘭
私がそう呼ぶと、愛しい人が振り向いた。
透也
そこから私達は他愛もない話をした。
透也
咲蘭
話している途中、透也くんがそう誘ってくれた。
でもきっと透也くんは、私が好きってこと気づいてる。
それでも透也くんは優しいから
気付かないふりして私と話してるんだ。
咲蘭
それでも私はそう聞いてみた。
透也
透也
咲蘭
咲蘭
ズキ…
自分で言いながら少し苦しかった。
でも、逆に
もういっそ、透也くんに私の気持ちをちゃんと伝えてみようかな。
そう思った。
咲蘭
咲蘭
男子生徒
透也
男子生徒
咲蘭
透也
男子生徒
透也
透也
透也
咲蘭
男子生徒
透也
男子生徒
こんなに動揺した透也くんは初めてだった。
もしかして透也くんも私を…
なんて淡い期待だけが私の中に残された。
咲蘭
透也
透也
透也
咲蘭
透也
男子生徒
男子生徒
透也
透也
咲蘭
やばい…
放課後の教室に2人きりとか…
心臓バクバクだよ、、、!!!
透也
透也
咲蘭
透也
咲蘭
うるさく鳴る心臓が
私の言葉を詰まらせた。
告白したいけど、何も言えない。
だから大きく息を吸って
咲蘭
そこまで言った時、
ずっと黙っていた透也くんが口を開いた。
透也
咲蘭
透也
咲蘭
透也
透也
咲蘭
咲蘭
透也
まさか、両思いだなんて思いもしなかった。
私は真っ直ぐに透也くんの目を見つめて
咲蘭
精一杯の笑顔で答えた。
3、2、1、で盗まれた
私の恋心。
透也くんが勝手に盗んで、私を捕まえたんだから
そのままずっと離さないで。
そんなことを心の中で呟いた。
これが
一瞬で恋心を盗まれた女の子と
恋泥棒の男の子の
恋物語。