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俺はある一軒家の呼び鈴に指を かけていたが力は込めなかった (はぁ…電車に遅延があったからって説明しても、何か言われるんだろうなぁ) 幾ら田舎とはいえ人は通る何分も人の家の前で男が居たら怪しむだろう…しかたがない俺は意を決して押した ピンポーン

 涼奈

やっと来たのね…約束の時間から10分もなってるじゃない…ほんと使えないわね

開幕早々か…涼奈の暴言…付き合った当初は辛かったけど もうその感情は湧かなくなり代わりに "なんでまだ付き合っているんだろう" と言う虚無感だけが生まれていった

ごめんな、電車が遅延しちゃってさ

 涼奈

言い訳?ま、どうでもいいわ
それより早く掃除してくれる?
ほら私体力ないしモデル仕事で疲れてるからさ

俺の彼女 綾川 涼奈(あやかわ すずな)は メジャーとはまだ呼べないものの密かに人気と知名度を伸ばしている 読モだ そんな彼女は一人暮らしをしており掃除が苦手な為今日みたいに定期的に俺が呼ばれる

今日もお前の部屋からやればいいのか?

 涼奈

アンタね私に向かってお前って言うのやめてって何度も言ってるわよね?
私とアンタじゃ立場が違うのよ
ほんと物覚えが悪いわね猿なのかしら

あぁ…本当になんでこんな奴を 好きになって まだ付き合っているんだろう 分からぬかなってきた…

ごめん…ついボーってしちゃってて…

 涼奈

ごめんごめんってプライドの一つくらい持ったらどうかしら

 涼奈

まぁどうでもいいか、そ、いつもみたいに私の部屋からやってくれる?

他の部屋の扉とは違いピンクを基調とした様々な物が飾られている 涼奈の部屋の扉 ガチャ

アレ?こんな写真とかアクセサリーあったっけ?

ベットの横に前はなかった机に乗るくらいの棚が置いてあり、そこに俺と涼奈が写っている写真や昔プレゼントした気がするアクセサリーが飾ってあった

 涼奈

あ、あぁそれね前なんか出てきたから一応飾っておいてあげたのよ

そうか

 涼奈

ま、私こんな
やっすいアクセサリーに写りの悪い写真なんて要らないんだけどね

そうか

 涼奈

アンタね!もっと気の利いた返しもできないの?遅刻する無能だしプライドもないし本当なんでこんな奴と付き合っちゃったのかしら
今すぐ別れたい気分だわ

ま、掃除始めるから出て行きなよ
埃にまみれてエゴサしたいなら別だけど

 涼奈

なに?その棘のある言い方?
ふん!じゃ、とっとと初めてくれるかしら

物の配置が変わると怒るから 慎重に掃除を行った 本来なら対して大きな部屋でもないし 時間が掛かるわけがないのだが 涼奈が出ていってから40分ほど経っていた

後は、机の上とか本棚やったら部屋は終わりだな

しかし、ぶっ続けで動いたから喉が渇いたな水飲みに行こ

俺は一度部屋から出て定期的に俺が補充してるお茶のペットボトル一本を冷蔵庫から取り出し飲んでいた

 涼奈

終わったの?

大体は終わったけどまだ細かいところが、喉乾いちゃったから

 涼奈

はぁー…あの程度の大きさの部屋にどれだけ
時間かかるのよ

はは、ごめんは無能で

あぁ…心が死んでいく感じがする なんで俺自身が俺を罵っているんだ…

 涼奈

あっ私今から友達と出かけてくるから

行ってらっしゃい

 涼奈

どこに行くかとか聞かないの?

……

あぁーどうでもいい でも不機嫌になられるのも面倒臭い

どこに行くの?

 涼奈

ふふん、読モ仲間の子がね
チョーイケメンの人達を誘って
カフェに行く事になったの

彼氏の前で平然と言うか もういいや もういい 本当にもういい 高校の頃から好きだったけど もうどうでもいい 愛なんてとっくに尽きて 惰性とまた昔のように仲の良い恋人関係に戻れると思ってやってきたけど 今のでわかった

あぁ分かった行ってらっしゃい

 涼奈

ま、お土産くらいは買ってきてあげるわよ

さ、もう断ち切ろう

家中を周り俺が関係する物を全て集めた アクセサリー 写真  昔買ったペアルック 旅行の時に買った記念品

さ、これで全部かな

今何時だ?

あっ…まだ一つあった アイツが最初にくれた プレゼントの時計… そう今身につけているこの時計…

ハサミ〜ハサミ〜

ジョキ ジャギ

疲れた…しかし意外と写真撮ってる
物だなこんなにあったとは、並べると
テーブル埋めれちゃってるな

視界の先にある テーブルの上に並べられた 二人で撮った写真"だった物" 今は俺が写っている所だけ切り取った アイツが一人で写っている写真

アイツの親父さんがドラム缶で焼き芋作る人でよかった

集めた物を空のドラム缶に入れ 上からオイルを流した後 火をつけた

バチバチと音を立てながら 俺にかかっていた枷が 解かれて行った

いつしか火の勢いは弱って 鎮火した

掃除だからな、ちゃんと
元の場所に戻さないと

机の上に置いてある アイツ一人映る写真を 全て元の額縁に戻した

もう全てが終わった 鍵は持っていないだから 後俺がやるのはアイツが帰ってくるのを待ち 別れを告げてるだけ

 涼奈

ただいまー

涼奈の声に起こされ外を見ると夕焼けが見えた寝ていたらしい

おかえり

 涼奈

ん、聞いてよ今日来てくれた人達
イケメンだし話は上手だし超楽しかった!

よかったね

 涼奈

あ、お土産も買って…

 涼奈

あれ?ね、ねぇ

なに?

 涼奈

ここに飾ってある写真おかしいんだけど

 涼奈

なんか…アンタのところだけ切り取られてる…だけど…え?な、なにこれ
え?本当にどういうこと?え?

あぁ俺がやった

 涼奈

は?え?は?

要らないんだろ?だからゴミかなと思ったけど、お前は理不尽に怒るからな
写真だろうと私を捨てるなんて〜
とか言ってきそうだから1枚1枚丁寧に
俺の部分だけ切り取った

 涼奈

え?一枚…一枚?
ほ、他の写真もやったの!?

自分の部屋に走っていく涼奈 俺はその後をゆっくりと追いかける

 涼奈

ねぇ…なんで?どうしてこんな…酷いこと…グスン

だって要らないって言ったじゃん
ゴミなんだろ?捨てて何が悪い
俺に掃除を頼んだのはお前だ

 涼奈

ど、ドッキリなんだよね?これ全部偽物なんだよね??

んなわけないじゃん
無能な俺にそんな芸当できないよ

 涼奈

はは……うそ…うそ…
データにも残ってないのに…
初デートのやつも…
私だけになっちゃってる

……

 涼奈

プレゼントのアクセサリー…もない
ど…こ?どこ…?

俺は庭に佇むドラム缶を指さした

 涼奈

嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘

涼奈はドラム缶を覗き込み そのから灰を掬い出している

 涼奈

はは…もう…やらぁ!もうやらよぉ!

 涼奈

なんで、こんな事するの?

後腐れなく綺麗に別れる為

 涼奈

別…れ…る?

 涼奈

え?

もちろん快諾してくれるよな
普段から別れたい別れたいって言ってるし無能付き合ってると自分の価値が下がるんだろ?

 涼奈

そ、れは…違う!私そんなこと思ってない!

 涼奈

冷たくしたら…構ってくれたから…続けてたら…なんか…後には返せなくなっちゃって…だから…別れたくない…です

 涼奈

お願いします

そうなんだ…

ねぇ、涼奈これ見て

そう言ってポケットから一枚の写真を取り出した

これが本当に本当の最後の俺達の
思い出

 涼奈

それ…初めてキスして…その後を撮ったやつ…

そうだっけ?まぁいいや

それより気を引きたかったから冷たくしたって言うのは本当?

 涼奈

本当です…好きです!ずっと君のこと好きだよ…だから構って欲しくて

そうか

でも、もう遅い

ビリッ

 涼奈

 涼奈

やめてぇぇぇぇぇえぇぇえぇ

 涼奈

おりぇがい!やめれ!やめてぇ!
やら!やら!それ大事な奴!

涼奈は俺の腕にしがみつき 叫んでいる

 涼奈

戻せなくなる!やめて!
やめて!やめて!私達の思い出が無くなっちゃう!

 涼奈

あ、れ、?と…けい…は?

燃やした

 涼奈

うそ…

ビリビリッビリ

 涼奈

あ、ああああァアァアアアアアアアァァァァァァァアァアァアアアアアアアァァァァァァァアァアァアアアアアアアァァァァァァァアあああああああああああああああああああああああああああああ

 涼奈

もうやらこれやら
こんなのやだ

 涼奈

これ夢だからね?
私大丈夫だから
夢!夢!夢!夢!

もう終わりだよこの世に俺とお前の
残りはない、メッセージアプリのトークも削除した。

 涼奈

やめてええてええ!聞きたくない!

叫んだ後何故かキッチンに向かった 涼奈 別れの承諾を得てない俺は近づいた

 涼奈

だいすきだよ

グサッ

 涼奈

大丈夫だから

 涼奈

私も後で追いかけるから

 涼奈

ちょっと一人で寂しいかもしれないけど

 涼奈

私もいくから

 涼奈

安心して

 涼奈

あぁ、好き好き好き好き
だぁ〜いすき❤︎

 涼奈

好き

   目の前が…白い真っ白だけど 端から…真っ黒に…なっ…て…く あぁ…涼奈と最初の時みたいに…仲良く…したかった

すき…だよ…

 涼奈

うん!私も好き

 涼奈

じゃあ俺君の血が乾かないうちに
私の体に入れるね

グジャッ

 涼奈

あはははは

 涼奈

凄い!俺君が入ってくる!

 涼奈

もっと!もっと!大好きな俺君を私の中に入れたい!私をいっぱいにして!

グジャッ グサッ グザッ グシュッ カタンッ

 涼奈

あぁ…ち…か…ち…かしゅ…る

 涼奈

大好きだよ…俺君

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