コメント
1件
及川そんなに思い詰めていたなんて思わなかった。 あんまり無理しないで欲しい
及川
日向
今更、何を言うんだ。
母さんも、父さんも···色んな人を、色んな人生を俺から奪ったくせに。
及川
いや、違うな。
奪われたのは···俺が弱かったからだ。
人を···信じなかった。母さんたちに反抗しなかった。
だから、愛されてる徹くんに全部奪われたんだ。
日向
及川
嫌だ!!
帰りたくないっ!!
日向
日向
嫌だ、嫌だ。
なんでっ。
なんで···。
月島
影山
山口
まだ···俺は、弱いのっ?
どうして···たった3文字が、言えないのっ?
もっと大きく、もっとハキハキと···喋りたいのにっ。
声を、出したいのに。
日向
徹くんの、バカぁっ(泣)
タッ
及川
ガシッ
月島
及川
月島
月島
月島
及川
及川
月島
月島
及川
そうだよ···俺達は家族じゃない。
幼馴染み···とも言えない。
だって俺は、翔ちゃんに嫌われてるから。
昔から俺のところには沢山の友達が居た。
誰にも奪われない魅力があったんだと思う。
友達が沢山居たから、困らなくて···愛されてるんだって、思うようになった。
母ちゃんの友達だと知り合った翔ちゃん。
人見知りで、叔母さんの後ろに隠れていた。
小さく、可愛らしい見た目。
目がクリクリで、元気そうな髪の毛。
肌が白く、輝いていた。
そんな翔ちゃんを置いて俺は叔母さんと叔父さんを奪った。
モブ(使い回し)
モブ(使い回し)
俺の両親が記念日旅行で俺は叔母さんの家に泊まった。
翔ちゃんよりも、俺の方を見て笑っている叔母さんたちを羨ましそうに見てくる翔ちゃん。
誰よりも静かに黙々とご飯を食べていた翔ちゃん。
及川
日向
及川
モブ(使い回し)
モブ(使い回し)
日向
ここで知ったんだ。翔ちゃんが叔母さん達に愛されてないってことを。
及川
日向
日向
悲しそうに笑う翔ちゃんに、申し訳ないと感じた。
奪ってしまったんだ。
翔ちゃんから、沢山のものを。
俺が···翔ちゃんからっ。
そして、俺が高校入ってすぐ、母ちゃんたちは交通事故にあって死んだ。
即死だったって。
悔やんで、悔やんで仕方なかった。
轢いた本人は反省の色すらない。
笑ってた。
悪魔みたいに。
2年も、塞ぎ込んで···でも学校には行った。
何か、欲しかったんだ。
俺を···慰めてくれるところが。
母ちゃんと父ちゃんみたいに···頭をヨシヨシしてくれる人達が。
無理に笑って、無理に友達作って···。
心はズタズタだったけど、みんな同情してたから。
大丈夫だって、言ってきたから。
それに答えなきゃいけなかった。
みんなは、元気な俺が好きだから。
笑って、笑って、笑って笑って。
ずっと、ニコニコして。
心は空っぽなのに、もうないのに。
泣きたいのに。
苦しいのに。
怖いのに。
ヨシヨシ
及川
日向
日向
及川
日向
翔ちゃんの手はすごく暖かくて、涙が止まらなかった。
翔ちゃんの傍なら泣けるって、分かった。
日向
日向
及川
最初で、最後の最高な笑顔を俺にだけ見せてくれた事が本当に嬉しくて。
翔ちゃんを、愛したくなった。
大好きになった。
すごく、好きになった。
でも、翔ちゃんは俺から離れていった。
俺が全部奪ってるから。
翔ちゃんの家に引き取られて、叔母さんたちは前よりもずっと俺にだけ甘やかした。
翔ちゃんが、悲しんでることも知らずに、俺は···それに甘えてた。
翔ちゃんが家から出ていった後、叔母さんたちは呆れたように俺に話してきた。
モブ(使い回し)
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及川
モブ(使い回し)
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及川
呆れた。
叔母さんたちは翔ちゃんの事なんか興味無い。
どうでもいいんだってさ。
コイツらが、翔ちゃんの親だなんて···コイツらに甘えてたなんて、本当に腹が立つ。
翔ちゃんに、会って謝りたい。
ごめんって。
ごめんね···って。