マイキー
おい、そりゃねぇだろ

マイキー
ヒナちゃん幸せにするんだろ?

マイキー
何寝てんだよ

マイキー
なぁ...ッ

マイキー
ッ.........!

マイキー
結婚式2日前、道路に飛び出した子供助けて......そのままさよならとか...ッ

マイキー
そんなん、ねぇだろうが(泣

ヒナ
ぅわああぁあぁぁあぁん!!(泣

ヒナ
嫌だよぉ!!(泣

ヒナ
こんなのいやぁあぁぁああぁ!!(泣

直人
姉さん......ッ

ヒナ
起きてよぉ!!(泣

ヒナ
いつもみたいに笑ってよ!!(泣

タクヤ
っ......(泣

ヒナ
いつもみたいに、ヒナって呼んでよ!!(泣

ヒナ
嫌だ...!(泣

ヒナ
やだぁああぁああ!!(泣

エマ
ヒナ...(泣

千冬
......高一の頃に、神様の話をしたの覚えてるか

千冬
神様は、人の幸せを一番に考えて、その幸せの手助けをするって話

千冬
何がきっかけで、そんな話をしたのかは覚えてないけど...

千冬
本当に神様がいるとしたら

千冬
この状況の何処が幸せなんだよ

場地
千冬...

千冬
皆...皆幸せだったんだ

千冬
場地さんが生きてる

千冬
ドラケン君も生きてる

千冬
エマちゃん、真一郎君、稀咲

千冬
イザナ君に、ヒナちゃんも

千冬
マイキー君も、あんな辛い道を歩かずに、皆と笑ってるんだぜ

千冬
誰も死んでない

千冬
皆が、幸せに生きてるんだ

千冬
この幸せ以上の幸せって、なんだよ

千冬
......

千冬
......そう、だよな...ッ

千冬
疲れたよな...(泣

千冬
沢山頑張って、沢山苦しかったんだもんな(泣

千冬
休みたくも...ッなるよな(泣

イザナ
.........ッ

鶴蝶
武道...(泣

千冬
...ッ

千冬
なぁ、相棒

千冬
もし、また逢う事が出来るなら

千冬
そん時は、もう一回俺の相棒になってくれよ

千冬
そんで、またバカしようぜ

千冬
夜まで騒いで怒られたり、喧嘩ばっかして救急箱の中身空にしたり

千冬
......(ニコ

千冬
約束だぞ、相棒

ドラケン
ッ...(泣

千冬
ありがとな、皆を助けてくれて(泣

千冬
お前のおかげで、皆幸せだ(ニコ泣

そこには、必ずと言っても良い程、武道のデッケェ背中があった
1人、また1人と死んで逝く度に
「次こそは」
と己の心を隠し、殺し続けていた
日々崩れていく彼を、どう支えれば良かったのか...、悔やまない日は無いだろう
マイキー
(どんな言葉で表せばいいのか、どれだけの言葉を伝えればいいのか)

マイキー
(多分、その答えは生涯見つからないだろうな)

マイキー
(でも、これだけは言わせて欲しい)

マイキー
(タケミっち...助けてくれて、本当にありがとう)

ヒナ
(私は、貴方の勇敢で優しい、その心に惹かれました)

ヒナ
(自分だって怖いくせに、私を助ける為に立ち向かってくれた)

ヒナ
(最高にかっこいいその背中に、そんな貴方に恋をしました)

ヒナ
(私の恋は間違ってなかった)

ヒナ
(貴方に出会えて良かった)

ヒナ
(貴方を好きになって良かった)

ヒナ
(貴方と過ごしたあの日々が、私の一番の幸せな宝物)

ヒナ
(武道君、幸せにしてくれて、本当にありがとう)

直人
(僕は、貴方を頼り過ぎたのかもしれません)

直人
(過去に戻れるその力を、姉さんを救う為だと理由を付けて、貴方に沢山無理をさせた)

直人
(それなのに、貴方は毎度のように笑って、姉さんを助ける事を諦めなかった)

直人
(その内側に、どれだけの傷を負っているのかも知らずに)

直人
(姉さんを助けてくれた事には、一生分じゃあ足りないくらいに感謝しています)

直人
(それに、こんなにも沢山の命を救った貴方を、僕は誇りに思います)

直人
(でも、僕は...ッ)

直人
(僕は、貴方にも幸せに生きていて欲しかった)

直人
(貴方を守りたかった)

直人
(姉さんと幸せに笑ってる貴方を、もっと見ていたかった)

直人
(直接、ありがとうと言いたかった)

直人
(でも、それももう叶わぬ願い)

直人
(だから、僕は武道君の変わりに、姉さんを守り続けます)

直人
(それが、今の僕に出来る、唯一の恩返しです)

直人
(...武道君、姉さんを助けてくれて、本当にありがとうございました)

タクヤ
(武道の事なら、なんでも知ってると思ってた)

タクヤ
(けど、偶に武道が何を考えてるのか、分からない時があった)

タクヤ
(その時の武道は、俺の知ってる武道じゃなくて、もっと遠くの存在のように感じた)

タクヤ
(そんな武道が、俺は正直苦手だった)

タクヤ
(でも、どんなに怖くて逃げたくても、諦めないその意思に、俺は心底かっこいいと思った)

タクヤ
(何を考えているのか、何を隠しているのか...何も分からない武道を、解りたいと思った)

タクヤ
(タイムリープの事を知った時は、すっげぇビックリしたけど、混乱はしなかった)

タクヤ
(だって、俺は武道の事ならなんでも分かるから)

タクヤ
(それでも、武道が抱えたデッケェもんの試練を...その辛さを、俺は分からなかった)

タクヤ
(それが悔しい)

タクヤ
(けど、武道が守ってくれた、当たり前じゃないこの幸せを、今度は俺が...いや、俺達溝中五人衆が守ってやる!)

タクヤ
(何をするにも、何処に行くにも一緒だったんだ)

タクヤ
(俺だって、皆を守ってやるさ)

タクヤ
(勿論、ヒナちゃんが最優先でw)

タクヤ
(だからさ、安心しろよ)

タクヤ
(ありがとな、武道!)

千冬
(ほんと、すっげぇよ)

千冬
(最初は、好きな奴を助けたい)

千冬
(それだけだったんだ)

千冬
(けど、俺らと関わって、救う奴が増えていって、1人1人に違う悩みがあって...)

千冬
(俺が武道だったら、途中でリタイアすると思う)

千冬
(場地さんさえ助けられたら、それで満足してたと思う)

千冬
(ほんと、相棒には頭上がんねぇよ...)

千冬
(相棒とか、俺も協力するとか、そんな都合の良い事ばっか言って、全部武道に背負わせてた)

千冬
(そんな自分が、心底忌々しいよ)

千冬
(多分、各々に後悔してる事とか、沢山あるんだろうな)

千冬
(相棒がいなくなって、やっと気付いた)

千冬
(1つの命を助けたいと想うだけでも、こんなにも覚悟と勇気が必要なんだって)

千冬
(ただ思うだけなら、言葉を並べるだけだから簡単なんだ)

千冬
(けど、実際やるとなると、相当な精神力が必要になる)

千冬
(ほんとすげぇよ)

千冬
(もう、これ以上の言葉なんか思い付かねぇくらい、凄いと思うよ)

千冬
(相棒の事思い出す度に、ありがとうって想うよ)

千冬
(ほんとに...)

千冬
(ありがとな)

俺らが今幸せだって思えるのは、そんな日常が当たり前だって思えてるのは、全部武道のおかげ