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陽太
駅の前でタクシーから降りた、陽太さんは 鞄を抱えながら走りました。 それから改札口を抜けると一気に階段をかけのぼりました。 ホームには電車が停車していました。
陽太
ホームに着くと電車が止まっていました。 飛び乗るとすぐにドアが閉まりました。 まるで陽太さんを待っていたかのようです。 時計に目をやるとすでに1時2分をさしていました。 最終電車は1時ですが少し遅れていたようです。
陽太
最終電車に乗り遅れると、駅前のホテルに泊まるしかありません。 ほっと一息つくと、辺りを見回した陽太さんはふと思い、 困った顔をしました。 車内の様子がいつもと違います。 陽太さんの隣に座っている乗客の他誰も乗っていないのです。 終電には時々乗りますが今までこんな経験はありません。 すぐ前の車両も後ろの車両にも乗客はありません。
陽太
と、隣の乗客に念をおすように聞きました。
乗客
返ってきた返事に陽太さんは耳を疑いました。
陽太
乗客
そう答えると男は陽太さんの方を見ました。 目が合った瞬間に、陽太さんはズキンと 胸の高鳴りを覚えました。
5年前、夜遅く車を運転して帰る途中 通行中、男の人をはねてしまったのです。 その時、お酒を飲んでいた陽太さんは 怖くなってしまいそのまま逃げてしまったのです。 翌日の新聞には通行人がひき逃げに合い そのまま亡くなったという記事が 被害者の写真と一緒に載っていました。 その男の人にそっくりでした。
陽太
陽太さんは素知らぬ顔で聞きました。
陽太
男は薄笑いを浮かべ、呟きました。
乗客
陽太
乗客
陽太
陽太さんの不安そうな声に 男は黙ってドアの上の行き先標示板を指差しました。
『次は終点、あの世』
と、赤い文字が浮かんでいました。
おわり