その時俺は確信した…!
時雨
コレ…全て実話だ…!
借金取りに元地下アイドルという設定…
時雨
確かあの頃は貧しかったよな…
幼い頃に両親が他界。その為、姉貴が面倒をみてくれていた…。
時雨
それで父親に借金がある事が分かって毎日のように借金取りがここへ…!
その後は確か姉貴が何処か知らない街に連れて行かれて何日も帰って来なかった事があった…。
時雨
くそっ…!あの時に助けてやれば!
当時俺は小学生だった…。 流石にそこまで考えてなかったのだ…
時雨
どおりで最近ペンの進みが早いと思ったよ…。
俺はその後もひたすら姉貴の書いた小説に目を通した…。
ガチャッとドアの開く音がした…
時雨
あっ…
姉貴が帰ってきたのだ…
九葉
あれ…時雨いたんだ…
時雨
あぁ…おかえり姉貴
九葉
ただいま
九葉
ん?さっきまで書いてた小説が開いてる…?
時雨
あっ…!
九葉
そっか…やっぱり分かっちゃった?
時雨
え?
九葉
割と自信作なんだけどな〜
九葉
今まで以上にスラスラ書けたから私にとっては最高傑作なんだけど…
九葉
九葉
そう…コレはノンフィクション
九葉
実際に過去に起こった出来事だよ
気がついた時には俺は泣いていた…
やっぱりあの時見ていたとはいえ、止められなかったのだから…
時雨
姉貴…俺、悔しい…
九葉
えっ…どうしたの?
時雨
俺はあの時止められなかった…
時雨
見て見ぬ振りだった…
時雨
どうしていいか分からなかったからただボーっと見てるしかなかった…
九葉
時雨…
時雨
ごめん…姉貴…
九葉
もう過ぎた事だから…ね?
姉貴はそう言いながらもそっと俺の背中に腕をまわした…
花音
/s/[storyId]/_components/chat-script-render/op/miss-call/assets/call-miss.da4ebd87e4b3bbc2.png)
不在着信
九葉
花音…?
花音
良かった…今話せる?
九葉
うん…
彼女の名前は花音。私が昔地下アイドルやってた時のメンバー。後のリーダーである。
花音
以前組んでたあのグループなんだけど…
九葉
うん…
花音
もう一回組んでみない?
九葉
は?
花音
新しい子…入ったから
九葉
ちょっと待って…なんで勝手に…
花音
勝手じゃないよ…前に言ったじゃん
九葉
いや、聞いてないし
九葉
しかもその時はまだ幸恵が居た時じゃん…
花音
…どうでもいいでしょ、あんな人
九葉
どうでもいいって…
花音
とりあえずそういう事だから…
九葉
ちょっと…!
時雨
それ以来返信来ないのか…
九葉
そう…
九葉
メンバーが増えるってだけ伝えて…
時雨
なるほどな…
時雨
姉貴はどう思う?
九葉
私は反対かな…
九葉
やっぱり前のメンバーだからこそ出来たっていうのもあるし…
九葉
今からやったとしても多分続かないかも…
時雨
そっか…
九葉
とりあえず私はまた小説の続きでも書いてくるから…
時雨
おう…
九葉
…。
九葉
あれ…また誰かから不在着信…
時雨
今日はそういうの多いな…
九葉
今度は花音からじゃないみたいだけど、一体誰からなんだろう…?