私は物心ついた時から奴隷だった
ヒナ
休みも満足に与えられない
耐え切れなければ待っているのは鞭の雨
幼い私は毎日のように鞭で打たれた
ある日私の牢に男の子が来た
ルカ
ガチャン…
ヒナ
ルカ
ヒナ
ヒナ
ルカ
彼は笑顔を私に向けくれた
脳が電流で打たれた様な衝撃が走る
嬉しかった
冷たい視線や、無言以外を返されたのは初めてだったから
私と彼は直ぐに仲良くなった
ヒナ
ゴン!
足に石を振り下ろす
・・・血が出てきた
ヒナ
ヒナ
ヒナ
ルカ
ルカ
ヒナ
ルカ
ヒナ
うれしい。うれしい。ルカ君が私だけ見てくれている
恋愛とは違う、なにか分からないこの感情
私を見てくれる人なんていなかった
初めて見てくれたのがルカ君だった
ヒナ
ヒナ
もっと強い絆で、貴方と結ばれていたら
血に勝る絆は無いのに、そう願ってしまう
俺には家族が居なかった
ルカ
何も楽しくなかった
あの子に出会うまでは
ヒナ
脳が痺れたような感覚に陥る
正直、何を話したのか覚えていない
それでも、酷い多幸感に包まれていたことは覚えている
この子と一緒に居たい
勿論恋人ではなく、家族として
こんな俺に恋人なんてできる訳ないから
ヒナ
ルカ
ルカ
ヒナ
ルカ
どうしよう
笑ってしまいそうだ
彼女が頼りにしてくれたことが嬉しい
ごめんなさい、ヒナちゃん
とある日。
帰ってくるのが遅くなった日
ヒナ
彼女が押し倒されていた
ヒナ
此処からの記憶はない
ただ、彼女を押し倒していたクソ野郎が血塗れになっていた
あれよあれよという間にめぐるましく状況は変化した
皆俺が能力者と知ってから態度が変わった
皮脂まみれの油ぎった奴等がへこへこと頭を下げる
醜い光景だったが気分は最高だった
ルカ
ヒナ
勇気を振り絞る
喉から声を絞り出した
ルカ
ヒナ
ルカ
ヒナ
願ってもない幸運だ!
諦めていた空想が現状と化した!
嬉し過ぎて舌が回らない
早く返事をしたいのに!
ルカ
ルカ
ルカ
ヒナ
ヒナ
ヒナ
ヒナ
そう言うと彼は…
泣き出しそうな顔でくしゃりと笑った
フェルマ
フェルマ
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