きみ
昨日人を殺したんだ
君はそう言っていた
きみ
どうしよう…
ぼく
ぼく
じゃあ…一緒に逃げよう
きみ
…え?
僕と君は、 「誰からも必要とされてない」
そんな嫌な共通点で 僕と君は、 すぐ意気投合した…
ぼく
早く…今すぐに…逃げよう
きみ
僕くん…なんで…
きみ
悪いのは私…じゃん…!
ぼく
なんでって…?
ぼく
何言ってるの?
きみ
…え?
ぼく
…僕たちはいつも一緒じゃん…!
きみ
…僕くん…!
ナイフを持って
サイフも持って
携帯ゲームも鞄に詰めて
ぼく
要らないものは全部…
きみ
壊していこう!
あの写真も
あの日記も
ぼく
今となっちゃもう要らないさ
人殺しと
だめ人間の君と僕の
旅さ…
そして僕らは逃げ出した
きみ
この狭い狭いこの世界から
ぼく
家族もクラスの奴らも何もかも全部捨てて…
君と二人で…
君 が殺したのは いつもいじめてくるあいつ
もう嫌になって肩を突き飛ばして
打ちどころが悪かったらしい
ぼく
でも…
ぼく
君は何も悪くないよ
きみ
…!
ぼく
もうこの世界に価値などないさ
ぼく
人殺し何てそこら中わいてるじゃんか…
きみ
ありがとう…!
きみ
…でも…
きみ
きみ
やっぱりなんでもないや
そして月日がたった
金を盗んで
二人で逃げて
二人ならなんでもできる
…のに…
なんで…
ぼく
はあっはあっ…
きみ
大丈夫…?
ぼく
…うん、ありがとう
ぼく
ほら、今日のご飯!
きみ
…ありがとう…
ウーウーウー
きみ
あっ、警察…
ぼく
逃げよう!早く!
きみ
…っ
きみ
うっうっ…うっ
君は突然泣き出した…
ぼく
君ちゃん…早く…逃げないと…
きみ
ぼく
…君ちゃん…?
きみ
死ぬのは私だけでいいよ…
ぼく
はっ!?
グサッ
ボトッ
ピタッ
ぼく
…っ
ぼく
な…んで…
君は首を切った…
警察
そこの僕!
ぼく
っはっ…!
警察
良かった…!
警察
両親が探してたよ!
ぼく
っいっ、嫌だ!
警察
はいはい…
そして月日がすぎっていった
ぼく
なんで…!
家族もクラスの奴らも…
いじめてくるあいつも いるのに
ぼく
なんで君だけはいないんだ!
ぼく
…へっしゅんっ…
9月の終わりにくしゃみして
6月の匂いを繰り返す
ぼく
君に言いたいことがあるんだ!
君は何も悪くないよ…
いつもいじめてくるあいつ
ぎゃっはっは
ぼく
君は…
ぼく
あいつに逃げたかったのか…
ぼく
ぼく
…いや、君はまだ…
生きている
…よね…
ぼく
僕はずっと…探すから
ぼく
…君を